髙橋藍の解体新書【前編】 髙橋藍 勇気と信念で【プレイバック】
- 日本代表
- 2022.07.05
2020年1月に春高の舞台で躍動した新星は、瞬く間に日の丸のステージへと駆け上がった。日本バレーボール界の次世代を担う髙橋藍。
月刊バレーボール2021年11月号の特集「髙橋藍の解体新書」では人柄、パフォーマンス、そして歩んできた軌跡など彼の魅力に迫りました。前編となる今回は20歳(当時)になったばかりの彼にその心境と今後のビジョンを聞いた。(本文は当時の内容のまま)
----以下、月刊バレーボール2021年11月号より----
東京2020オリンピックで29年ぶりの決勝トーナメント進出を果たし、今後の飛躍を感じさせた男子日本代表。次世代を担う存在として、注目と期待を集めるのが髙橋藍だ。
代表活動を終えて、日本体大に戻ってまもない9月下旬。20歳になったばかりの彼に、その心境と今後のビジョンを聞いた
オリンピックの経験が
自信を与え、大人にさせた
2021年9月2日。髙橋藍は20歳を迎えた。いわゆる“大人の仲間入り”を果たしたわけだが、「まだ実感はないですけれど(笑)」と本人。
それでも風格はすでに立派な大人、と言って差し支えないだろう。日本代表では安定感抜群のレシーブ力と積極果敢なアタックを発揮し、堂々とコートに立つ。今年の東京2020オリンピックでは、男子チームの29年ぶり決勝トーナメント進出に大きく貢献した。
その代表期間中でも変化は見られ、中垣内祐一監督(当時)は「オリンピックを経験したことがいい影響をもたらしたと感じています。自信が練習やプレーにもプラスに表れている。それに、私との会話でも余裕を感じますし、軽口をたたけるようになってきました」と明かす。
代表2年目ということで、「皆さんとなじめていると思います。自分自身、少し大人にならなければいけない、と思い、(石川)祐希さんや(西田)有志さんなど先輩たちとはバレーボールだけでなく、社会のことなど、いろんな話をさせてもらいました。それが自分を成長させてくれたと感じています」と髙橋は話した。
一方で、世界のバレーボール事情に目を向ければ、同年代の選手がシニアに名前を連ねている。
「オリンピックでも対戦したイタリアの(アレッサンドロ・)ミケレット選手は自分と同い年ですし、今回のアジア選手権でもイランのミドルブロッカー(アミルホセイン・トゥホテ)は一つ年上でした。自分と年齢が変わらない選手が世界で活躍しているので、ほんとうに負けられないな、という気持ちが強くなります。それに、そういう選手たちがどんなマインドで過ごしているのかも知りたいです。自分にとって刺激であり、成長するためのいいライバルでありたいなと思います」
もはや代表の世界で20歳という年齢は若くない? そう水を向けると白い歯をのぞかせた。
「いやぁ、まだ若いんじゃないですか(笑) 周りの選手に囲まれていると、ですが、若さは自分でも感じています」
そうだった。まだ彼は大学2年生。成人したとはいえ、“大人になったばかり”の学生なのだ。