大塚達宣(パナソニック)ベストパンサー率は40%超え! ファイナルステージ進出へ重圧も楽しむ
- SV男子
- 2022.03.16
今年の1月6日に現役大学生としてV1男子パナソニックパンサーズに加入した大塚達宣(早稲田大3年)の勢いが止まらない。攻守にわたる活躍を見せ、3月12、13日に行われたサントリーサンバーズ戦では連勝に貢献。V・レギュラーラウンドは大詰めを迎える中、新星が抱く思いとは
敵将も認める高い決定力
仲間の期待にプレーで応える。大塚達宣は、そうやって自らの居場所を確立してきた。
4位のパナソニックパンサーズにとって、3位のサントリーサンバーズとの負けられない対戦。3月12日はストレート勝ちしたが、セットカウント2-1とリードした同13日は、フルセットの予感が漂っていた。27-27の場面で、清水邦広がレシーブしたボールはレフトにいるミハウ・クビアクの元へ。クビアクが選択したのは、バックセンターにいる大塚へのトスだった。上がったボールに大塚は迷わず踏み込み、バックアタックを決めた。この得点でブレイクすると、最後は相手のスパイクがアウトになって勝利。力強くガッツポーズを見せたと思えば、仲本賢優に抱きかかえられ、無邪気に笑った。
この2戦では、アタック決定率60%越えのスパイクはもちろん、サーブや堅実な守りでも安定感は抜群。1月6日に現役大学生(内定選手を除く)としてチーム初の加入を果たして以降、欠かせない存在となっている。「ティリ(・ロラン)監督をはじめとした指導者の方々に、物事の考え方をたくさん教えていただいたので、余裕を持ってプレーできる場面が増えたと思います」と手応えをつかむ。13日はその試合のMVPにあたるベストパンサーに選ばれた(チーム選出)。合流後に勝利した12試合のうち5度目の選出で、その確率は驚異の42%を誇る。
2戦を通してスパイク決定率60%超えの大活躍
若き新星の活躍に相手指揮官も脱帽した。サントリーの山村宏太監督は「彼にやられたな、というのが第一印象。ディフェンス、ブロック、アタックの面でこれからもほんとうに楽しみで、敵にいたら嫌だな、というのが率直な感想です」と話し、さらに続けた。「昨日の試合から清水選手のショートサーブ対策と、大塚選手の決定率を下げ、うちの攻撃を機能させるというタスクを持って臨みました。でも、大塚選手の決定率を下げられず、自分たちの決定率も上げることができませんでした。彼の若さは弱点だと思っていましたが、ほんとうにチームの中心になれる選手だと思います」。
今季最後のホームゲームとなったサントリー戦はチケットが完売。青く染まったスタンドから後押しを受けた。無観客開催が続く大学とは違い、背負うものは当然あるが、それも楽しめるのが大塚らしい。
「試合を重ねるにつれて、自分のプレーがチームの勝ち負けに大きく影響するし、だからこそ責任もあると感じています。でも、それでマイナスな方向にいくのではなくて、楽しんで試合をするのが自分の持ち味。それを忘れず、いい集中力でプレーできているのではないかと思います」
V・レギュラーラウンドは残り6試合。さらなる大舞台を目指して、刺激的な日々をまだ終わらせるつもりはない。
(文・写真/田中風太)
大塚達宣
おおつか・たつのり/早稲田大3年
身長194㎝/最高到達点340㎝/洛南高(京都)→早稲田大、パナソニックパンサーズ
発売中の月刊バレーボール4月号では、「現役学生Vリーガーに見る未来」と題し、大塚らVリーグに挑戦するパナソニックパンサーズの若き選手たちに迫る。大塚は、高校の先輩である福澤達哉さん(元パナソニック)との対談で、これからの思いについて語った
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