[イタリア21/22]準決勝R 前年度王者ルーベがトレンティーノに連敗で敗退の危機
- 海外
- 2022.04.19
世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2021/22シーズンはプレーオフと5位決定プレーオフが実施中。トップ4がしのぎを削るプレーオフでは、ルーベの進軍に陰りが…。
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■ミスが響き、完敗ともいえるストレート負け。ルーベが連覇に黄色信号
[MATCH OF THE ROUND]
◆《準決勝R第1戦》トレンティーノ 3-0 ルーベ
(28-26,25-20,25-23)
(現地4/14)
◆《準決勝R第2戦》トレンティーノ 3-0 ルーベ
(25-20,25-21,25-23)
(現地4/18)
どうにも勝てない。前年度王者のルーベが無冠のシーズンを過ごすかもしれないのだ。準々決勝ラウンドはモンツァをスイープ(2勝0敗)で下したものの、トレンティーノと争う準決勝ラウンド第1戦はホームでストレート負けを喫した。そうして敵地に乗り込んだ第2戦も、第1セットでは相手のOHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)のサーブに苦しみ、5連続失点。終盤でOPイバン・ザイツェフ(イタリア)のサービスエースやMBロベルランディ・シモン(キューバ)のクイックで詰め寄るも、先取される。
<シモン(中央)の高さあるクイックはリーグ屈指の脅威だが…>
続く第2セットもなかなかブレイクを奪えず、中盤の4連続失点が響き、セットを落とす。第3セットも18-22からOHマーロン・ヤント(キューバ)のアタックで4連続得点をあげたが、あと一歩及ばなかった。
3戦先勝の準決勝ラウンドは、これでトレンティーノが2勝0敗とし決勝進出に王手。反対にルーベは窮地に立たされることになった。特に両チームで顕著なのは、ミスの数の違いで、ルーベは第1戦で計16本、第2戦で計18本のサーブミスを計上しているほか、アタックエラーでも第2戦ではトレンティーノが2本に抑えたのに対して、こちらは8本と要所での失点が響いている。
<的確なアタックチョイスが光るトレンティーノのS⑥リッカルド・スベルトーリ(イタリア)は第2戦のMVPに>
ルーベのジャンロレンツォ・ブレンジーニ監督は「我々が困難に直面していることは明らかです。攻撃の選択、相手のハイセットに対するブロックの位置取りなどシンプルな部分が、セットの獲得に影響します。特に決定的な場面でこそ冷静に努めなければなりません」とコメントした。
*****
◆《準決勝R第1戦》モデナ 3-1 ペルージャ
(25-22,22-25,25-22,25-20)
(現地4/13)
◆《準決勝R第2戦》ペルージャ 3-1 モデナ
(25-23,22-25,25-21,25-21)
(現地4/17)
もう一つの準決勝ラウンドは、2試合を消化し“逆・内弁慶”シリーズとなっている。第1戦はアウェー、モデナのOHイアルバン・ヌガペト(フランス)が持ち味を発揮。コントロール抜群の強烈サーブを放ったかと思えば、同じフォームから相手レシーバーの手前に落とすショートサーブを交えて、計4本のサービスエースをマーク。加えてフェイクセットにツーアタックと変幻自在のプレーを繰り出し、チーム最多19得点をあげて先勝に導く。
<白星発進を飾ったモデナ(写真は第1戦)>
対するペルージャは第1戦で最多4本のブロックポイントをマークしたMBセバスティアン・ソレ(アルゼンチン)が第2戦でも6本のブロックシャットを浴びせる。チームも計18本のブロックポイントをあげたほか、攻めてはOHマシュー・アンダーソン(アメリカ)が18得点、OHウィルフレド・レオン(ポーランド)が15得点と続き、勝敗をタイに戻した。
<モデナは出場停止中のOHイオアンディ・レアル(ブラジル)に代わってコートに立ったOH③マールテン・ファンハルデレン(オランダ)が3得点と沈黙>
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◆《5位決定PO予選ラウンド》モンツァ 3-1 ミラノ
(13-25,25-23,25-23,25-18)
(現地4/16)
来季のCEVチャレンジカップ出場権を懸けた5位決定プレーオフは6チーム総当たりで実施される予選ラウンドの第1戦で、ミラノとモンツァの同都市“ダービーマッチ”が実現。試合はアウェーのモンツァが、OPジェルジ・グロゼル(ドイツ)がチーム最多19得点、OHドノバン・ジャボロノク(チェコ)とOHウラド・ダビスキバ(ベラルーシ)が14得点と並び逆転勝利を収めた。
<ミラノはOH⑰トーマス・ジェスキー(アメリカ/手前)がチーム最多20得点の健闘>
++++
◆《5位決定PO予選ラウンド》ピアチェンツァ 3-0 チステルナ
(25-18,25-22,25-22)
(現地4/17)
ホームのピアチェンツァはSアントワーヌ・ブリザール、OHチボー・ロサール(ともにフランス)を温存、それでも選手層の厚さは健在。Sピエッレ・プジョル(フランス)がしっかりと攻撃を組み立てる。OPアディス・ラグンジラ(トルコ)がチーム最多17得点、OHアーロン・ラッセル(アメリカ)が16得点と続き、快勝発進。
<飛躍を誓った今季、ピアチェンツァは5位の座を手にできるか>
++++
◆《5位決定PO予選ラウンド》ヴェローナ 3-0 ターラント
(28-26,25-22,25-17)
(現地4/17)
スーペルリーガ昇格シーズンに5位決定プレーオフ進出を果たしたターラントだったが、今節は登録人数8名というぎりぎりの状態で臨むことに。OPジュリオ・サッビ(イタリア)が最多13得点と気を吐くも、ヴェローナに計11本のブロックシャットを浴びてストレート負けを喫した。
<ヴェローナはOP⑫マッズ・エンセン(デンマーク)が4本のブロックポイントを含むチーム最多16得点>
《イタリア・セリエA》
==プレーオフ/準決勝ラウンド勝ち取り表==
・ペルージャ●〇 vs. モデナ〇●
・ルーベ●● vs. トレンティーノ〇〇
==5位決定プレーオフ順位表==
1 ピアチェンツァ 1勝0敗(勝ち点3)
2 ヴェローナ 1勝0敗(勝ち点3)
3 モンツァ 1勝0敗(勝ち点3)
4 ミラノ 0勝1敗(勝ち点0)
5 ターラント 0勝1敗(勝ち点0)
6 チステルナ 0勝1敗(勝ち点0)
==レギュラーシーズン最終順位表==
1 ペルージャ 22勝2敗(勝ち点67)
2 ルーベ 19勝5敗(勝ち点57)
3 トレンティーノ 17勝7敗(勝ち点53)
4 モデナ 18勝6敗(勝ち点51)
5 ミラノ 13勝11敗(勝ち点41)
6 ピアチェンツァ 12勝12敗(勝ち点37)
7 モンツァ 11勝13敗(勝ち点31)
8 チステルナ 10勝14敗(勝ち点30)
9 ヴェローナ 10勝14敗(勝ち点27)
10 ターラント 8勝16敗(勝ち点26)
11 パドヴァ 9勝15敗(勝ち点24)
12 ビーボ・ヴァレンティア 7勝17敗(勝ち点22)
13 ラヴェンナ 0勝24敗(勝ち点2)
==プレーオフ/準々決勝ラウンド勝ち取り表==
・ペルージャ〇〇 vs. チステルナ●●
・モデナ〇〇 vs. ミラノ●●
・ルーベ〇〇 vs. モンツァ●●
・トレンティーノ〇●〇 vs. ピアチェンツァ●〇●
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕
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