アメリカの血が流れる最高到達点340cmのスパイカー 関東大会で輝いた日本代表の卵たち【第76回関東高等学校男子大会】
- 学生
- 2022.06.23
第76回関東高等学校男子大会がALSOKぐんまアリーナ(群馬)で6月4日(土)から5日(日)に行われ、習志野高(千葉)が11年ぶり4回目の優勝を飾った。上位校以外にも将来有望な選手は多く、ここでは第14回アジアU18選手権大会の選考メンバーに入ったローゼン マーク有廉ジュニア(土浦日大高/茨城)をピックアップ
父はアメリカ人で、身長206cmのバスケットマン。その血を受け継ぐ身長190cmのローゼン マーク有廉ジュニアにとって、相手のブロックはお構いなしだ。今大会屈指の最高到達点340cmの打点から、ミドルブロッカーながら二段トスも力強くたたき込む。就任6年目の吉田達也監督は「今まで教えた選手でいちばんすごい。あのジャンプは見たことがないですね」と声を弾ませる。
今大会では2年生ながら中心選手としてチームを引っ張り、勝利を積み重ねたが、準々決勝の駿台学園高(東京)戦では組織的な守りに阻まれた。ストレート負けに終わり、ローゼンは「悔しい、のひと言です。今まではブロックの上から打てることが多かったですが、必ずワンタッチを取るような手の出し方をされて打ちにくかったです」と肩を落とした。だが、「これまで戦ったことがない全国トップレベルのチーム。試合ができてとても光栄ですし、収穫もありました」とキリッとした表情で語った。
競技を始めてわずか5年。小学生のころはサッカー少年で、「点を決めまくっていました」とフォワードで無双していた。だが、滑川中(茨城)に入学後、廃部危機だったバレーボール部を救うべく、新たな道へ。当時は身長160cm台だったものの、毎日22時に寝ていた効果もあってか、中学3年生時には180cm台に迫った。今や190cmとなり、今季から本格的にレギュラーに。すると5月にアジアU18選手権大会の選考メンバーに呼ばれ、世代トックプクラスの選手たちに肩を並べた。
その合宿では、プレーの幅を広げるべくオポジットも経験。「ポジションが急に変わると打ち方が難しい」と言いながらも、「高い二段トスをブロックの上から打ち抜いたときとか、スパイクがコートに突き刺さる感覚はとても楽しい。二段トスをコートの奥に強く打つ意識がより高くなりました」と笑顔を見せる。何事も貪欲に吸収しようとする姿勢は、強い願望があるからだ。
「日本を代表するような選手になりたい。8月にイランでの大会(第14回アジアU18(ユース)男子選手権大会)に行くための合宿にも選ばれて、日本のバレーを海外に見せつけたいです」
ふだんの学校生活では、その横文字の名前と大きな体で、校舎を歩くだけで注目を浴びるという。日本中、そして国を越えて注目されるような存在になる可能性が、ローゼンには秘められている。
文・写真/田中風太
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