世界三大リーグの一角、ロシア・スーパーリーグ男子の模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE RUSSIA』。2021/22レギュラーシーズンが今節ですべて終了し、戦いはここからプレーオフへと移ります
(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■20連勝でレギュラーシーズンフィニッシュ! カザンが堂々の首位通過
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第26節》カザン 3-0 ニジネヴァルトフスク
(28-26,25-22,25-18)
(現地4/16)
最終成績5位に沈んだ昨季からの復権を目指す、リーグきっての強豪カザン。今季はSマイカ・クリステンソン(アメリカ)やOHドミトリー・ボルコフ(ロシア)を加えると、開幕から5戦連続ストレート勝ちを収める。第6節のモスクワ戦をフルセットの末に落としたものの、以降は白星を重ね、そのままレギュラーシーズンを駆け抜けた。
最終週となる今節は第1セットこそ競り合ったものの、終わってみればセットを落とすことなく勝利。OHボルコフが4本のサービスエースを含む最多21得点、OHアンドレイ・スルマチェフスキ(ロシア)が5本のサービスエースをマークした。
<カザン(手前)の⑮ボルコフは好調をキープしている>
堂々の首位通過を果たしたカザンは、プレーオフ(3位~10位チームによる予選ラウンド)が免除され、5月上旬のファイナルステージまで期間が空くことになる。アレクセイ・ベルボフ監督は「まずは最善のコンディションを整えることが重要ですし、試合勘という点では難しくもあります。私としては、(レギュラーシーズン2位の)ノヴォシビルスクとの練習試合ができれば」と自身の考えを語った。
<リーグタイトルを手にしてこそカザン。ベルボフ監督の手腕がここから問われる>
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◆《第26節》モスクワ 3-0 オレンブルク
(25-18,25-22,25-12)
(現地416)
昨季王者のモスクワは第2セットから2人、第3セットで1人を交代する余裕の采配。その中でもフル出場を果たし、4本のサービスエースを含む両チーム通して最多17得点をマークしたOHデニス・ボグダン(ロシア)は「素晴らしいレギュラーシーズンの締めくくりができましたが、さっそく次の試合への準備をしなければ」と兜の緒を締めた。
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◆《第26節》サンクトペテルブルク 3-0 クラスノヤルスク
(25-21,25-18,25-20)
(現地4/10)
ホームのサンクトペテルブルクはOHフョードル・ボロンコフ(ロシア)が4本のブロックポイント、3本のサービスエースを含む最多17得点という力強いパフォーマンスでチームをストレート勝ちに導く。今季はレギュラーシーズン終盤で指揮官交代もあったが、勢いは失っていない。
<攻守で活躍を見せた⑪ボロンコフ>
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◆《第13節》ベルゴロド 3-2 ウファ
(25-23,25-21,20-25,21-25,16-14)
(現地4/14)
◆《第26節》ベルゴロド 3-0 ウファ
(25-20,25-23,25-22)
(現地4/16)
未消化の第13節と合わせて、最終週に連続開催となったベルゴロドとウファのカード。第13節は両チーム計25本のブロックポイントが出る熱戦に。その試合を制したベルゴロドは、続く第26節でOHエゴール・シデンコ(ロシア)が最多17得点、OHパベル・テチューヒン(ロシア)が13得点をあげて、連勝を収めた。「第1戦(第13節)よりもいいスコアで終えることはできましたが、同じようにプレーオフへの準備をするうえで課題は残ります」とベルゴロドのボリス・コリチン監督はコメント。
<OH⑨イリヤ・シボベツ(ロシア)は安定したサーブレシーブで起点をつくった>
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◆《第26節》ケメロヴォ 3-0 クラスノヤルスク
(31-29,25-19,25-20)
(現地4/16)
ホームのケメロヴォはMBミハイル・シェチェバコフ(ロシア)が最多5本のブロックポイント、OPビタリー・パパゾフ(ロシア)が最多12得点をあげてストレート勝ち。「第1セットは相手のサーブがよくて、こちらもミスを重ねてしまいました。ですが、ファンの前で勝利できたことが何よりうれしい」とケメロヴォのイーゴリ・ユリチッチ監督は喜んだ。
<アタックでチームを牽引するケメロヴォの⑨パパゾフ>
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◆《第13節》ノヴォシビルスク 3-2 レニングラード
(21-25,25-16,26-28,25-21,15-11)
(現地4/14)
◆《第26節》ノヴォシビルスク 3-1 レニングラード
(25-21,19-25,25-18,27-25)
(現地4/16)
未消化の第13節と、最終第26節の2連戦。第13節はノヴォシビルスクが最多21得点のOPドラジェン・ルブリッチ(セルビア)を筆頭に4選手、対するレニングラードも最多16得点で並んだOHデニス・ビリュコフとOHセルゲイ・ピライネン(ともにロシア)を含む4選手が、それぞれ2桁得点をマークする壮絶な試合を繰り広げる。その試合を制したノヴォシビルスクが、続く第26節も競り勝ち、6連勝でレギュラーシーズンを締めくくった。
<ノヴォシビルスクのキャプテン⑮パベル・クルグロフ(ロシア)はマイクを手にコメント>
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◆《第26節》ニジニ・ノヴゴロド 3-2 ウレンゴイ
(29-27,25-23,23-25,21-25,15-9)
(現地4/16)
アウェーのニジニ・ノヴゴロドはウレンゴイに計16本のブロックシャットを浴びながらも、OPデニス・アントノフ(ロシア)が両チーム通して最多28得点の大活躍を見せる。第4セットは計7本のブロックポイントをあげながらも落としたが、最終第5セットは安定したサーブレシーブから攻撃を展開し、フルセットの末に勝利を収めた。
<ニジニ・ノヴゴロドを引っ張るのは御年41歳のベテランMB⑧ビクトル・ニコネンコ(ロシア)>
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《ロシア・スーパーリーグ男子 レギュラーシーズン》
==最終順位表==
1 カザン 25勝1敗(勝ち点76)-
2 ノヴォシビルスク 23勝3敗(勝ち点66)-
3 モスクワ 22勝4敗(勝ち点61)-
4 サンクトペテルブルク 19勝7敗(勝ち点56)-
5 レニングラード 16勝10敗(勝ち点44)-
6 ベルゴロド 15勝11敗(勝ち点49)-
7 ケメロヴォ 12勝14敗(勝ち点38)-
8 ニジネヴァルトフスク 11勝15敗(勝ち点31)-
9 ニジニ・ノヴゴロド 9勝17敗(勝ち点29)▲
10 ウレンゴイ 9勝17敗(勝ち点24)▼
11 クラスノヤルスク 7勝19敗(勝ち点22)-
12 スルグト 7勝19敗(勝ち点20)-
13 ウファ 5勝21敗(勝ち点20)-
14 オレンブルク 2勝24敗(勝ち点10)-
※勝敗(勝ち点)記号は前節からの推移
1-2位⇒ファイナルステージへ
3-10位⇒プレーオフ(ファイナルステージ予選ラウンド)へ
11-14位⇒11-14位決定戦へ
==プレーオフ(ファイナルステージ予選ラウンド)/組み合わせ==
・モスクワ vs. ウレンゴイ
・サンクトペテルブルク vs. ニジニ・ノヴゴロド
・レニングラード vs. ニジネヴァルトフスク
・ベルゴロド vs. ケメロヴォ
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