世界選手権は今シーズンの「本番」 中垣内祐一前監督インタビュー
- 日本代表
- 2022.08.23
ネーションズリーグでは初のファイナルラウンドに進出し、5位と好調を示した男子日本代表。8月26日(金)から始まる世界選手権を前に、昨年までチームを率いた中垣内祐一前監督に、今季の印象とこれからへの期待を聞いた
2021年まで男子日本代表を率いた中垣内前監督
ネーションズリーグ(VNL)を振り返って
「VNLでは予選ラウンドを通じて、うまくいかないセットがあっても集中力を盛り返して気持ちを切らさず、自信を持ってうまく戦えている様子が見られました。東京2020オリンピックのときもそうでしたが、メンタル的に充実しており、格下相手に取りこぼさない、きちんとしたバレーができていました。特にディフェンスで粘り強くプレーすることによって、相手のミスにもつながりますし、持ち味を出せているという印象です。
石川(祐希)選手は大黒柱らしいプレーを続けていました。特にサーブでのパワーアップは目をみはるものがあります。強いサーブを打てるのは西田選手だけではないよ、俺も打てるぞ、というくらいの気合いを感じるサーブが多く、そこにショートサーブも交ざって、安定してかなりいいサーブで相手にプレッシャーをかけていました。
西田(有志)選手は、落ち着こうとしてプレーをしているのがよくわかります。自信がついて、今までよりも戦術を持って一本一本のスパイクを打っています。そして「俺もエースなんだ、決めて当たり前なんだ」ぐらいの表情でプレーをしている、しようとしている。そういうものを感じました。
大塚(達宣)選手あたりはおそらく2人に引っ張られているのではないでしょうか。去年からずいぶん成長したイメージです。前半戦では髙橋(藍)選手も成長を感じましたが、やはり大塚選手の成長がチームの層を厚くしていると思います。
髙橋(藍)選手はイタリアでリベロなども経験したことがプラスになっているのでしょう。難しいボールもよくさばいていました。攻撃力も去年より上がっており、課題のブロックが向上すればさらによくなるのではないでしょうか。
チームのブロック戦術は、非常によくはまっています。正確な情報をもとに、積極的にオプションを仕掛けていく、という部分が課題でしたが、今季見ているかぎりはそれが結果としてよくタッチボールにつながっていると思います。
フィリップ(・ブラン)監督もディフェンスには手応えを感じていると思いますが、ブロックを何とかしたい、というところが今年の課題なのではないでしょうか。練習でもブロックには時間をかけているようです」