男子日本代表の西田有志(ジェイテクト)が、9月21日(水)にアシックスのプロモーション撮影に臨んだ。そのあと取材に応じ、ベスト16に終わった世界選手権を振り返るとともに、今季から2シーズンぶりに復帰するVリーグへの意気込みを口にした
――9月9日(金)に帰国してからはどんな生活をされていますか?
結構休んでいますね。ただ、帰国してから欠かさずウエイトトレーニングはしています。これからボール練習に参加してどうなるかというところですが、モチベーションはとても高いです。
――世界選手権はベスト16で敗れましたが、あらためてどんな大会でしたか?
今年がおそらく今まででいちばん長い代表シーズンだったと思います。(決勝トーナメント〔Round of 16〕の)フランス戦のあとは、いろんな感情が混ざり、抜け殻のようになりました。負けたことはもちろん、ずっと活動し続けていた代表シーズンがやっと終わり、一息ついた感覚があったからです。
ただ、負けはしましたが、プレーしていておもしろいと思える試合ができたのはよかったです。前向きにとらえられる試合内容だったので、次のシーズンも頑張ろうとすぐに切り替えることができました。メンタル的にしんどい時期もあって大変でしたが、世界選手権であれだけのパフォーマンスを出すことができ、頑張ってよかったな、と思います。
――第1次ラウンドから大活躍。ブラジルとの2戦目は1プレー目にいきなりサービスエースを決めました
あのときはサービスエースを狙いにいって、それができました。前の試合(カタール戦)はサーブの内容がよくなかったですが、練習してきたことが出たと感じています。
ただ、試合は劣勢が続き「この状況を打破したい」という感覚がすごくありました。それは全員が同じで、もっとできるというイメージがあったのがブラジル戦だったと覚えています。勝てなかったのはまだ打破する力がなかったということなので、次にどう倒すかは日本代表として成長するところかなと思いますね。
ブラジルは高さやパワーはありますが、同じようなプレースタイルでそこまでレベルは変わらないと思います。でも、相性が悪く、まだ対策ができていないのが日本の現状。それができていくと、だんだんと上位とほんとうに戦えるチームになってくると感じています。
――フランス戦は敗れたものの、今大会でいちばんと言えるパフォーマンスでした
ブラジル戦のこともあり、試合で「ああしよう、こうしよう」と考えても結果が出ないと思いました。試合中は感情で動いているので、「考えてもムダ。考えるのは練習まで」と決断して、本能のままにプレーしました。ブロックがここにきたらこうしよう、とだけ決めて、迷うことはなかったですね。
アウトサイドヒッターやリベロの選手がサーブレシーブで我慢してくれて、関田(誠大[ジェイテクト])さんもいいトスを上げてくれました。それを自分が決めるといういい展開を全員でつくれたのでセットを取れたと思います。
――世界選手権の経験はVリーグにどうつなげたいですか?
まずはチーム全体に反映させたいですね。そして、自分はイタリアから帰ってきたので、もっと強くなったプレーを見せたい。そうやって自分にプレッシャーをかけ続けると、今シーズンはより強く、よりストイックになれるのではないかと思います。ワクワクした思いが強いです。
――そのプレーを最大限に引き出してくれるのが、西田選手となんどもヒアリングを重ねて開発されたアシックスのシューズ「METARISE(メタライズ)」。かかと部分を特徴的な形状にするなど、ジャンプに最適な設計でつくられたそうですね
ジャンプするときにかかとから入ることが多いので、助走でその力をもっと強く生かせることを大事に、開発の方と何度も話し合いました。
慣れているからかもしれませんが、このシューズは踏み切るときに地面の反発を強く感じられます。軽すぎずにしっかりと履いている感覚があり、履き心地もいい。僕にとってとてもいい感覚だなと思います。
――シューズ選びのアドバイスはありますか?
この靴も多分日本で履いている選手は少ないのかなと思いますが、みんなと同じ靴を履いていてもおもしろくないですよね。自分が何になりたいのかを大事にしたり、ポジションに合わせて自分のシューズを選んでもいい。この靴も一度試してみて、自分に合っていると思ったら使ってみればいいと思います。
取材/田中風太 撮影/石塚康隆
西田選手が着用するシューズ
アシックスメタライズ
月刊バレーボール11月号(10月15日〔土〕発売)では、西田選手のサイン入りTシャツをプレゼント。そちらもお楽しみに!!