やらされるよりも、自分で「うまくなりたい」と思ってもらえる練習を 新鍋理沙さんインタビュー
- SV女子
- 2022.09.08
アカデミーで指導時の新鍋さん
――小学生のころの練習で印象に残っているものは?
足を動かして、走り抜けながらレシーブする練習です。ディグの練習でもひざをついたり、転んだりせず、足を動かしてひたすら走り抜ける練習をしていました。現役時代、レシーブするときに、足を動かしてボールのところまで行くことは、とても大事だと感じました。でも、反対に止まることもとても大切です。例えばスパイクを打たれる瞬間は、きちんと止まっておく。動くことも止まることもすごく大事で、動き続けてもボールは捕れないし、止まり続けても捕れないので、ボールコースの読みと、動くこと、止まることのメリハリを大切にしていました。
Vリーグまでくると、いろいろな経験を重ねて技術を身につけているので、足を動かさずにボールをレシーブすることもできるようになっていましたが、小学生はまず基礎が大事なので、小さなころから足を動かすクセをつけておくのはとてもよかったと思います。
――スパイクなどでやっていてよかった練習はありますか?
国分南小でやったタオル振りですね。タオルを持ってスパイクを打つように腕を振ると、きれいに腕が振れたときには、「パチン!」とタオルから音がします。初めはフォームがバラバラで音がなかなか鳴らなかったのですが、ひたすらやっていました。体育館で100回、家に帰っても宿題としてやることになっていて、とにかくたくさん振りました。そうすると、徐々に音がきれいに鳴るようになりました。始めたころは斜めになっていた腕の振りが、小学校の最後のころにはまっすぐに腕を振って高い打点で打つことができるようになっていました。もちろん、助走やフォームについてたくさん教えてもらったおかげもありますが、タオル振りは自分に合っていたと思います。
――現役を引退して、子どもにバレーを教える機会は増えていると思いますが、一緒にバレーするときに何か心がけていることはありますか?
自分が小学生のころは、高校生が教えてくれる機会があっても、恥ずかしくて、自分から積極的に聞けないタイプでした。そういう経験があったので、今はなるべくどうしたらいいか、分からなくなっている子がいないか見るようにして、そういう子にはこちらから話しかけることを心掛けています。やらされて練習するよりも、自分で「うまくなりたい」とか、「こういうプレーができるようになりたい」と思った方がうまくなれると思うので、そういう気持ちになってもらえるようにもしたいですね。