現在開催中のネーションズリーグ2022に出場している男子日本代表。昨年度に引き続き、キャプテンとしてチームを牽引する石川祐希は、月刊バレーボール2021年7月号でキャプテン就任時の思いや若い選手への期待を語っていました。ここでは当時の記事を振り返ります(本文は当時の内容のまま)
----以下、月刊バレーボール2021年7月号----
すでに活動をスタートしていた2021年の男子日本代表だったが、5月中旬にようやく、この男が合流した。日本バレー界のエース、石川祐希。日出ずる国が世界へ誇るバレーボールプレーヤーが、今年度からはキャプテンマークをつけて、龍神NIPPONをさらなる高みへと押し上げる
キャプテン就任の要請に
「やらせていただきます」と即答
イタリア・セリエAでの2020/21シーズンを終えて、5月初旬には帰国していたという石川。コロナ禍における自主隔離期間を経て、チームに合流した。
その間、男子日本代表は国際親善試合や紅白戦を実施しており、その様子を「コンディションよく、(チームは)プレーができていると感じた」と石川。その画面越しには、昨年度の代表シーズンでも活動をともにした大塚達宣や髙橋藍が“日本代表デビュー”を堂々と飾っていた。台頭著しい若手選手については「体つきが少し大きくなった」と印象を口にし、「速いトスなど、チームが目指しているものにトライしているな、と。僕自身も一緒にコートに入ることで、彼らの成長を感じられると思います」と胸を弾ませた。
今年度からはキャプテンを務める。もとより、自身が抱く“世界のトッププレーヤーになる”という目標の中で、必要な要素ととらえていた。だからこそ、イタリアでの2020/21シーズン中に中垣内祐一監督から電話で打診を受けた際には、「やらせていただきます」と即答した。タイミングでいえば、1年延期になったとはいえ、今年度は東京2020オリンピックを控えたシーズンであり、2017年以降の現体制の集大成となる時期を踏まえてみれば、「難しい」(石川)ものでもあった。それでもキャプテン就任にあたり、「今までもリーダーシップは監督やコーチから求められていました。それを、より発揮しないといけない。若いメンバーも増えたので、彼らを引っ張り、刺激を与えることが必要だと思います」と言葉に力を込めた。
「世界のトップに立つには
個人の能力が必要」
2017年以降、“東京2020オリンピックでのメダル獲得”を掲げて強化を続けてきた男子日本代表。その中で石川自身は、個の力を高めるべく、世界最高峰と称されるイタリアのリーグに身を投じ、けんさんを積んできた。この4年間を通した男子日本代表の成長について「個人技が目立つチームになってきた。世界のトップに立つにはチーム力以上に個人の能力が必要だと感じています」と語るように、自ら先頭に立って行動に移してきた。それゆえに、「(チームは)いい傾向にあると思うので、楽しみだと思います」という言葉には説得力と期待感がみなぎっていた。
個の力を結集させて、いざ世界へ挑む。石川祐希率いる新生NIPPONがスタートした。