世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2021/22シーズンはいよいよプレーオフに突入です。準々決勝ラウンドが決着し、準決勝へと戦いは移ります
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■トレンティーノが今季2冠へ前進。SP6本のミケレット「素晴らしいシーズンが続いています」
[MATCH OF THE ROUND]
◆《準々決勝R第2戦》ピアチェンツァ 3-2 トレンティーノ
(21-25,29-31,25-19,25-20,24-22)
(現地4/3)
◆《準々決勝R第3戦》トレンティーノ 3-0 ピアチェンツァ
(25-22,25-19,25-21)
(現地4/10)
準々決勝ラウンド第2戦はホームのピアチェンツァが2時間半の激闘を制して勝敗をタイに戻した。第2セット途中から投入されたOPトンチェク・シュテルン(スロベニア)が21得点をあげたほか、何よりOHアーロン・ラッセル(アメリカ)が驚異の33得点。今季は超がつくほどの大型補強を敢行したピアチェンツァにとって、ここで負けるわけにはいかないという意地が見える試合となった。
<第2戦で33得点の大活躍を見せたピアチェンツァの②ラッセル(コート奥中央)>
対するトレンティーノは、現地4月7日にCEVチャンピオンズリーグ2022の準決勝を同じセリエAのペルージャと争い、またしてもフルセットくわえてゴールデンセットという死闘(結果は勝利し決勝進出)を繰り広げてからの、今回の第3戦という何ともハードなスケジュールだ。けれども、強豪クラブのプライドか。「とてつもない疲労感を抱えていたにも関わらず、ずっと集中できていた」とトレンティーノのSリッカルド・スベルトーリ(イタリア)。ホームで迎えた第3戦は、常に先行する展開で終わってみればストレート勝ちを収めてみせた。
<ピアチェンツァの3枚ブロックを攻略する⑤ミケレット>
ピアチェンツァは第2戦とうってかわってラッセルが6得点に抑えられ、これには「並外れたディフェンスだった」とロレンツォ・ベルナルディ監督も白旗。トレンティーノはMBスレチコ・リシナツ(セルビア)が最多5本のブロックポイントをマークした。また、OHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)も最多6本のサービスエースを含む14得点をあげて勝利の立役者となり、スーペルコッパに続くタイトル獲得へ前進。「素晴らしいシーズンが続いています。勝利することも大事ですが、何より応援してくれる皆さんに感謝したい」とミケレットは思いを語った。
*****
◆《準々決勝R第2戦》ペルージャ 3-0 チステルナ
(25-23,25-20,25-20)
(現地4/3)
第1戦を落としたチステルナはホームで第2戦を迎えるが、毎セットで4本のブロックシャットを浴びて、はね返される。OHスティーブン・マー(カナダ)が14得点と奮闘するも、その対角に入る選手が定まらず、各セットで入れ替えるも突破口を見出せなかった。勝利したペルージャはOHウィルフレド・レオン(ポーランド)が最多16得点、OPカミル・リキリチ(ルクセンブルク)が15得点と続いた。
<奮闘したチステルナ(コート奥)の⑦マー(写真は第1戦)>
++++
◆《準々決勝R第2戦》ルーベ 3-1 モンツァ
(28-26,19-25,25-17,25-23)
(現地4/2)
スーペルコッパ準決勝でモンツァに敗れていたルーベは、お返しとばかりに今回は準々決勝ラウンドで撃破。第2セットは相手のサーブレシーブを崩せず奪われたものの、第3、第4セットでは総じて高いアタック決定率をマークし、勝利した。ルーベはOHリカルド・ソウザ(ブラジル)が最多22得点で試合のMVPに選ばれている。
<モンツァのOH⑮ウラド・ダビスキバ(ベラルーシ)は21得点と気を吐いたが…>
++++
◆《準々決勝R第2戦》モデナ 3-2 ミラノ
(17-25,25-14,22-25,25-18,15-13)
(現地4/3)
第1戦は完敗を喫したミラノだったが、第2戦はホームの声援を受けて激闘を演じる。第1セットではAパオロ・ポッロ(イタリア)が3連続サービスエース、第3セットでは計6本のブロックポイントをあげて、2セットを獲得。結果的にフルセットに持ち込まれ、最終第5セットでは9-13と窮地に追い込まれるも、OPユーリ・ロマノ(イタリア)の2本連続サービスエースを含む4連続得点で同点に。あと一歩に迫ったが、惜しくも準々決勝ラウンド敗退に終わった。
<ミラノのOP⑨ジャン・パトリ(フランス)は「第1戦よりもチームはよかったが、厳しい結果になった」と試合後にコメント>
《イタリア・セリエA》
==プレーオフ/準々決勝ラウンド勝ち取り表==
・ペルージャ〇〇 vs. チステルナ●●
・モデナ〇〇 vs. ミラノ●●
・ルーベ〇〇 vs. モンツァ●●
・トレンティーノ〇●〇 vs. ピアチェンツァ●〇●
==プレーオフ/準決勝ラウンド対戦組み合わせ==
・ペルージャ vs. モデナ
・ルーベ vs. トレンティーノ
==レギュラーシーズン最終順位表==
1 ペルージャ 22勝2敗(勝ち点67)
2 ルーベ 19勝5敗(勝ち点57)
3 トレンティーノ 17勝7敗(勝ち点53)
4 モデナ 18勝6敗(勝ち点51)
5 ミラノ 13勝11敗(勝ち点41)
6 ピアチェンツァ 12勝12敗(勝ち点37)
7 モンツァ 11勝13敗(勝ち点31)
8 チステルナ 10勝14敗(勝ち点30)
9 ヴェローナ 10勝14敗(勝ち点27)
10 ターラント 8勝16敗(勝ち点26)
11 パドヴァ 9勝15敗(勝ち点24)
12 ビーボ・ヴァレンティア 7勝17敗(勝ち点22)
13 ラヴェンナ 0勝24敗(勝ち点2)
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕
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