世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2022/23シーズン第3節は大型補強敢行のピアチェンツァが今季初白星をゲットしました
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■逆転でトレンティーノ下したピアチェンツァが今季初勝利。ルカレリ「ただひたすら努力する」
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第3節》ピアチェンツァ 3–1 トレンティーノ
(23-25,25-18,25-22,25-22)〔現地10/16〕
スクデット(リーグタイトル)獲得を目指し、例年以上の補強を敢行したピアチェンツァ。ルーベからMBロベルランディ・シモン(キューバ)とOHリカルド・ソウザ(ルカレリ/ブラジル)、モデナからOHイオアンディ・レアル(ブラジル)を迎え入れ、他チームの警戒も強まった。だが、今夏の男子世界選手権でルカレリが負傷し、リーグ開幕に間に合わず。その影響もあってか、開幕から2連敗を喫するなど出足はつまずいた。
<世界で指折りのアタッカー⑧ルカレリ。復帰を果たした>
第3節は、ホームに“トップ4”の一角、トレンティーノを迎えての一戦。もっともトレンティーノはSリッカルド・スベルトーリ(イタリア)が腹部の負傷により欠場、Sニコロ・デパルマ(イタリア)を先発で起用、OHマテイ・カジースキ(ブルガリア)をOPに配置するなど応急処置を施している。その相手に第1セットを落としたピアチェンツァだったが、第2セットでチーム合計6本のブロックシャットを浴びせるなど反撃。OPユーリ・ロマノ(イタリア)がチーム最多16得点、MBエドアルド・カネースキ(イタリア)が4本のブロックポイントをマークし逆転勝利を収めた。
今季初勝利を喜んだのは、ケガから復帰し先発出場を果たしたルカレリ。第3セット以降はベンチに控えたが、10得点に加えサーブレシーブ返球率は65%(17本中)と上々のパフォーマンス。「コートに戻ってこられてうれしいです。確かに疲れを感じますが、長くプレーしていなかった状態から戻ってきたので当たり前のこと。ただひたすら努力し、勝利を目指します」と自身のシーズン開幕を高らかに宣言した。
<まだまだシーズンは始まったばかりだ>
*****
◆《第3節》ルーベ 3–0 モデナ
(25-21,25-13,25-19)〔現地10/16〕
盟主ルーベと名門モデナとのビッグマッチは、大方の予想を裏切る(?)ワンサイドゲームに。OHイアルバン・ヌガペト(フランス)を中心とするモデナのアタックに対し、ルーベはしっかりとブロックとレシーブの関係を構築し決定打を与えない。攻撃に転じては、OPイバン・ザイツェフ(イタリア)が最多16得点、OHマーロン・ヤント(キューバ)が15得点と続き、チーム全体のアタック決定率は65%と高い数字をマーク。ストレート勝ちを収めた。
<攻撃陣を巧みに操ったSルチアノ・デセッコ(アルゼンチン)がMVP>
◆《第3節》ペルージャ 3–0 ヴェローナ
(25-22,25-14,25-20)〔現地10/15〕
ホームのペルージャはOPカミル・リキリチ(ルクセンブルク)が4本のブロックシャットを含む最多17得点、OHカミル・セメニウク(ポーランド)が3本のサービスエースを含む16得点と続き、開幕から2戦連続でフルセット勝ちを収めて勢いに乗るヴェローナを圧倒。MVPに選ばれたリキリチは「ともに戦ってくれたファンは、7人目の選手です」とシルマニアチ(応援団の名称)に感謝した。
<“ブロックデビルズ”ことペルージャ(コート奥)。ヴェローナの攻撃をはね返した>
◆《第3節》チステルナ 3–1 パドヴァ
(25-19,31-33,25-20,25-15)〔現地10/16〕
開幕から無傷の2連勝をあげたチームどうしの対戦は、ホームのチステルナに軍配。エースのOPペータル・ディルリッチ(クロアチア)がこの日も最多20得点をあげる一方で、今季初スタメンのOHエフェ・ベイラム(トルコ)も13得点としっかりと貢献。攻撃陣を操ったSミケレ・バラノビッチ(イタリア)がMVPに選出された。
<チステルナのファビオ・ソーリ監督は一歩ずつ着実に、チームを推し進める>
◆《第3節》モンツァ 0–3 ターラント
(23-25,16-25,19-25)〔現地10/16〕
ホームのターラントはOPトマッソ・ステファニ(イタリア)、OHエリック・レプキー(カナダ)が16得点と並び、待望の今季初勝利をホームでゲット。ステファニは「前節からの1週間、チームとして一致団結して臨めたのがよかった」と勝因を語った。一方のモンツァはいいところなく開幕3連敗。第4節を前に、Sヤン・ツィンマーマン(ドイツ)を獲得し、立て直しを図る。
<モンツァのOP⑨ジェルジ・グロゼル(ドイツ)は「シーズンの出だしは厳しいものになった」とコメント>
◆《第3節》ミラノ 3–0 シエナ
(25-18,29-27,25-17)〔現地10/16〕
ホームのミラノはキャプテンMBマッテオ・ピアノ(イタリア)、OH石川祐希(日本)がベンチに控えたが、OPジャン・パトリ(フランス)が両チーム通して最多20得点の活躍。今季初スタメンのOHオスニエル・メルガレホ(キューバ)が14得点、MBアグスティン・ロセル(アルゼンチン)が最多4本のブロックポイントをマークし、攻守でシエナを上回った。
<ミラノ⑨パトリは高い攻撃力でチームを牽引する>
《イタリア・セリエA レギュラーシーズン》
==順位表/第3節終了時点==
1 ペルージャ 9pt(3勝0敗)
2 チステルナ 9pt(3勝0敗)
3 ルーベ 7pt(2勝1敗)
4 ミラノ 5pt(2勝1敗)
5 パドヴァ 4pt(2勝1敗)
6 ヴェローナ 4pt(2勝1敗)
7 ピアチェンツァ 4pt(1勝2敗)
8 トレンティーノ 4pt(1勝2敗)
9 モデナ 4pt(1勝2敗)
10 ターラント 3pt(1勝2敗)
11 モンツァ 1pt(0勝3敗)
12 シエナ 0pt(0勝3敗)
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕
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