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春高2025

就実高単独チームの岡山県が準V 準決勝ではインターハイ女王を破り西畑監督「上出来すぎてびっくり」【いちご一会とちぎ国体(少年女子)】

  • 学生
  • 2022.10.19

 

 

第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」バレーボール競技(以下、栃木国体)の少年女子決勝が10月10日(月・祝)に宇都宮市体育館で行われた。就実高単独チームの岡山県は、古川学園高単独チームの宮城県に1-3(25-21, 20-25, 14-25, 31-33)で敗れ、準優勝。それでも、インターハイでベスト16に終わったチームは、西畑美希監督を驚かせる力を発揮した

 

 

福村(左)、高橋(右)の1年生コンビが攻守で躍動

 

 1年生エースの福村心優美はひるまなかった。ネットの向こうには身長196㎝のタピア・アロンドラ。中学3年生だった今年1月の春高決勝、画面越しに見ていた選手がスパイクを止めにきた。「大きいとは思いましたが、負けるわけにはいかない。いくら身長が違っても、気持ちでは負けたくありませんでした」と徹底して得意のクロスへのスパイクで勝負。「逃げてストレートに打つと、相手のチャンスになる。シャットされたほうが自分的にはもっとやろうと思えるので」。第1セットから全開で、セットを先取した。

 

 タピアを中心に立て直され、第2、第3セットを落としたが、後がなくなった第4セットには打球の威力が増した。24-23と先にセットポイントを奪い、ジュースではタピアと打ち合った。それでも、31-31でクロスへのスパイクがわずかにアウト。次のプレーも得意コースで挑んだが、タピアにブロックされて試合が終わった。それでも「悔しかったけど、技術の足りなさや、気持ちの弱さが最後の1点に出ました。どんな人が前衛にいても決めきれるように、これから練習していきたいです」とすがすがしい表情で語った。

 

 

高き壁に対し、福村は真っ向から挑んだ

 

 わずか2ヵ月で、選手たちの顔つきは変わった。春高連覇の立役者となった深澤めぐみ(久光)、深澤つぐみ(東レ)らが抜け、初めての全国大会となった8月のインターハイ。3回戦の八王子実践高(東京)戦では、第3セットで先にマッチポイントを握りながら、逆転負け。ベスト16に終わり、選手たちは号泣した。だが、西畑美希監督が「予選突破が難しいと思っていた」と振り返る国体中国ブロック大会は2位で通過。今大会は、準決勝でインターハイ女王の金蘭会が中心の大阪府に3-1で勝利した。試合後にはまるで優勝したかのように、歓喜の輪に加わった西畑監督は「上出来すぎてびっくりしています。それまで自信がなかったのに、金蘭さん(大阪府)に勝ったことはすごい」と驚きを隠せなかった。

 

 

準決勝で大阪府を破り、歓喜の輪ができた

 

 エースの福村だけでなく、その対角を組む1年生の高橋凪も攻守で安定したプレーを見せ、インターハイではレギュラーでなかったミドルブロッカーの髙濱日菜穂も主力としてチームを引っ張った。それでも、指揮官は落ち着いて大会を振り返る。

 

「こんなにいいバレーができたのは、このチームになって初めて。いつもはできていないプレーができていました。試合ごとに強くなったのは確かだけど、チームが乗っていたから力が出たのか。もしくはそれがほんとうの力なのかはわかりません。もうちょっと冷静に、落ち着いて分析したいです」

 

 3連覇が懸かる春高へ、深澤姉妹に憧れて入学を決めた福村は「次こそは絶対に日本一になります」と力強く言いきった。夢舞台で、実力を証明してみせる。

 

文・写真/田中風太

 

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