【東京都春高代表決定戦(女子)注目選手①】名門を背負うエース谷島里咲(下北沢成徳)&昨年度の悔しさを知る田中咲樹(文京学院大女)
- 学生
- 2022.11.13
第75回全日本高等学校選手権大会(春の高校バレー)東京都代表決定戦が11月13日(日)に駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場(東京)で行われる。一次予選を突破した下北沢成徳高、八王子実践高、共栄学園高、文京学院大女高が3枠を懸けて戦う全国屈指の熾烈な争い。準決勝で対戦する下北沢成徳高と文京学院大女高の注目選手を紹介する
下北沢成徳高・谷島里咲 悩めるエースが壁を破れるか
下北沢成徳高のエースを担う宿命だろう。2年生時からそのポジションを務める谷島里咲が、壁に当たっている。
金蘭会高が中心の大阪府と戦った国体の3・4位決定戦、そして東海大と対戦した皇后杯関東ブロックラウンドで、同じ課題に直面した。谷島を含め前衛の攻撃枚数が2枚になるローテーション。ミドルブロッカーの打数が少ないなか、高いトスによりマークが集まりやすいシチュエーションで、谷島が捕まった。
得意のクロスへのスパイクでブロックを抜いたかと思えば、レシーバーが待ち受ける。そこから切り返され、大阪府戦は第3セットに7連続、東海大戦は第3セットに6連続失点。暗雲を断ち切れず、どちらの試合もフルセットの末に敗れた。
「罪を犯したというか、ものすごい失敗をしてしまったと思います。点を取りたいというより、ミスをしてはいけない思いが強くて、受け身の姿勢になってしまいました。視野が狭くなっていたと思います」
2年生時にエースの座をつかみ、初めての全国大会となった同年のインターハイでは優勝。「負けることが考えられなくて、勝つイメージしかなかった」と語るほど強気に腕を振っていた。しかし、3年生になった今季は、インターハイ、国体でともに全国ベスト4。苦しむエースの成長を、小川良樹監督は待っている。
「『工夫が足りないんだよ』とは言いますが、だからどうしなさいとは言いません。自分が考えて苦しんで、覚えるべきことだと思うので。オープントスで上がってくるボールをどう決めるかは、この年代でしか経験できないこと。みんな(卒業生)もそこで磨かれてきましたから。乗り越えてほしいですね」
インターハイ後は、古川愛梨がミドルブロッカーからアウトサイドヒッターに転向し、1年生が3人(中田藍美、小山明、柳千嘉)入る布陣にシフト。初の代表決定戦となる選手が多いなか、経験豊富なエースの奮起が欠かせない。
「ずっと負け続けてきたんですけど、絶対このままでは終わりたくない。最後は笑って終わりたいので、この2年間の意地を見せたいです」
昨年は準決勝で八王子実践高に敗れ、最終的に3位で突破した緊張感のかかる舞台。壁をぶち破るには、これ以上ない一日が待っている。
谷島里咲
やじま・りさ/下北沢成徳高3年/アウトサイドヒッター/身長172㎝/八郷中(茨城)出身
文京学院大女高・田中咲樹 昨年度からのレギュラーとして2年ぶりの春高へ牽引
1年前の同じ舞台で、文京学院大女高の田中咲樹は勝つ難しさを知った。準決勝で共栄学園高に敗れ、残り1枠の出場権を懸けた下北沢成徳高との3位決定戦。第1セットを奪い、勝利に王手をかけた第2セットも7−1とリードしていた。しかし、そこからまさかの逆転負け。「自分は何もできなかった。3年生の力になれませんでした」と唇をかんだ。
昨年度から田中以外のスタメンは総替え。新チームでは主力を担い、芽生えた思いがあった。「後輩たちを引っ張っていかないといけない。自分たちの代で試合に出てない3年生もいるので、みんなの思いを背負って頑張りたいです」。都予選4位でインターハイ出場を逃した今夏は、チームとしてサーブレシーブを強化。生命線である田中のクイックを生かすべく、より磨きをかけてきた。
13日の準決勝では、昨年敗れた下北沢成徳高と戦う。2年ぶりの全国大会に向け、力強く意気込む。「自分たちは最後の大会なので、悔いの残らないように。中高一貫で6年間やってきたので、その思いを試合で出せたらと思っています」。先頭に立つ覚悟はできている。
田中咲樹
たなか・さき/3年/ミドルブロッカー/身長174㎝/文京学院大女中(東京)出身
文/田中風太
写真/中川和泉、編集部
準決勝
第1試合(10時5分〜)
八王子実践×共栄学園/下北沢成徳×文京学院第女
第2試合
決勝(第1・第2代表決定戦)/3位決定戦(第3・第4代表決定戦)
※無観客開催
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