世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2021/22シーズンはプレーオフと5位決定プレーオフが実施中。トップ4がしのぎを削るプレーオフ準決勝ラウンドは最終第5戦までもつれ込む展開になりました
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■モデナのアブデルアジズが驚異の39得点。だが、ペルージャが計20本のブロックシャットでやり返す
[MATCH OF THE ROUND]
◆《準決勝R第3戦》モデナ 3-2 ペルージャ
(24-26,22-25,25-16,31-29,15-13)
(現地4/20)
第1、第2セットを競り合いながらも落としたモデナは、第3セットからOPニミル・アブデルアジズ(オランダ)がギア全開。セット序盤で連続サービスエースを奪うとチームも勢いを取り戻し、中盤では8連続得点と大量リードで反撃開始。続く第4セットも30点台に到達するジュースとなったが、最後はこのセットだけで3本目となるアブデルアジズのサービスエースが決まり、モデナがフルセットに持ち込む。
第5セットも接戦となったが、ブレイクを重ねたモデナが勝利を収める。アブデルアジズは5本のサービスエースを含む、最多39得点の大暴れで堂々と試合のMVPに選出された。
<第5戦にむけてアブデルアジズ(奥)は「打数は関係ない、チームのために自分のベストを尽くすのみ」と意気込み>
◆《準決勝R第4戦》ペルージャ 3-2 モデナ
(21-25,25-17,25-16,19-25,15-12)
(現地4/24)
決勝進出に王手をかけたモデナは勢いを象徴するかのように、第1セットの18-14からはリリーフサーバーで投入されたOHロレンツォ・サラ(イタリア)が3本連続サービスエースを奪い、そのままセットを先取する。だが、ペルージャも持ち味であるブロックシステムを機能させ、計7本のブロックポイントをマークして第2セットを奪い返す。続く第3セットも終始ペースをつかんだペルージャが獲得。それでもモデナはOPアブデルアジズ、OHイアルバン・ヌガペト(フランス)を中心に得点を重ね、最後はお返しとばかりに連続ブロックシャットを浴びせて、またしてもフルセットに持ち込む。
しかし最終第5セットは12-11からOHウィルフレド・レオン(ポーランド)が2本連続でノータッチのサービスエースを決めて、ペルージャが勝ち切った。
<ペルージャ(手前)は愛称“ブロックデビルズ”の本領を発揮した>
*****
◆《準決勝R第3戦》ルーベ 3-0 トレンティーノ
(25-16,25-19,25-17)
(現地4/21)
◆《準決勝R第4戦》ルーベ 3-1 トレンティーノ
(25-19,27-29,25-22,25-22)
(現地4/24)
2連敗を喫してあとがなくなったルーベはホームで迎えた第3戦。出だしからOPイバン・ザイツェフ(イタリア)が怒涛の得点ラッシュでチームを勢いに乗せると、第1セットは終盤で5連続得点をあげるなど大差で先取する。続く第2セットからはOHマーロン・ヤント(キューバ)も積極的に攻撃に参加し、トレンティーノを圧倒。Sルチアノ・デセッコ(アルゼンチン)がエリアを問わないアタックを自在に組み立て、20点台に到達させない文字通りの完勝で、待望の1勝を手にする。
<まさに「神様、仏様、ザイツェフ様」という言葉が似合うパフォーマンスだった>
続く第4戦はホームのトレンティーノがOHマテイ・カジースキ(ブルガリア)の鬼気迫る最多20得点の奮闘で食らいつくも、計11本のブロックシャットをあげたルーベが勝利。中でもMBロベルランディ・シモン(キューバ)が5本のブロックポイントを含む、チーム最多20得点。昨季もプレーオフに突入後に破壊的なパフォーマンスを繰り出した“カリブ海の巨人”が、チームを2勝目に導く。ルーベが2勝2敗とした。
<カジースキ(奥)が見せる、大黒柱の姿>
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◆《5位決定PO予選ラウンド》モンツァ 3-1 ヴェローナ
(25-23,17-25,25-13,25-16)
(現地4/23)
ホームのモンツァはOPジェルジ・グロゼル(ドイツ)の最多23得点を含めて4選手が2桁得点をあげて、5位決定プレーオフで2連勝。対するヴェローナは頼みのOHロク・モジッチ(スロベニア)が3得点と沈黙し、第1セットだけで交代。OHアスパルフ・アスパルホフ(ブルガリア)が14得点と気を吐いたが、2桁得点が一人だけでは苦しかった。
<今季はCEVカップ2022優勝を果たしたモンツァ>
++++
◆《5位決定PO予選ラウンド》チステルナ 3-1 ミラノ
(25-20,21-25,25-21,25-16)
(現地4/24)
ホームのミラノは第2セットこそ奪ったものの、そのほかのセットは中盤以降で失速する展開。OHトーマス・ジェスキー(アメリカ)が最多16得点、OPジャン・パトリ(フランス)が13得点と続いたが、2連敗を喫する。チステルナはOHスティーブン・マー(カナダ)が、昨季まで所属した古巣を相手に27得点と暴れた。
<大当たりのときはアンストッパブルな活躍を見せるマー(奥右端)>
++++
◆《5位決定PO予選ラウンド》ピアチェンツァ 3-0 ターラント
(27-25,25-20,26-24)
(現地4/24)
ピアチェンツァは第2セットでOHフランチェスコ・レチネ(イタリア)を、第3セットからSアントワーヌ・ブリザール(フランス)をベンチに下げながらも、しっかりとストレート勝ち。OPアディス・ラグンジラ(トルコ)が最多17得点をマークした。ホームのターラントはOHファブリジオ・ジローニ(イタリア)が最多17得点の健闘。
<ターラントのOH⑥ルイジ・ランダッツォ(イタリア)も要所で得点を重ねた>
《イタリア・セリエA》
==プレーオフ/準決勝ラウンド勝ち取り表==
・ペルージャ●〇●〇 vs. モデナ〇●〇●
・ルーベ●●〇〇 vs. トレンティーノ〇〇●●
==5位決定プレーオフ順位表==
1 ピアチェンツァ 2勝0敗(勝ち点6)
2 モンツァ 2勝0敗(勝ち点6)
3 ヴェローナ 1勝1敗(勝ち点3)
4 チステルナ 1勝1敗(勝ち点3)
5 ミラノ 0勝2敗(勝ち点0)
6 ターラント 0勝2敗(勝ち点0)
==レギュラーシーズン最終順位表==
1 ペルージャ 22勝2敗(勝ち点67)
2 ルーベ 19勝5敗(勝ち点57)
3 トレンティーノ 17勝7敗(勝ち点53)
4 モデナ 18勝6敗(勝ち点51)
5 ミラノ 13勝11敗(勝ち点41)
6 ピアチェンツァ 12勝12敗(勝ち点37)
7 モンツァ 11勝13敗(勝ち点31)
8 チステルナ 10勝14敗(勝ち点30)
9 ヴェローナ 10勝14敗(勝ち点27)
10 ターラント 8勝16敗(勝ち点26)
11 パドヴァ 9勝15敗(勝ち点24)
12 ビーボ・ヴァレンティア 7勝17敗(勝ち点22)
13 ラヴェンナ 0勝24敗(勝ち点2)
==プレーオフ/準々決勝ラウンド勝ち取り表==
・ペルージャ〇〇 vs. チステルナ●●
・モデナ〇〇 vs. ミラノ●●
・ルーベ〇〇 vs. モンツァ●●
・トレンティーノ〇●〇 vs. ピアチェンツァ●〇●
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕
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