優勝にも駿台学園布台キャプテン「もっと圧倒しないと」 東洋、早稲田実も本戦へ【春高2023東京都予選(男子)】
- 学生
- 2022.11.18
第75回全日本高等学校選手権大会(春の高校バレー)東京都代表決定戦が11月13日(日)に駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場(東京)で行われた。男子は駿台学園高が準決勝(対早稲田実)、決勝(対東洋)ともにストレート勝ちで優勝。今夏8年ぶりにインターハイに出場した2位の東洋高、3位の早稲田実高も本戦進出を決めた
1位・駿台学園高
準決勝と決勝でメンバー変更
誰が出ても同じバレーへ
優勝した駿台学園高は、今年も都予選で相手を寄せつけなかった。
準決勝、決勝ともに出場したエース佐藤遥斗を軸とした攻撃で着実に得点を重ね、守備では3枚ブロックで相手の攻撃を機能させず。だが、失セット0での優勝にも「自分たちは春高に出てどうするのかを見据えているので、もっと圧倒しないといけない」と布台聖キャプテンの表情は晴れなかった。
目指すは「誰が出ても同じバレー」。準決勝はアウトサイヒッター櫻井信人、オポジット川野琢磨、セッター大坪泰介と1年生を3人投入。そして、吉田竜也に次ぐ第2セッターを探すべく、決勝では3年生の近江晴友を起用するなど、2試合でメンバーを代えて臨んだ。そのなかでほころびも生じ、布台キャプテンは「セッターがいつもと違って、トスが合わなかった。いきなりこういう試合での活躍は難しいですが、それでも活躍しなければ、この先使えません。1試合目は1年生がうまくはまらなかったですが、はまるようにしないと」と厳しい口調だった。
すべては6年ぶりの春高の頂点のため。1年生時からその舞台を経験するエースの佐藤は「本戦まで時間がない中で、プレーが急激にうまくなることはあまりないと思うので。1本のパスやリバウンドボールの処理など、細かいプレーを練習していけたらと思います。自分たちがやってきたことを信じて、最後はしっかり勝ちきれるようにしたい」と静かに闘志を燃やした。
駿台学園高は、優勝にも笑顔なし
2位・東洋高
トップレベルとの差を痛感
春高ではベスト4へ
5年ぶりの本戦出場を決めた2位の東洋高からも、口をついて出たのは反省の弁だった。今夏は8年ぶりにインターハイに出場していただけに、小林将也監督は「うれしい気持ちもありますが、チームとしての目標は春高ベスト4、センターコートにいくことなので。評価としては高くないと思います」と振り返った。
駿台学園高との決勝では、全国トップクラスとの差を痛感した。第1セット序盤は中塚康介のクイックを軸に組み立て、7-3とリードしたが、中盤には佐藤に連続サービスエースを許すなど、5連続失点で失速。第2セットも15-15から6連続失点でリードを広げられた。準決勝の安田学園高戦でスパイクを決めた兎沢阿季、鈴木碧空キャプテンの両エースは、相手のブロックに苦しむ場面も。国体で東京都代表のメンバーとして出場した鈴木キャプテンは「ハイセットにきっちり3枚そろえられて、そこに正直に打ち込んでしまいました」と悔やんだ。目標をかなえるべく、同キャプテンは「慢心せずに、初心に帰ってまた締め直したいと思います」と成長を誓った。
身長177㎝ながら、最高到達点330㎝越えのスパイクが魅力の鈴木キャプテン(東洋高)
3位・早稲田実高
エース新井が
昨年の悔しさを晴らす大活躍
春高出場最後の一枠をかけた3位決定戦は、早稲田実高と安田学園高の戦い。第1、第2セットともに序盤は一進一退だったが、中盤で早稲田実高が連続得点を重ね、ストレートで勝利した。
早稲田実高のエース・新井琉之介は、スパイクはもちろんブロックでも活躍し、ひとりで20得点以上たたき出した。対角に入るのは1年生の北田朔也で、オポジットも2年生の西脇柊と、下級生も多くコートに立つ。「昨年悔しい思いをしたので、今年は『3位決定戦で勝とう』と話していました。後輩を春高に連れて行く、という3年生の責任があったので、目標をクリアできてよかったです」と新井。最初で最後の春高は「かき乱したいです」と笑った。
本戦出場を決め、拳を握る#4新井(早稲田実高)
安田学園高はスタメンに180㎝を越える選手が一人しかいない小柄なチーム。吉田拓弘キャプテンや、近藤颯太ら3年生の活躍はもちろん、2年生セッター原龍之介、1年生スパイカー原海鳳の兄弟の息のあったコンビネーションも見られたが、2年ぶりの出場はかなわなかった。
チームをけん引した吉田キャプテン(安田学園高)
試合結果
準決勝
駿台学園高 2-0 早稲田実高
(25-20, 25-13)
東洋高 2-0 安田学園高
(25-21, 25-19)
決勝
駿台学園高 2-0 東洋高
(25-17, 25-18)
3位決定戦
早稲田実高 2-0 安田学園高
(25-23 , 25-16)
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