令和4年度近畿高等学校優勝大会兼第75回近畿6人制高等学校男女選手権大会(男子)の最終3日目が大和郡山市総合公園多目的体育館(奈良)で7月24日(日)に行われた。決勝で東山高(京都)にストレート勝ちした昇陽高(大阪)が、インターハイ大阪府予選に続き、初の頂点に輝いた
インターハイ初出場初優勝を目指す昇陽にとって、追い風となる2つ目のタイトルだ。本戦を見据えて練習の強度を上げ、疲労がたまる中で準決勝、決勝もストレート勝ち。エースの秦健太郎は「プレッシャーもあって、体力的に疲れている中で優勝することができて、自信がつきました」と声を弾ませた。
決勝の相手は東山高。日本代表の麻野堅斗とセッターの當麻理人は昇陽中(大阪)時代にともにプレーしており、秦は「絶対に倒したかった」という相手だった。
第1セットは立ち上がりから秦が連続ブロックを浴びたが、サーブとブロックが機能し、徐々にリズムをつかむ。13-12からサウスポー小山海皇のスパイクとサービスエースで3連続得点。レシーブでも粘りを見せると、セッター上田冬陽の「(身長207㎝の)麻野さんが真ん中にいたので、できるだけブロックを振るように意識しました」というトスワークもさえ、中盤以降はリードを保った。終盤に23-22と迫られたが、最後はブロックを決め、セットを先取した。
第2セットもペースをつかむも、10-5から6連続失点。秦と小山のスパイクでリードを奪い返したが、その後はサイドアウトを取り合った。秦がブロックされ、17-18と再び試合をひっくり返されたものの、秦と小山の活躍が光り、終盤に4連続得点で逆転。近畿でも初の歓喜の瞬間を迎えた。
初優勝を飾った昇陽高
盤石の試合運びを見せたが、ほんとうの強さを見せるのはこれからだ。大塚将太監督は「練習で追い込んで、今はどん底から上がってきている状態。インターハイではもう一段階体のキレが出て、秦ももう一段階跳べると思います」とさらなる爆発を予感させる。秦は「チームを日本一にするために、インターハイではもっと暴れます」と主役になる準備は整っている。
公式戦では新チーム初黒星を喫した東山高は、あと一歩で頂点を逃した。相手のサーブとブロックの圧に押され、アウトサイドヒッターの花村知哉、オポジットの尾藤大輝にボールが集まる展開に。0-1で迎えた第2セットは5-10から尾藤のバックアタックや花村のスパイクで逆転したが、その後はなかなかブレイクできなかった。
試合後には選手たちへゲキを飛ばした松永理生監督は「強いサーブをどれだけ抑えられるか、二段トスをどれだけ打てるか、という両方のポイントでやられました。課題をもう一度見直すきっかけになりました」と冷静に振り返った。キーマンとなる2年生エースの尾藤は「サイドアウトの場面で打ちきれなかったのが苦しい展開につながったと思います。自分は調子に波があるので、悪いときにどうやったら素早く修正できるかを意識して、インターハイでは日本一を取りたいです」と逆襲を誓った。
インターハイ不出場校で唯一ベスト4に入ったのが洛南高(京都)。準決勝はインターハイ府予選準々決勝でストレート負けを喫したライバルの東山高と激突した。第1セットは硬さがあり、一度もリードを奪えなかったが、「1セット目で十分したから、もう緊張せんでええ」という細田哲也監督の声も受け、第2セットは躍動。エースの申哲淵、1年生でその対角を務める中上烈らが得点を重ね、試合を振り出しに戻した。
フルセットの末に敗れたが、同監督は「1セット取れて、自分たちも『いける』という思いになれたのはかなりの収穫」と前を見た。勝負の秋に向け、申は「インターハイに出られなくてしんどい道のりになると思いますが、去年の東山はこの期間に成長してきました。自分たちも同じようになりたいです」と力強く語った。
優勝した昇陽高に敗れた市立尼崎高(兵庫)も同じくベスト4に。森脇大翔キャプテンを軸に準決勝まで1セットも落とさず勝ち上がったが、準決勝はミスが出てなかなかリズムに乗り切れず。23年連続のインターハイ本戦の舞台へ、短期間で修正を図る。
試合結果
準決勝
東山 2(25-20,19-25,25-19)1 洛南
昇陽 2(25-23,25-19)0 市立尼崎
決勝
昇陽 2(25-22,25-22)0 東山
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