第4回農大カップ開催 大学生が手掛けた人気の味噌の販売など趣向を凝らす
- コラム
- 2022.04.01
東京農大一高(東京)が主催する「農大カップ」が3月27日(日)に同校で行われ、東京都世田谷区内の中学校女子バレーボール部12チームが参加した。2019年に始まり、今年で4回目となる大会は年々、発展を遂げている。
<12チームが出場した第4回大会>
東京農大のアンテナショップが出店
今回は新たな取り組みとして、学校の母体である東京農大のアンテナショップが会場に設置された。そこでは東京農大の現役生や卒業生たちが手掛けるプロジェクトで開発された商品を販売。ラインナップには、東日本大震災の被災地への支援として生まれた「浪江復興米」やバリエーション豊富なコーヒーに植物性の日用品、また、東京農大の学園祭「収穫祭」では人気が殺到するという“お味噌”が並んだ。
今年は無観客での開催とあって、参加校の先生たちが購買対象となったが、いずれは「観戦に訪れた保護者たちにも買っていただき、学生たちが手掛けた商品に触れてもらいたい」と東京農大一高女子バレーボール部の武田雅文先生は話す。
<東京農大ならではの様々な商品が並んだ>
大会に参加した学生が高校進学後は運営の手伝いに
もちろん大会そのものも有意義だ。東京都の中学生世代ではこれまで春季大会が催されてきたが、開催自体が中止となり、それにコロナ禍が輪をかけたことで今、試合の機会が激減している。今大会の出場チームからも「1、2月は練習もできませんでした」という声が聞かれ、選手たちにとっては実戦経験を積む貴重な機会となった。
また主催者側としても、こうした大会を提供することは知名度向上につながる。実際、過去に農大カップに出場し、進学先に東京農大一高を選んだ部員もいるそうで、その面々は今や大会の運営に携わり、後輩たちをサポート。会場では感染症対策としてのボールの消毒作業や試合のライブ配信の手伝いなどを行う姿が見られた。そこには学年を隔てた、プラスの循環が生まれている。
昨年からは東京農大にも女子バレーボール部が誕生したことで、学校側の理解もより深まると予想され、「オリジナリティのある大会にしていきたいです」と武田先生。バレーボール部に限らず、学校全体の取り組みを巧みに絡めた農大カップの、今後の発展に注目したい。
(取材・写真/坂口功将〔編集部〕)
<午後の部で優勝した東京農大一中に記念トロフィーを手渡す武田先生<左>>
大会の模様は「月刊バレーボール」2022年5月号(4/15発売予定)に掲載!!
>>><次ページ>第4回農大カップ【ギャラリー】