第75回全日本高等学校選手権大会(春の高校バレー)京都府代表決定戦が11月19日(土)に島津アリーナ京都(京都)で行われた。男子は東山高が大谷高を3-0(25-19,25-16,25-13)で下し、4年連続15回目の本戦出場を決めた。春高では、インターハイに続く全国二冠を目指す
40人を超える部員の先頭に立ち、池田幸紀キャプテンがスタンドに右手を突き上げた。インターハイ府予選、その本戦に続く今季3度目の優勝の儀式「カモンロッソ」。選手たちにとっては、全国大会の切符をかけて戦う舞台では初の有観客開催で、この3年間では最大規模の応援団と喜びを分かち合った。池田キャプテンは「OBの方や保護者の方も無制限で入れたので、全然違いますね」と笑顔。「一応、昨日帰りに、全員に『カモンロッソの映像見てきて』と言っていたので」という効果もあったのか、息の合ったパフォーマンスで喜びを爆発させた。
試合後の明るい表情は、その戦いぶりからもうなずける。決勝は昨年の春高府予選、今年のインターハイ府予選に続き大谷高と対戦。クイックを軸としたコンビバレーを仕掛けてくる相手に対し、尾藤大輝が5本、麻野堅斗が4本決めるなど、14本のブロックを浴びせた。中盤まで競り合ったのは、3連続失点で15-14と迫られた第1セットだけ。花村知哉のサーブから4連続得点で逆転してこのセットを奪うと、その後も池田キャプテン、勝山翔太らのサーブレシーブを起点に、セッターの當麻理人が多彩な攻撃を展開した。勝利に王手をかけた第3セットはブロックで相手にプレッシャーを与え、序盤から5連続得点。中盤には再び花村のサーブから9連続得点とたたみかけ、3-0で圧倒した。
全国二冠を目指す本戦に向け、新たな武器をアピールした。13日(日)に行われた準々決勝ではライバル洛南高をストレートで下したが、ダブルヘッダーとなった準決勝の鳥羽高戦は、2-1と辛勝。身長207㎝で、高校生唯一の日本代表の麻野のスパイクにブロックが2枚つかれた反省を生かすべく、今試合で多用したのがDクイックだった。両サイドへのマークが薄い大谷高のブロックに対して徹底して攻め、麻野はスパイクでエースの尾藤に次ぐチーム2位の11得点。「これまでこんなに(Dクイックを)打ったことはないですね。自信になりました」と手応えをつかんだ。當麻は「ここからは縦のDクイックも含め、もっと精度を上げて使えるようにしたいです」と本戦を見据えた。
インターハイ王者として臨んだ国体では5位に終わり、目標の全国三冠を逃した。それでも、指揮官の言葉は力強い。「三冠を取ると言っていて国体は取れませんでしたが、二冠を取れるのは2チームしかいません。必ず日本一を取って、その1チームになりたいと思います」。昨年の本戦は1回戦で敗れ、エースとして力不足を感じた尾藤は「まずは自分のプレーをやりきること。応援してくださる方々やチームの思いを背負っているので、エースとして託されたところを決めきって、日本一を取りたいと思います」と力を込めた。
大谷高
ブロックに阻まれるも
持ち味を貫く
相手の壁に何度跳ね返されても、大谷高は持ち味を生かして真っ向から挑んだ。生命線である大塩颯人、木嶋澪之の両ミドルブロッカーのクイックや時間差攻撃が相手のブロックに阻まれたが、松本龍之介キャプテンが「止められてもいいから全力を出そうとしました」と振り返るように、軸はぶらさず。セッター上田晃大を中心にコンビバレーを仕掛け続けた。松本キャプテンが足をつってベンチに退いた第3セットには、1年生の安田翔が連続でスパイクを決め、懸命に食い下がった。
松本キャプテンは「東山と洛南の2強を倒して全国に行く」と目標に掲げて大谷高に入学。2年生時の春高予選準々決勝で洛南高を撃破したが、東山高には一度も勝てなかった。それでも、「負けて泣いてしまったんですけど、最後はみんなで笑って体育館を出られてよかったです。全力でプレーしようと話していて、全員で悔いの残らない試合はできたと思います」と胸を張った。
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京都府男子予選トーナメント表