gv-logo

春高2025

ユニフォームは西武ライオンズ!? 文星芸大附高が掲げる全力の姿勢と、その歩み

  • コラム
  • 2022.06.09

 バレーボールなのに、あれは野球…? わかる人が見れば、思わずニヤリとしてしまうユニフォームを着たチームがいる。栃木県の文星芸大附高バレーボール部男子だ。

 

<文星芸大附高バレーボール部。ユニフォームの背中にはBunseiの文字が走る>

 

110年の歴史を持つ学校の校是

 

 白色をベースにしたユニフォームに、学校名は青色の筆記体で書かれ、緑と赤の2色のラインが肩やパンツのサイドに走る。そして、もう一着は、濃くも鮮やかなブルーをベースに、こちらは少し太めの角ばった書体で学校名が記されている。

 

 往年のプロ野球を知る人間がいれば、まさに西武ライオンズのまんまだ!! と、うならずにはいられないだろう。これが、文星芸大附高バレーボール部のユニフォームなのだ。

 

 その背景にあるのは、学校の「ライオン主義」という校是。それは、【獅子 象を擒(とら)うるに其力(そのちから)を全うし、兎を擒うるに其力を全うす】というもので、学校生活において夕方に必ず唱和するのだという。

 

 「本校出身者であれば、誰もが知っている言葉です。ライオンはゾウを狩るにも、ウサギを狩るにも、その力を出し切る。つまり、何事にも一生懸命に、という意味です」とバレーボール部の小林秀晃監督。「ライオン主義」の精神は、明治44年に設立された学校において、110年近くの歴史とともに紡がれてきた姿勢なのである。

 

 さて、文星芸大附高といえば、野球部は全国大会、いわゆる甲子園でその名前を耳にすることがあるが、どうしてバレーボール部と“西武ライオンズ”がリンクするのか。それは小林監督のルーツにあった。

 

<上下で鮮やかなライオンズブルーが印象的なユニフォーム>

 

隆盛を誇った“80-90年代、森・西武”へのオマージュ

 

「幼少期に野球を始めた私が中学・高校と白球を追いかけてきたころに、プロ野球界で強かったのが森祇晶監督の西武ライオンズでした。私が西武ファンだったので、ホームとビジターそれぞれのユニフォームをマネしたという。生徒たちにも話しますよ、森・西武はこんなに強いチームだったんだぞ、って(笑)」

 

 簡単に説明すれば、森監督が率いた1986年から94年の9年間で、西武ライオンズは8度のリーグ優勝、6度の日本一を果たしている。まさに黄金期であった。

 

 そんな強豪チームへのリスペクトから、ライオンズブルーで彩られたバレーボール部のユニフォームが誕生したというわけだ。

 

 興味深いのは、小林監督自身にそもそも競技経験がないこと。大学まで野球に励み、理科の教員として文星芸大附高に赴任したのは16年前。だが当時、すでに野球部は全国出場を果たすほどの実績をあげており、新しく着任した小林先生が携わることはかなわなかった。そこで回ってきたのが、バレーボール部の指導だったのである。

 

<監督の教えを胸に、部員たちはコートへ>

 

<次ページ>>>競技経験のない監督が伝える、大事なこと

  • マグダビッド×関田誠大
  • アシックス×高橋藍
  • 全中2024
  • 北部九州インターハイ2024
  • 男子日本代表応援サイト2024
  • 女子日本代表応援サイト2024
  • NBPオンラインショップ
  • 自社広告のご案内
  • 全国専門学校選手権2019

pagetopbtn