[連載①]デンソー復帰の辻健志監督が語るチームの変遷と展望/「50年目にBEE CHAMPION」
- SV女子
- 2022.08.30
<ユニフォームにはホームタウン協定を結んだ都市の地名が並ぶ。写真は2022 V・サマーリーグ女子大会>
西尾市、郡山市、札幌市の3つをホームタウンに
その中の一つは地域貢献活動である。2018年に行われたリーグ再編を転機に、Vリーグでは各チームが地域とのつながりをさらに深める動きが見られるようになった。そんな中、愛知県西尾市で歴史をつむいできたデンソーは会社の拠点がある福島県郡山市をセカンド、北海道札幌市をサード、と今では計3つのホームタウンを設定し、提携を結んでいる。デンソーのユニフォームを見ると、スポンサーマークと同様に、パートナーシップの証しとして各都市名が記されていることがわかる。
今年4月、辻健志監督は就任を控え、西尾市を中心にグリーティング(挨拶)に回った。すると、そこでは地域との交流の深さを感じたという。
「西尾市で挨拶させていただいたときも、チームが認知されていることを感じました。また、スポンサーの方々ともお話をさせていただき、応援してもらっているとも。そのあたりは、以前とは全然違うなと思いました。
今回は黒鷲旗までの時間をそうした機会に充てることができたのですが、足を運んだことで相手方にも喜んでいただけたり、その期待を私も一身に感じることができました。地域とのつながりをいろんなところで感じられましたのは、とてもよかったです」
今後は西尾市に隣接する岡崎市もホームタウンに準ずるかたちで、ホームゲームの開催もされている。愛知県でも西尾市・岡崎市はバレーボールが盛んなエリア。今年8月には岡崎市と地域の活性化を目指し、「スポーツ振興に関する協定」を締結した。地域との連携は、チームの発展に欠かせない。
「地域の方々とつながっていくためには、在籍している選手たちにもそのことを認識してもらうことが大事。一人でも多くの方々に、魅力を伝えられる選手やチームでありたいと思っていますし、それを掲げています」
50周年の節目に目指す、初のリーグ優勝。企業の期待も注がれるが、その喜びをチームが活動する地域の方々とともに味わいたい。それが今季、デンソーエアリービーズが描く姿でもあるのだ。
【第2回に続く】(近日公開)
「一人でも多くの方々に、魅力を伝えられる選手やチームでありたい」-辻健志監督
(取材・文/坂口功将〔編集部〕)