世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2021/22シーズンはプレーオフと5位決定プレーオフが実施中。トップ4がしのぎを削るプレーオフ準決勝ラウンドが決着しました。決勝に進出したのは…!?
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■ブレンジーニ采配的中!! 2連敗からの3連勝でルーベが決勝進出を決めた
[MATCH OF THE ROUND]
◆《準決勝R第5戦》ルーベ 3-2 トレンティーノ
(27-29,25-21,21-25,25-15,15-11)
(現地4/27)
OPイバン・ザイツェフやOHオスマニー・ユアントレーナらイタリアバレーボール界を支えてきた面々がそろいながら、準決勝ラウンドで開幕2連敗を喫したルーベ。U21イタリア代表がそろうトレンティーノに引導を渡すか。そんな言葉すらチラついたが、ここから巻き返し、戦いの行方は最終第5戦へもつれ込む。舞台はチビタノーヴァ・マルケ。応援団「プレデターズ」がチャントを奏でて、選手たちの背中を押した。
第1セットはLファビオ・バラーゾ(イタリア)が、相手エースのOHアレッサンドロ・ミケレット(イタリア)のアタックをダイブしながら片手で拾い上げる“神レシーブ”を繰り出すも、ジュースの末に落とす。それでも第2セットはザイツェフに加え、OHマーロン・ヤント(キューバ)が高いアタック決定率を弾き出し、奪い返すことに成功する。
<アタック決定率60%(18本中)と奮闘したヤント(右端)>
第3セットは序盤で攻撃にミスが目立ち、追う展開に。12-18からMBロベルランディ・シモン(キューバ)が連続サービスエースをあげたが、追撃は届かなかった。
あとがなくなった第4セット、ルーベは16得点をあげていたヤントを下げて、守備に定評のあるベテランOHジリ・コバル(イタリア)を投入し、OHリカルド・ソウザ(ブラジル)とポジションを入れ替える。また、3セットをプレーし9得点のザイツェフをOPガビ・ガルシア(アメリカ/元・プエルトリコ)に交代。そのガルシアとシモンの強固なブロックが機能し、開始から3連続得点でスタートダッシュを決めると、9-6からはガルシアのバックライトからのアタックがさく裂し、一挙7連続得点。第4セットを大差で制すと、勢いは止まらず。
<プエルトリコ代表の①ガルシアはシーズン中にアメリカの市民権を獲得。アメリカ代表入りを目指す>
最終第5セットも序盤から連続ブロックシャットを浴びせるほか、Sルチアノ・デセッコ(アルゼンチン)が巧みに攻撃を分散させ優位にゲームを進めると、最後はシモンがこの日4本目のサービスエースをノータッチで相手フロアに叩き込み、見事、決勝ラウンド進出を果たした。ジャンロレンツォ・ブレンジーニ采配が的中したルーベ。まだまだ、スクデット(リーグタイトル)の保有権を譲る気はない。
*****
◆《準決勝R第5戦》ペルージャ 3-1 モデナ
(19-25,25-20,27-25,25-15)
(現地4/27)
ここまで4試合を戦い、いずれもアウェーチームが勝利する“逆・内弁慶シリーズ”となったペルージャ対モデナのカード。最終第5戦をホームで迎えたペルージャは第1セットでOHウィルフレド・レオン(ポーランド)がいま一つのパフォーマンスという印象で、対するモデナにブレイクを重ねられ先取を許す。
<ペルージャ(奥)は持ち味のブロックから立て直しに成功した>
だが、第2セットから戦況は一変。ペルージャが愛称“ブロックデビルズ”のとおりに序盤からブロックシャットを浴びせると、対するモデナもOPニミル・アブデルアジズ(オランダ)が3連続サービスエースを決めるなど、流れが行き来する展開に。計6本のブロックポイントをマークしたペルージャがこのセットを取り切ると、続く第3セットは要所でブロックポイントをマークしたほか、Sシモーネ・ジャネッリ(イタリア)のトスワークもさえ渡り、OPカミル・リキリチ(ルクセンブルク)やOHマシュー・アンダーソンがしっかりと得点を重ねる。
<⑥ジャネッリがモデナを翻弄した>
そうして2セット目を奪ったペルージャは第4セット、11-18からレオンのサービスエース2本を含む5連続得点で一気に突き放し、そのまま勝利に到達。応援団「シルマニアチ」のアイコンである白色のTシャツで埋め尽くされたスタンドが興奮のるつぼと化した。
これでペルージャはコッパ・イタリアに続く今季2冠の挑戦権を獲得。一方のモデナはSブルーノ・レゼンデ(ブラジル)やOHイアルバン・ヌガペト(フランス)ら2015/16シーズンの三冠メンバーが戻ってきたものの、無冠で今季の戦いを終えることになった。
《イタリア・セリエA》
==プレーオフ/準決勝ラウンド勝ち取り表==
・ペルージャ●〇●〇〇 vs. モデナ〇●〇●●
・ルーベ●●〇〇〇 vs. トレンティーノ〇〇●●●
==5位決定プレーオフ順位表==
1 ピアチェンツァ 2勝0敗(勝ち点6)
2 モンツァ 2勝0敗(勝ち点6)
3 ヴェローナ 1勝1敗(勝ち点3)
4 チステルナ 1勝1敗(勝ち点3)
5 ミラノ 0勝2敗(勝ち点0)
6 ターラント 0勝2敗(勝ち点0)
==レギュラーシーズン最終順位表==
1 ペルージャ 22勝2敗(勝ち点67)
2 ルーベ 19勝5敗(勝ち点57)
3 トレンティーノ 17勝7敗(勝ち点53)
4 モデナ 18勝6敗(勝ち点51)
5 ミラノ 13勝11敗(勝ち点41)
6 ピアチェンツァ 12勝12敗(勝ち点37)
7 モンツァ 11勝13敗(勝ち点31)
8 チステルナ 10勝14敗(勝ち点30)
9 ヴェローナ 10勝14敗(勝ち点27)
10 ターラント 8勝16敗(勝ち点26)
11 パドヴァ 9勝15敗(勝ち点24)
12 ビーボ・ヴァレンティア 7勝17敗(勝ち点22)
13 ラヴェンナ 0勝24敗(勝ち点2)
==プレーオフ/準々決勝ラウンド勝ち取り表==
・ペルージャ〇〇 vs. チステルナ●●
・モデナ〇〇 vs. ミラノ●●
・ルーベ〇〇 vs. モンツァ●●
・トレンティーノ〇●〇 vs. ピアチェンツァ●〇●
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕
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