4度のオリンピックを経験し、昨季限りで現役を引退した荒木絵里香(トヨタ車体クインシーズチームコーディネーター)さんが、4月1日に早稲田大大学院の入学式に参加した。同大学院のスポーツ科学研究科で学びたいこととは
入学式を前に、多くの新入生がごった返すキャンパスで、荒木さんは「何もわからないです。20年ぶりの学生生活ですよ」と笑った。
昨年10月の引退会見で「恩返しができたらと思うので、大学院に行って学ぶ機会を準備しています」と語っていた。「小川先生(良樹監督/下北沢成徳高[東京])も、自分の父も、(多治見)麻子さん(日立Astemoリヴァーレ監督)もここ(早稲田大)を出ています。同じところで学びたいという希望もありました」と身近な存在が決め手となった。
オンリーワンの研究に挑む。Vリーグで8度タイトルを獲得し、日本代表としても世界に脅威を与えたブロックは、なぜ決まったのか。その理由を言語化する。
「自分がいちばん考えて取り組んできたブロックを研究できたらと思って、松井(泰二)先生(早稲田大男子バレーボール部監督)にお願いしました。今は自分の感覚でしかないものを、これからちゃんと理解して、人に伝えられるように学んでいきたいです」
現在の役職はチームコーディネーターだが、将来的には指導者を目指す。「バレーボールを違う角度から深めて、もう一回学びたいです」。荒木さんの指導を受けた選手が、日本の強固な壁になる。そんな日が待ち遠しい。
取材・撮影/田中風太
荒木絵里香(あらき・えりか)
1984年8月3日生まれ/岡山県倉敷市出身
倉敷北中→成徳学園高(現・下北沢成徳高)/東レ→ベルガモ(イタリア)→東レ→上尾(現・埼玉上尾)→トヨタ車体
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