世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2021/22シーズン第25節(後半第12節)は注目の日本人選手対決が行われました。その一戦から!!
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■ホームの歓声を受けてパドヴァが連敗ストップ。ベーバーが最多24得点
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第25節》パドヴァ 3-1 ビーボ・ヴァレンティア
(22-25,25-22,25-21,25-22)
(現地3/13)
ビーボ・ヴァレンティアにはOP西田有志(日本)、パドヴァにはOH髙橋藍(日本)が所属していることから、“ジャポーネ・ダービー”と銘打たれた一戦。両者の直接対決は注目を集めたが、一方で、両チームとも2部降格の当落線上にいるとあって、緊張感も漂う試合となった。
<②西田もコンスタントの得点を重ねた>
先手を奪ったのはアウェーのビーボ・ヴァレンティアで、パドヴァに計4本のサービスエースを許しながらも第1セットを先取する。だが、次第にサーブレシーブが乱れると、思うような攻撃を展開できず。対するパドヴァは、ホームの声援を受けながら、OHエリック・レプキー(カナダ)とOPリーヌス・ベーバー(ドイツ)が中心となって得点を重ねる。
パドヴァはSヤン・ツィンマーマン(ドイツ)が積極的にセンターエリアからの攻撃を絡めながらリズムに乗ると、セットの終盤ではベーバーが決定力の高さを見せる。ベーバーが最多24得点、レプキーが17得点と続き逆転勝利。連敗を5で止め、降格圏への一歩手前でとどまった。
<試合のMVPに輝いた、パドヴァの④レプキー>
なお、西田は3本のサービスエースを含むチーム最多22得点。前節に続いてリベロで出場した髙橋はサーブレシーブ返球率53%(15本中)。時折、西田のサーブを髙橋がレシーブする場面も見られた。
☆この試合の模様(アーカイブ)は「VOLLEYBALL TV」で、初の日本語実況で視聴できます(解説は「WEEKLY SERIE A」の責任編集、GUCIIです)☆
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◆《第18節》モデナ 3-1 ラヴェンナ
(25-16,26-24,19-25,25-17)
(現地3/9)
未実施だった第18節(後半第5節)はホームのモデナが戦力を温存させながらも勝利。OPニミル・アブデルアジズ(オランダ)が最多22得点をあげた一方で、OHマールテン・ファンハルデレン(オランダ)が18得点、OHスワン・ヌガペト(フランス)が13得点と続いた。
<これまで出場機会の少なかった③ファンハルデレンや⑧S・ヌガペト<左から2番目>らがコートに>
++++
◆《第25節》チステルナ 3-1 ラヴェンナ
(20-25,25-11,25-21,25-19)
(現地3/13)
今節がレギュラーシーズン最終戦となるラヴェンナ。全敗に王手がかかった一戦は、チームのサーブレシーブ返球率18%と薄氷の上を歩くような戦いぶりながら第1セットを先取する。だが、健闘はここまで。第2セット以降は各セットで、計6本、7本、5本とブロックシャットを浴びて逆転負け。未勝利での降格となり、来季は2部からの古豪復活を目指す。
<ラヴェンナのOP⑬ニエル・クラプウィク<右端>はチーム最多21得点と気を吐いた>
++++
◆《第25節》ターラント 3-1 モデナ
(25-21,23-25,25-17,25-19)
(現地3/13)
OHイオアンディ・レアル(ブラジル)が20得点、OHイアルバン・ヌガペト(フランス)が16得点と続いたモデナを相手に、ホームのターラントは一歩も譲らず。OPトマッソ・リナルディとOHルイジ・ランダッツォ(ともにイタリア)が20得点と並び、守ってはMBガブリエレ・ディマルティーノ(イタリア)が最多5本のブロックポイントをマークする。勝利を収め、スーペルリーガ昇格1年目での残留を確実なものとした。
<ターラント<奥>は計14本のブロックポイントでモデナをはね返した>
++++
◆《第25節》ピアチェンツァ 3-0 ヴェローナ
(25-19,25-23,25-20)
(現地3/10)
1週間前のコッパイタリアでは準決勝敗退を喫したピアチェンツァ。リーグ戦への再出発を切る今節はOPアディス・ラグンジラ(トルコ)が最多20得点、OHフランチェスコ・レチネ(イタリア)が4本のブロックポイントを含む14得点と続き、勝利を収めた。
<バスケットボールシューズのエアジョーダン36を履いてプレーするラグンジラ>
++++
◆《第17節》ルーベ 3-1 ヴェローナ
(25-14,23-25,25-20,25-18)
(現地3/12)
未実施だった第17節(後半第4節)はアウェーのルーベが、OPイバン・ザイツェフ(イタリア)のサービスエース5本を含む26得点の大暴れもあり、勝ち点3を獲得する。ホームのヴェローナは今季のポイントゲッター、OHロク・モジッチ(スロベニア)が第2セットまでで8得点と沈黙したのが痛かった。
<1932名の観客の前で、圧倒的なパフォーマンスを披露した⑨ザイツェフ>
++++
◆《第25節》ペルージャ 3-1 モンツァ
(25-21,30-32,25-23,25-22)
(現地3/13)
コッパイタリアを制覇したペルージャは勢いそのままに、アウェーに乗り込んだ今節も勝利を収める。モンツァのOPジェルジ・グロゼル(ドイツ)に最多29得点をマークされながらも、チーム計16本のブロックポイントをマーク。OHテイス・テルホルスト(オランダ)がチーム最多26得点をあげて、試合のMVPに輝いた。
<モンツァ<奥>は⑤テルホルストのアタックを止めることができず>
++++
◆《第25節》トレンティーノ 3-2 ミラノ
(28-30,25-21,25-20,23-25,15-9)
(現地3/13)
コッパイタリア準決勝に続いて、1週間またぎで同一カードとなったトレンティーノvs.ミラノ。リベンジを果たしたいミラノは先発で起用されたOPユーリ・ロマノ(イタリア)が最多25得点、OH石川祐希(日本)が16得点、MBバルテレミ・シネニエズ(フランス)が最多4本と続き、フルセットの熱戦を演じる。だが、あと一歩が及ばず。勝利したトレンティーノはOHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)が5本のブロックポイントに4本のサービスエースを含む最多27得点の大活躍を見せて、堂々のMVPに選出された。
<ミラノの⑦ロマノ<右から2番目>は力強いプレーで得点を重ねた>
++++
◆《第25節》休息チーム:ルーベ
《イタリア・セリエA レギュラーシーズン》
==順位表/第25節終了時点==
1 ペルージャ 21勝2敗(勝ち点64)-
2 ルーベ 18勝4敗(勝ち点54)-
3 トレンティーノ 17勝6敗(勝ち点53)-
4 モデナ 17勝6敗(勝ち点48)-
5 ミラノ 12勝10敗(勝ち点38)-
6 ピアチェンツァ 11勝12敗(勝ち点34)▲
7 モンツァ 11勝12敗(勝ち点31)▼
8 チステルナ 9勝14敗(勝ち点27)▲
9 ターラント 8勝15敗(勝ち点26)▲
10 パドヴァ 9勝14敗(勝ち点24)▲
11 ヴェローナ 9勝14敗(勝ち点24)▼
12 ビーボ・ヴァレンティア 7勝16敗(勝ち点22)▼
13 ラヴェンナ 0勝24敗(勝ち点2)-
※勝敗数(勝ち点)記号は3月5日終了時点からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕
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