第77回国民体育大会関東ブロック大会(少年女子)は8月28日(日)に大会最終日を迎え、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京)でダブルエリミネーション方式による代表決定戦を行った。結果、東京都、埼玉県、群馬県、千葉県の各代表が、10月7日(金)〜10日(日)に宇都宮市体育館(栃木)で開催される本戦出場権を獲得。インターハイベスト4の下北沢成徳高単独チームである東京は、新たなスタイルを披露した
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身長184㎝の古川愛梨が、アウトサイドヒッターとしてコートに立った。U20日本代表でも活躍した逸材が、これまでのミドルブロッカーではなく、高校では初のエースポジションで第1セットからスタメン起用。そして、ミドルブロッカーには184㎝の中田藍美、183㎝の柳千嘉の1年生コンビが入った。身長180㎝越えの選手が3人名を連ね、リベロを除く平均身長は177.5㎝。本戦の代表権を懸けた山梨県戦は、新チーム結成以来小川良樹監督が温めてきたプランで臨んだ。
今季初のフォーメーションでも、終始主導権を譲らない。古川は「まだ自信がないので、もっと練習で自信をつけたいです」と満足しなかったが、威力のあるスパイクを次々とコートにたたき込む。さらに、今季はレフトでプレーしていたが、昨年度までのオポジットに戻った佐藤彩夏のアタックや、両ミドルブロッカーのブロックも光り、危なげなくストレート勝ち。小川監督は「大きな選手が多いので、もろさもありますが、思いのほか落ち着いてやってくれました。ちょっとほっとしています」と目尻を下げた。
そのカードを切った背景には、痛いアクシデントがあった。オポジットとして活躍してきた武田麗華キャプテンが、インターハイ後にふくらはぎの肉離れとねんざを併発。精神的支柱を欠き、動揺は大きかった。だが、武田に代わって今大会キャプテンを務めた佐藤は言う。「麗華から試合に出ている3年生3人(佐藤、古川、谷島里咲)はもっと責任感を持ってほしいと言われました。麗華がいない分、その役割を果たさないといけないという思いはすごくありました」。1年生が3人コートに立つ中、3年生がチームをけん引。スタンドで応援する武田に勝利を届けた。
コロナ禍でここ2年間は大会が開催されていなかったが、3連覇が懸かる本戦。新たなスタイルで、今季初のタイトルに挑む。小川監督は「今大会では相手のいいプレーがあっても、すごく手堅く試合を進めることができていて、少し形が見えてきたかなと思います。あとは本番でどうなるか、ですね」と期待を込めた。
28日の試合結果
第1試合
★東京 2(25-20,25-18)0 山梨
★埼玉 2(25-9,25-16)0 茨城
第2試合
群馬 2(25-21,25-19)0 神奈川
第3試合
★群馬 2(25-18,25-23)0 山梨
★千葉 2(25-15,25-18)0 茨城
★が代表権獲得
文・写真/田中風太
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