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VC長野 森﨑健史の告白「絶対に守らなきゃいけない」V1残留に導いたチーム最年長選手が語る勝利の重さ

  • SV男子
  • 2022.11.11

 

 

 10月29日、2022-23 VリーグDIVISION1 MEN(V1男子)では昨季リーグ最下位のVC長野トライデンツが昨季王者のサントリーサンバーズを下すアップセットが起きた。しかもVC長野は今季最初のホームゲーム。選手たちはもちろん、駆けつけたファンも喜びに浸ったに違いない。と同時に、思うのだ。苦難に見舞われた昨シーズン、最後の入れ替え戦でV1残留を遂げていなければ、この感動も味わえなかっただろうと。そして、あの光景がよみがえる。チーム最年長の森﨑健史が観客にむけて突き出したこぶしを。今だからこそ、彼の告白をここに記したい

 

 

森﨑健史(もりさき・けんし/1992年7月25日生まれ/身長187㎝/最高到達点340㎝/武生高〔福井〕→宇都宮大→VC長野/ミドルブロッカー)

 

<ギャラリー>【40枚】激闘がよみがえる。VC長野vs.ヴォレアス 2021-22 V・チャレンジマッチ

 

プレッシャーを胸に臨んだ2021-22シーズン最後の入れ替え戦

 

 生き残れるのだろうか。いや、何としても生き残らなければならない。2021-22 V1男子を5勝31敗のリーグ最下位で終えたVC長野は、今年4月9日~10日の入れ替え戦「V・チャレンジマッチ~2022-23 V.LEAGUE DIVISION1 MEN出場決定戦」に臨むことになった。

 相手は2021-22 V2男子を制し、宿願のV1昇格に燃えるヴォレアス北海道。対戦カードが決まってから、VC長野の森﨑健史には常にプレッシャーがつきまとった。

 

 「ヴォレアスのSNSやツイッターなどを見ていると、この入れ替え戦に対する向こうの熱量をとても感じていました。実際にビデオを見て対策研究をするかぎりは、勝てない相手ではないとは思っていました。ですが、入れ替え戦という舞台は、どうしても下のチームが上のチームを倒す、その姿に応援が増す風潮があり、会場もそうした雰囲気になると想像できたので。どれだけ踏ん張れるか、をいちばんに考えて臨みました」

 

 舞台は中立地ともいえる小田原アリーナ(神奈川)。いざ当日、会場には北海道のテレビ局による中継が入るなど、ヴォレアスを押し上げるムードはあった。ただ、同じようにVC長野のシャツを着て応援する観客の姿も見られ、両チームの応援は同量の熱を発していた。

 「会場に入ったときから『たくさん来てくれている』と感じましたが、公式練習の途中からBGMも流れて、ホームの感じがすごく伝わってきました。あれだけのファンがきてくれたことが、力になりました」

 

 

2日間、激しいサバイバルが繰り広げられた小田原アリーナ

 

初戦を落としたVC長野。2戦目で森﨑は先発出場

 

 9日の初戦、チームは2-3(31-33,25-19,25-21,18-25,12-15)で敗れる。歓喜するヴォレアスをネット越しに見ながら、VC長野の選手どうしでは「明日3-0で勝てばいいんだ」という声もあがるが、厳しい状況に立たされたのが現実だ。森﨑自身は、内定選手(当時)も含めて若い顔ぶれが並ぶチームメートたちに対して「しっかりとファンにあいさつしよう」「明日のために休もう」と声をかけた。もちろん内心は「すごくやばかった」のが正直なところ。それでも、試合後に一礼すると、応援してくれるファンの姿を目にしながら、心の中で唱えた。

「下ばかり向いてはいられないな」「明日も応援お願いします」と。

 

 すべてが決着する翌10日の第2戦。先発出場が告げられたのは、試合直前だ。はっきりとは覚えていないが、ウォームアップを終えて、公式練習の前後くらい。初戦はリリーフサーバーでの起用だったが、それでも気持ちはできあがっていた。

 

 「前日の晩も、精神的には“きて”いたんです。ですが、明日のために体を万全にしなきゃ、と思ってしっかりストレッチからダウンをして、栄養を摂って寝ました。

 2日目は折り合いをつけていましたね。やるしかないし、いつもどおりやろう、変に気負い過ぎてもダメだ、と。第1セットが大事だと思っていたんです。なので、いいかたちで試合に入れるように、チームのみんなの様子を見ながらアップしていましたし、僕自身、率先してストレッチをしていました」

 

 

9日の第1戦はリリーフサーバーとしてプレーした

 

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