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春高2025

[連載③]ルーキー横田紗椰香が明かしたデンソーとの深いつながり/「50年目にBEE CHAMPION」

  • SV女子
  • 2022.09.03

<幼少期からなじみのあったチームのユニフォームを着る。写真は今年のV・サマーリーグ>

 

いつも決断の際には、少なからずデンソーへの意識が

 

 振り返れば、高校進学、大学進学と節目で自分の未来を決断するとき、いつも横田の胸の中には、生まれた愛知県への思いがあった。だからこそ、Vリーグでもトップのレベルを戦うチームが自分の地元にあること自体がありがたかった。小学生の頃にエアリービーズ杯で直接触れ合い、ただ「すごい!!」「大きい!!」と目を丸くしたバレーボール選手たちがデンソーエアリービーズの面々だったことも、意識の中には常にあった。

 

 「姉(横田真未)のデンソー入団が決まったときも、『愛知に戻るんだ』って。自分もいけるかな、入れるなら地元のデンソーがいいな、と思っていました。姉妹だから選んだ、というよりも、私の中では『地元でバレーボールがしたい』がいちばんでしたね」

 

 結果としてデンソーへの入団が決まり、大学在籍時に採寸で届いたユニフォームの袖にすぐ腕を通した。シャツネームは姉が「YOKOTA」で、自分は「SAYAKA」。着用した姿の写真を家族に送ると、「いい感じだね」「かっこいいね」と反応が返ってきた。

 

 これからデンソーエアリービーズの一員になる。そう実感した瞬間だった。

 

「小学生の頃の自分に、『Vリーガーになれたよ。あのチームに入りたい、と思っていた夢がかなったよ』と伝えたいですね。バレーボールをやめたいと思ったことはなかったですし、ケガをしてもあきらめずに頑張ってこられたから今があると思えたので」

 

<同じチームに姉が在籍するため、シャツネームは「SAYAKA」>

 

あきらめないことの大切さと、好きだという気持ち

 

 一人のバレーボール選手として過ごす今、チームのアカデミー事業や普及活動で子どもたちと接する機会は少なくない。そこでは笑顔で元気に接することを心がけている。

 

「相手も、いい気分になれるはず。それに、デンソーの選手を応援したいな、と思ってもらえたら私たちにとってもプラスになるので。そうしたウィンウィンの関係はどんどん築けていけたらなと思うんです」

 

 小さい頃の夢を一つかなえた今、横田に聞いてみた。次世代を担う子どもたちへ大事にしてもらいたいこととは。

 

「ひょっとしたら小学生だと、まだ夢を現実的に考えることはないのかもしれませんが、夢があるならそこに向かって挑んでほしいです。あきらめないことはやっぱり大事かなと思うので。

 

 それにどんなことも、好きでなければ続かないですよね。もしバレーボールをしていたとして、しんどいな、疲れたな、と思って一日二日、ボールから離れてみて、『やっぱりバレーボールがしたい』と思えたら、それはもう“好き”なんですよ。自分がそうでしたから(笑)

 

 好きだな、楽しいな、という気持ちを忘れずに過ごしてきた中で、夢や目標もどんどん変わっていきました。もちろん、目標を達成するためには努力をしなければいけないとは思います。けれども、そこには夢に一歩ずつ近づけている自分がいるはず。あきらめないで、夢を追い続けてほしいなと思います」

 

 あきらめないことの大切さを、横田は身をもって知っている。そこにはいつだって“バレーボールが好き”という思いがあった。

 

 そうして、次なる夢への歩みが始まろうとしている。このチームに少しでも貢献すること。創立50周年の節目に初のリーグ優勝を目指すデンソーエアリービーズというチームに、だ。

【最終回に続く(近日公開)

 

「デンソーの選手を応援したいな、と思ってもらえたら、私たちにとってもプラスになる」-横田(紗)

 

(取材・文/坂口功将〔編集部〕)

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