世界三大リーグの一角、ロシア・スーパーリーグ男子の模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE RUSSIA』。2021/22レギュラーシーズン第24節や未消化試合が実施され、最終順位も徐々に確定してきました
(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■今季初勝利からフルセットの試合が続く中、今季2勝目をあげたオレンブルク
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第24節》レニングラード 3-2 オレンブルク
(23-25,25-10,25-27,25-12,15-7)
(現地4/1)
◆《第16節》オレンブルク 3-2 ケメロヴォ
(25-22,18-25,18-25,25-18,15-13)
(現地4/5)
今季は開幕から21連敗を喫したオレンブルクは第23節でフルセットの末に初白星をゲットする。ここから全勝すれば最下位も回避できる状況で臨んだ第24節。第2セットは大差で落としたものの、第3セットでは計6本のブロックポイントをあげて食らいつく。試合を通じては、OPドミトリー・ヤコブレフとOHセルゲイ・パノフ(ともにロシア)が12得点と並ぶ奮闘。だが、連勝とはならず、ウラジミル・ビクロフ監督も「相手サーブに押されて、こちらもミスを重ねました」と肩を落とした。
<今季好調のレニングラード(コート奥)にも肉薄した>
それでも「一つの勝利を目指して、すべての敵に向かっていきます!!」という指揮官の言葉どおり、闘争心は失わなかった。続く試合は未消化だった第16節で、ここではフルセットの末に勝利を収める。チーム最多16得点のパノフを含め、3選手が2桁得点をマーク。「これから成長していくでしょう」とビクロフ監督が期待を寄せた、22歳のSアンドレイ・ウシコフ(ロシア)のトスワークも冴えた。残り試合の関係からレギュラーシーズン最下位が確定したオレンブルクだが、最後まで戦い抜く。
<キャプテンの⑩ヤコブレフがチームを牽引する>
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◆《第24節》ケメロヴォ 3-1 ウファ
(25-19,14-25,25-20,25-23)
(現地4/2)
敵地に乗り込んだケメロヴォはOHロマン・パクシン(ロシア)が4本のサービスエースを含む最多19得点、OPビタリー・パパゾフ(ロシア)が4本のブロックポイントをマークして、連敗を6でストップ。だが、その次のオレンブルク戦(上記)で敗れたことで、プレーオフ進出にはもう一敗もできない窮地に立たされている。
<今季ケメロヴォに移籍加入したベテランS⑫アレクサンデル・ブティコ(ロシア)はチームを押し上げられるか>
++++
◆《第24節》ノヴォシビルスク 3-0 ニジニ・ノヴゴロド
(25-19,25-16,25-22)
(現地4/2)
アウェーのノヴォシビルスクはサービスエースこそ7本と稼げはしなかったものの、サーブで相手を崩してはMBデニス・チェレイスキ(ロシア)の最多6本を含め計12本のブロックポイントでニジニ・ノヴゴロドに誰一人として2桁得点をマークさせず。完勝で、今季20勝目に到達!!
