2022女子世界選手権は9月23日(金・祝)から10月15日(土)に、オランダとポーランドの2ヵ国で開催されます。
世界選手権はFIVB(国際バレーボール連盟)が初めて作った国際大会で、男子は1949年、女子は1952年から行われています。世界各地で予選を行い、現在は開催国と前回大会優勝国を加えた24チームが出場します。
今大会で19回目の開催になる女子世界選手権の第1回大会は、70年前にソビエト連邦(当時)で開催されました。日本は初参加した1960年(第3回)大会で銀メダルを獲得。現在までメダル7個(金3、銀3、銅1)を獲得し、獲得数は2位。1位はロシア(ソ連時代も含む)で、13個(金7、銀2、銅4)を誇ります。
日本は1967年に初めて自国開催し、以降1998年、2006年、2010年、2018年にも自国開催しています。
2018年の前回大会で、日本は第1、2次ラウンドを2位で通過。第3次ラウンドに進出しましたが、セルビアとイタリア、アメリカに連敗し6位の成績。優勝はセルビアでした。
月刊バレーボール(2018年11月号臨時増刊号)では、1952年の第1回大会から2014年の第17回大会までの様子を、日本の成績を中心に紹介していました。ここでは当時の記事を振り返ります。
----以下、2018年世界バレースペシャルBOOK RED A GO! GO!(2018年11月号臨時増刊)より----
第1回大会から第17回まで、全大会をプレイバック! 東洋の魔女と恐れられた黄金時代や、記憶に新しい銅メダルを獲得した2010年など、熱戦がよみがえります。
・1952年(第1回)
【ソ連が圧倒的な強さで優勝 日本は参加せず】
初年度は8ヵ国が参加し、男子の第2回大会と同時開催となった。失セット数はわずか3と圧倒的な強さを誇り、ソ連が初代女王に輝いた。第1回大会では、日本はまだ参加していなかった。
・1956年(第2回)
【ソ連が連覇を達成 参加国は前回大会の倍以上に】
ソ連が大会を連覇。参加国は前回の倍以上となる17ヵ国だった。初めて参戦した中国が6位になった。
1960年大会(開催国:ブラジル)
・1960年(第3回)
【日本は初出場で銀メダル ソ連が3連覇を果たす】
初出場の日本が銀メダルに輝いた。予選リーグを全勝で突破。第2回大会で銅メダルのポーランドや、チェコスロバキア、ブラジル、アメリカなどの強豪を次々と破った。ソ連が3連覇を飾ったが、日本はソ連からも1セットを奪い、レベルの高さを見せた。
・1962年(第4回)
【大会前には22連勝 東洋の魔女がソ連を下す】
東洋の魔女と呼ばれた日本が3連覇中のソ連を破り、初優勝を飾った。当時の日本は前年のヨーロッパ遠征まで22連勝。その強さを発揮し、予選リーグでは全試合でストレート勝ちをあげると、最終戦ではソ連に3-1で勝利した。
・1967年(第5回)
【出場チームはわずか4ヵ国も 初の自国開催で日本が連覇】
初の自国開催で大会連覇を果たした。大会開催直前に国交のない北朝鮮の入国問題のほか、北朝鮮や東ドイツの国名呼称問題のため、ソ連など共産主義諸国7ヵ国が参加を辞退。出場国はわずか4ヵ国となる中、日本は全試合ストレート勝ちで優勝し、メキシコオリンピックの出場権を手中に収めた。
・1970年(第6回)
【オリンピックの雪辱を誓うも 宿敵ソ連の前に銀メダル】
ソ連との一騎打ちに敗れ、惜しくも3連覇を逃した。両国とも予選リーグを全勝で突破。優勝の行方は直接対決にかかった。メキシコオリンピックでソ連に敗れて銀メダルに終わった雪辱を誓ったが、1-3で敗戦。あと一歩で涙をのんだ。
・1974年(第7回)
【3度目の金メダル 三大大会で10年ぶりにソ連を破る】
長年のライバル・ソ連を、三大大会では10年ぶりに破り、金メダルを手にした。日本は従来の守備重視のチームから、攻撃型のチームへシフト。中心選手がベテランとなったソ連は若手も伸び悩み、日本は3度目の優勝に輝いた。
1978年大会(開催国:ソビエト連邦)
・1978年(第8回)
【世代交代の日本は2位 キューバが初優勝を飾る】
