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春高2025

東洋高と安田学園高が四強入り インターハイ都予選は激戦の予感【第76回関東高等学校男子大会】

  • 学生
  • 2022.06.14

 

東京の勢力図が変わる1年になるかもしれない。近年は東京の二強に駿台学園高と東亜学園高が君臨し、インターハイ予選では7年連続で両校が代表の2枠に名を連ねてきた。しかし、今年4月に行われた都予選ではその東亜学園高を駒澤大高が準々決勝で破り、準優勝。そして、ALSOKぐんまアリーナ(群馬)で6月4日(土)から5日(日)に行われた第76回関東高等学校男子大会では、同予選4位の東洋高と11位の安田学園高がベスト4に入った

 

【写真】東洋高と安田学園のフォトギャラリー

 

東洋高は前回王者の

日本航空高を破ってベスト4へ

 トーナメント表を見た東洋高の#2鈴木碧空キャプテンは、大一番をチャンスと捉えた。2回戦の相手は前回大会を制し、今年の春高でも優勝した日本航空高(山梨)。「日空(日本航空)を倒せばチームに勢いがつくし、有名になれる。絶対に勝とうと思いました」。堅いサーブレシーブから身長190cmの#1兎沢阿季、そして177cmと小柄だが、最高到達点は330cmを超える鈴木キャプテンの両エースを軸に攻撃を組み立て、ストレート勝ち。全国の舞台を知らない選手たちに、自信が芽生えた瞬間だった。

 

 準々決勝では前橋商高(群馬)をストレートで下し、四強入り。準決勝で優勝した習志野高に敗れたものの、鈴木キャプテンは胸を張った。「大先輩の関田(誠大/ジェイテクトSTINGS)選手以来のベスト4。同じ実績を残せて誇らしいなと思いました」。OBの柳田将洋(元サントリー)に憧れて東洋高に入学した兎沢の「これまで春高に行けず、(東洋高を選んで)ほんとうによかったのかな、という気持ちが正直ありました。でも、この大会を通してやっぱり来てよかったな、と思いました」という言葉は、チームメイトの思いを代弁していたに違いない。

 

 だが、ここがゴールではないと、選手たちは自覚している。小林将也監督は「目に見える結果が出て自信になったので、インターハイ予選に向けて弾みになりました。ただ、これからつなぎやブロックを確認していきたいです」と気を引き締めた。8年ぶりの本戦の舞台へ、鈴木キャプテンは力強く言う。「自分たちがまた東洋の歴史を作っていけたらと思います」。

 

身長180cm台がいない安田学園高

約束事を徹底し都予選から逆襲

 リベロを除くスタメンの平均身長は176.1cm。コートには180cmを超える選手はいない。だが、小さくてもできることはあると、四強入りの安田学園高が証明した。

 

 高さがないと自覚しているからこそ、約束事を徹底する。トスが乱れると無理にスパイクを打たず、リバウンドをとってベストな体勢へ。ともに身長177cmの#1吉田拓弘キャプテン、#3近藤颯太を中心に、得点を重ねた。さらに、サーブレシーブでも高い返球を心がけることで、セッターに余裕をもたらし、幅のある攻撃を展開した。

 

 2回戦の慶應義塾高(神奈川)戦、3回戦の正智深谷高(埼玉)戦と2度のフルセットを制し、2日目へ。準決勝では、第1セットにサブメンバーが出場した駿台学園高からセットを奪取。第2セット以降はレギュラーメンバーを引きずり出し、身長190cmを超える高いブロックと対峙した。近藤洋監督が「(駿台学園高に)そんなに歯が立たないことはない、という実感もあると思うし、今後のために試合ができてよかったです」と経験値を積んだ。

 

 都予選はシードのため6回戦から登場したが、サーブレシーブが安定せず、攻撃が単調に。その結果、日大三高にフルセットの末に敗れた。近藤監督は「力はあるんだけど、自分たちが低身長だということを誤解していて。ちょっとでもぶれてしまうと、そこまで落ちることがわかりました」と言い、続けた。「でも、今回で約束事を守ればここまでいけるともわかりましたね」。

 

 吉田キャプテンも「予選のときは正直に言うと負けるとは思っていなくて、その甘さが出たと思います。でも、今は自信しかないです」と言葉に力がこもる。足元を見つめ直した安田学園高が、インターハイ出場争いに名乗りを上げた。

 

準決勝

東洋 1 (17-25,21-25) 2 習志野

安田学園 1 (25-17,14-25,16-25) 2 駿台学園

 

文・写真/田中風太

 

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