V・サマーリーグ女子東部大会はV1女子のPFUブルーキャッツが昨年に続き連覇を達成。7月1日(金)の大会初日、会場の深谷ビッグタートル(埼玉県深谷市)では、そのPFUとV2女子、GSS東京サンビームズの対戦が行われた。
その試合でデビューを飾った選手がいる。GSS東京の森田英莉、中央大の4年生。第1セット途中、リリーフサーバーでコートに入ると、やや緊張した表情ながら、迷いなく狙いを定めてサーブを放った。
そのサーブをしっかりと返したのはPFUのリベロ、森田茉莉である。「すごく目が合って。絶対来るわ、と思っていたら、案の定(サーブが)来たので、少し笑ってしまいました」。
3歳年上である姉の茉莉は、妹の英莉にとって憧れの存在。「バレーを始めたときから、姉のようになりたいと背中を追い続けてきた」という英莉は、GSS東京に入団が決まって以来「いつか姉妹対決ができたらいいな、と思っていた」と振り返るが、そのチャンスは思ったよりも早く訪れた。
なにしろ入団が発表されたのは5月末のこと。そのあとに迎えた7月の大会で、姉の所属するPFUとの対戦が決まる展開には驚いた英莉だったが、そこは姉がいる、ということでそれまで映像で何度も研究し、応援もしてきたチームだった。
「絶対に出たい」。その思いをかなえると、続く2セット目にも途中交代でコートに入り、後衛でプレーした。「コートに立ってみると迫力が違いました。プレーの精度が高く、チーム力もあるので目標にしたい。私のデビュー戦(の相手)がPFUであったことをうれしく思います」(英莉)
どんな妹なのか? 聞いてみると、姉は目を細めた。「私のことがとても好きで(笑) すごい憧れの選手、とか言ってくれたりするので、その分“私も頑張らなきゃ”と思わされる。そういう存在です。いいチームに入ったな、と思います」。
こんな素敵な関係性の兄弟姉妹が、Vリーグにはほかにもいるのだろうか。残念ながらストレートで敗れたあと、英莉は「次に戦うときは、私もリベロとしてコートに立ち、いつか姉を超える選手になりたい」と話した。熱い思いは、大きなモチベーションとなって2人の心と技を磨いていくことだろう。
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