キューバが日本とソ連の2強時代に待ったをかけた。前年のワールドカップを制した日本はエースの白井貴子やセッターの松田紀子が引退するなど、生まれ変わったチームで臨んだ。決勝では、準決勝でソ連を破ったキューバに0-3で敗戦。日本の経験不足が露呈した。
1982年大会(開催国:ペルー)
・1982年(第9回)
【中国の黄金時代が始まる 日本は初めてメダルを逃す】
郎平(前・中国監督)を擁した中国が、これからの黄金時代を予感させる優勝を飾った。日本は自国開催で2位に入ったペルーに敗れ、4位。三大大会では初めてメダルを逃す悔しい結果となった。
1986年大会(開催国:チェコスロバキア)
・1986年(第10回)
【若返りを図る中国が連覇 日本は7位に終わる】
チーム最年長の選手が25歳と、若返った中国が連覇。中田久美(前・日本代表監督)ら、若手選手を中心に臨んだ日本は、準決勝リーグ以降すべてストレート負けで3連敗。7位に終わった。
1990年大会(開催国:中国)
・1990年(第11回)
【ソ連が復活の金メダル 日本は8位】
ソウルオリンピックで金メダルのソ連が、1970年(第6回)大会以来の金メダルに輝いた。一方、大林素子、吉原知子らが軸となった日本は、ベスト8へ。しかしその後は、アメリカとペルー、ブラジルに連敗を喫し、8位に終わった。
1994年大会(開催国:ブラジル)
・1994年(第12回)
【日本は7位に キューバが全試合ストレート勝ちで優勝】
キューバが、決勝で日本を破った1978年(第8回)大会以来の優勝。予選リーグから決勝戦まで全試合ストレート勝ちと圧倒的な強さを見せた。日本は準々決勝でブラジルに敗れたが、7、8位決定戦を制し7位に入賞した。
1998年大会(開催国:日本)
・1998年(第13回)
【31年ぶりの自国開催も8位 キューバが連覇を果たす】
31年ぶりの自国開催となった日本は、予選リーグで一度もセットを落とさず勝ち進んだ。だが、準決勝ラウンドでロシアとブラジルに連敗し、8位に。キューバが連覇を果たした。
・2002年(第14回)
【日本は初のグループ戦敗退 イタリアが初優勝で頭角を現す】
将来を期待される18歳の大山加奈がデビューしたものの、日本は予選ラウンドで2勝3敗に終わり、初の予選グループ戦敗退に終わった。イタリアが初優勝を果たし、データバレーを駆使したアメリカが2位に入った。
・2006年(第15回)
【木村沙織がデビューも6位 ロシアがブラジルを阻み初優勝】
男女ともに日本で大会が行われ、大きな盛り上がりを見せた。木村沙織らがコートで躍動するも、無念の6位。ロシアが金メダルを手にし、ブラジルはあと一歩で世界バレー、オリンピック、ワールドカップの三大大会における初優勝を逃した。
・2010年(第16回)
【32年ぶりのメダルとなる銅メダル ロンドンオリンピック3位への序章に】
2006年に続き2大会連続の日本開催は、世界バレー史上初となった。ホームの大歓声を背に、準決勝では世界ランキング1位のブラジルをフルセットまで追い詰める大激闘。勢いそのままに、3位決定戦ではアメリカを破り、32年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した。この活躍をきっかけに、日本は2年後に行われたロンドンオリンピックでも3位に輝いた。
・2014年(第17回)
【世界ランキング3位で臨むも 3次トーナメント進出を逃す】
前回の世界バレーとロンドンオリンピックで3位に入り、世界ランキング3位で乗り込んだイタリアの舞台。木村沙織を中心に1次ラウンドを2位で通過した日本だったが、2次ラウンドは3勝4敗で突破ならず。3次トーナメント進出を逃した。
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以上、2018年世界バレースペシャルBOOK RED A GO! GO! を振り返った。(一部改変)
日本は今回D組でコロンビア、チェコ、中国、ブラジル、アルゼンチンと同組。日本はアーネム(オランダ)で25日(日)に第1次ラウンドの初戦、コロンビア戦を迎えます。今大会はどんな戦いが繰り広げられるのでしょうか。
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