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春高2025

「気持ちで押しきった」舛本颯真擁する熊本県代表が国体制す 鎮西高が今季1冠目【いちご一会とちぎ国体(少年男子)】

  • 学生
  • 2022.10.18

 

 

第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」バレーボール競技(以下、栃木国体)の少年男子決勝が10月10日(日)に宇都宮市清原体育館で行われた。決勝は鎮西高単独チームの熊本県が愛知県選抜を3-2(24-26,25-18,25-21,20-25,15-11)で破り、頂点に立った。熊本県はエース舛本颯真キャプテンだけでなく、スパイカー陣の活躍が光った

 

優勝が決まり、拳を握る#6井坂

 

 同年代を代表するエースアタッカーとして名を馳せる舛本。2年生時の昨季はインターハイで優勝、春高で準優勝の成績を残した。だが、主力選手の入れ替えもあり、「舛本の代はどんどん力が落ちていく、と言われていました」と本人。高校1冠目を目指したインターハイではベスト4に終わり、悔しさは募るばかりだった。

 

 そうして臨んだ今回の栃木国体はセットを落とすことなく決勝まで勝ち上がる。しかし舛本は大会中に足を痛めており、最終日を迎えても本調子とは言えず。実際、決勝で対戦した愛知県選抜も舛本の不調を感じており、しっかりとブロックディフェンスで対応していた。そんな状況だったが、舛本は「スパイクよりは守りで。サーブレシーブやディグでチームを支えよう」と自分にできることに力を注ぐ。そのエースを補うように、同級生のオポジット平田悠真がしっかりと得点を重ねる。また、決勝では2年生アウトサイドヒッターの井坂太郎が高い貢献度を示した。

 

 

井坂とともに、本調子ではない舛本をカバーした#1平田

 

 今季からレギュラー入りを果たした井坂はサーブレシーブに参加せず、その分、「スパイクやサーブで活躍しなければ」と意気込みコートへ。狙いすましたジャンプサーブでブレイクを奪い、チームに勢いをもたらした。「純粋に気持ちの部分が大きかったと思います。ミスを気にせず、相手を崩す、一心でした」と井坂は振り返った。

 

 第2、第3セットを奪い王手を懸けるも、第4セットは愛知県選抜のブロックがさえ、試合はフルセットに。勝負の最終第5セット、火を噴いたのは舛本のアタックだった。第4セットではブロックにつかまる場面も多く見られたが、エンジン全開、しかし心は冷静に腕を振り抜いた。

 「(昨年度の)春高の決勝では自分が打ちきれなくて負けたので。その悔しさがあった分、最後は意地でした。セッターにも『自分に持ってこい』と要求していました。気持ちで押しきりました」

 

 第5セットは終始リードして勝利した熊本県代表。達成感を胸に、舛本はただ「うれしいです」とほほを緩ませた。そしてエースが「頼もしかった」と評価した井坂も「今日で自信がつきました」と充実した表情。ほしかった全国制覇のタイトルを追い風に、鎮西高の選手たちは最後の1冠を取りにいく。

 

ここぞの場面でスパイクを決めた舛本

 

文/坂口功将

写真/山岡邦彦

 

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