日本代表監督復帰に伴い、眞鍋監督が「キャプテンは彼女しかいない」と、今年度より新主将に指名した古賀紗理那。4年前は、夏場に行われたアジア大会の出場メンバーから外れて落ち込むも、自分と徹底的に向き合うことで乗り越え、代表の座をつかんで前回大会に臨んでいます。月刊バレーボール(2018年11月号臨時増刊号)では、当時の心境や大会への意気込みを語っていました。
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----以下、『2018年世界バレースペシャルBOOK RED A GO! GO!(2018年11月号臨時増刊)』より----
家族の支えを原動力に
蘇るのは8年前。中学生のころに、テレビの中で見ていた全日本。
「銅メダルを取った時の竹下(佳江)さん、佐野(優子)さん、(木村)沙織さん。私の中で世界バレーといえばあの3人がいたら無敵、というとても強い全日本。その印象がものすごく強いし、今でもよく覚えています。」
今は自身も日の丸を背負い、同じ「世界」の舞台に立つ。オリンピック、ワールドグランドチャンピオンズカップに出場することができず、その分もと意気込んだ今夏のアジア大会も出場メンバーから外れた。
「今シーズンはなかなか調子が上がらなくて、アジア大会で外された時も一度ドーンと落ち込みました。個人的にはサーブレシーブをしてから攻撃参加したいんですけど、チームとしてはサーブレシーブからのアタックでサイドアウトを確実に取ることを第一に考えているので、弾いたら大きく響いてしまう。『絶対にミスできない』と自分を追い込んでしまって、一時期は『何もかもうまくいかない』と思っていました」
それでもあきらめるわけにはいかない。なぜ今自分の調子が上がらないのか。いいときと悪いときの違い。それぞれの感覚や技術、もう一度自分と徹底的に向き合った。その結果、サーブレシーブでもきっかけをつかみ、少しずつ自信を取り戻し、今、思うこと。
「やっと、ちゃんとバレーボールが楽しい、って言えるようになりました」
口には出さないけれど、心の中では「絶対誰にも負けない」と思うし、ゲーム形式の練習時、前衛にいる自分に対し、相手コートの選手が「きつい時はフェイントしかないよ」という声に思わずムカっとして「絶対に打って決めてやる!」と負けじと打ち込む。チーム内で「誰にも負けたくない!」と思う戦う心の源は、支えてくれる家族の存在だ。
「特におじいちゃんは私が東京オリンピックや世界バレーに出るのを楽しみにしていると思うので、おじいちゃんのためにも頑張りたい。初めての世界バレーで結果を残さないと東京オリンピックにつながらないと思うので、これからにつながる結果を出したいです」
最後の1点を託されるような、もっとたくましい選手になるために。胸を張って、今、世界へ向けたスタートラインに立つ。
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以上、『2018年世界バレースペシャルBOOK RED A GO! GO!』を振り返った。
初めて出場した自国開催の世界選手権(前回大会)では、全12試合にスタメン出場を果たし、結果は6位でした。多くのメンバーにとって初めての舞台となる今大会。自身2度目の世界選手権をエース、かつ主将として出場する古賀選手は、どのようなプレーを見せてくれるのでしょうか。
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