第77回国民体育大会(いちご一会とちぎ国体)の少年女子2回戦が10月8日(土)に宇都宮市体育館(栃木)で行われた。古川学園高単独チームの宮城県は、シードのため今大会初戦を迎え、札幌山の手高主体の北海道に2-0で勝利。9日(日)に行われる準々決勝(対三重県)に進出した
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全国大会第2ラウンドに向け、岡崎典生監督が勝負に出た。今年の春高とインターハイでミドルブロッカーとして全国準優勝を経験した阿部明音を、9月の東北私学大会に続けてアウトサイドヒッターとして起用。中学以来の慣れないポジションにも、相手のブロックを利用したスパイクで得点を重ね、ストレート勝ちに貢献した。岡崎監督は「新しいフォーメーションで、チーム力を高める可能性を模索している大会。初戦でこの内容は最高だと思います」と目尻を下げた。
壁を破るための決断だった。阿部は硬軟自在のスパイクを武器に、今年の春高でブレイク。優勝した3月の全国私立高等学校男女選手権大会(さくらバレー)では、身長196㎝の留学生タピア・アロンドラに並ぶ存在感を発揮し、頂点に導いた。だが、優勝候補として迎えたインターハイでは、タピアと阿部にマークが集中。決勝では、阿部は連続でブロックされるシーンもあり、試合後は涙を流した。岡崎監督は言う。
「センターで勝負できるし、(阿部)明音とアロン(タピア・アロンドラ)の対角はチームにとって楽。だけど、それでは伸びしろはなくて、サイドが育たない。サウスポーの(南舘)絢華にも頑張らせて、一皮むけて春高で今年度の古川学園の完成形を見たいので」
安定を捨ててでも、つかみたいものがある。3年生は入学以来4度の全国大会で、銀メダルは3度。未到の地にたどり着くには、セッター熊谷仁依奈キャプテンが軸となるコンビバレーの進化が欠かせない。指揮官は「このチームでいけるところまでいって、春高の大事な足がかりにしたい。一戦一戦成長して、頑張っていきたいと思います」と力強く締めた。
文・写真/田中風太
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