<キャプテンの⑩ヤコブレフがチームを牽引する>
++++
◆《第14節》ウファ 3-2 ニジニ・ノヴゴロド
(21-25,25-19,25-19,22-25,15-10)
(現地4/6)
延期されていた第14節が実施され、ウファがフルセットの末に勝利。OPエフゲニー・リャバコフ(ロシア)が両チーム通して最多29得点、OHエゴール・フェオキストフ(ロシア)が20得点と続いた。なお、これで今季5勝目をあげたウファは最下位回避が決定しており、一つでも順位を上げるべく残り試合での勝ち星を目指す。
++++
◆《第24節》モスクワ 3-2 クラスノヤルスク
(21-25,25-20,25-19,23-25,15-9)
(現地4/2)
第4セットでOHアントン・セミシェフ(ロシア)を投入するも、アタック決定率が伸び悩み、フルセットにもちこまれたモスクワ。最終第5セットはセミシェフに代えて再びOHヤロスラフ・ポドレスニフ(ロシア)を投入する。6-6からはブロックが機能し、クラスノヤルスクに決定機を与えず、勝ち切ってみせた。モスクワはOPロマナス・スクレビチャフ(ロシア)がチーム最多22得点、Sパベル・パンコフ(ロシア)が5本のサービスエースをたたき出した。
<モスクワがコンビを組み、OH⑨デニス・ボグダン(ロシア)がバックアタックを打ち込む>
++++
◆《第24節》サンクトペテルブルク 3-0 ニジネヴァルトフスク
(25-22,26-24,25-17)
(現地4/2)
7位につけるニジネヴァルトフスクは何としても勝ち星がほしいところだったが、ホームで完敗。OHルスラン・ガリモフ(ロシア)が3本のサービスエースを含む最多12得点、サーブレシーブ返球率60%(15本中)と攻守で気を吐いたが、ここにきて痛い黒星を喫した。
<サンクトペテルブルク(コート奥)の堅いブロックを打ち破れず>
++++
◆《第14節》ニジネヴァルトフスク 3-1 ウレンゴイ
(25-22,16-25,25-21,25-19)
(現地4/30)
未実施だった第14節は、ホームのニジネヴァルトフスクがOHルスラン・ガリモフ(ロシア)の最多18得点を含め4選手が2桁得点をマークして、競り勝つ。ウレンゴイはOPウラディスラフ・バドケビッチ(ベラルーシ)が最多20得点と気を吐くも、連勝は3でストップした。
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◆《第24節》カザン 3-0 ウレンゴイ
(25-21,25-22,25-20)
(現地4/2)
17連勝中のカザンは今節も横綱相撲。最多25得点をあげたOHドミトリー・ボルコフ(ロシア)を除き大半の主力を温存しながら、ウレンゴイに誰一人として2桁得点を許さなかった。後半戦全勝まで、あと2試合!!
<昨季までウレンゴイでプレーしていたボルコフは、ファンたちと記念撮影>
++++
◆《第24節》ベルゴロド 3-0 スルグト
(25-21,25-23,25-21)
(現地4/3)
プレーオフ進出圏内の当落線上に立つベルゴロドは、引き続き負けられない戦いが続く。敵地に乗り込んだ今節では、OPエゴール・シデンコ(ロシア)が最多21得点でチームを牽引、OHパベル・テチューヒン、OHスタニスラフ・マスリエフ(ともにロシア)の両エースが11得点と並び、ストレート勝ちを収めた。
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■ロシアバレーボール連盟が約8000万ドルの賠償を求め、スポーツ仲裁裁判所へ申請
ロシアバレーボール連盟(VVF)は現地4月6日、自国で開催予定だった2022年男子世界選手権が中止(代替の開催地は不明)になったことに対する賠償請求を、スポーツ仲裁裁判所(CAS)へ申請したことを明らかにした。現地報道によれば、VVFのアレクサンデル・ヤレメンコ事務局長は「大会準備にかかるすべての費用を徴収すべく、およそ8000万ドルを請求する」と話しており、補償を求める先は、国際バレーボール連盟(FIVB)とのこと。
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《ロシア・スーパーリーグ男子 レギュラーシーズン》
==順位表/第24節終了時点==
1 カザン 23勝1敗(勝ち点70)-
2 ノヴォシビルスク 20勝3敗(勝ち点58)-
3 モスクワ 20勝4敗(勝ち点55)-
4 サンクトペテルブルク 17勝7敗(勝ち点50)-
5 レニングラード 16勝7敗(勝ち点43)-
6 ベルゴロド 12勝11敗(勝ち点41)-
7 ニジネヴァルトフスク 11勝13敗(勝ち点31)-
8 ケメロヴォ 10勝14敗(勝ち点32)-
9 ウレンゴイ 9勝15敗(勝ち点23)-
10 ニジニ・ノヴゴロド 8勝16敗(勝ち点27)-
11 クラスノヤルスク 7勝17敗(勝ち点22)-
12 スルグト 6勝18敗(勝ち点17)-
13 ウファ 5勝18敗(勝ち点19)-
14 オレンブルク 2勝22敗(勝ち点10)-
※勝敗(勝ち点)記号は前節からの推移
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