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春高2025

注目中学生 柏﨑祐毅の2022年。最高到達点340㎝越えの逸材は悩み、感謝し、さらなる高みへ

  • コラム
  • 2022.12.21

 

大会では優勝にたどり着くことができず、悔しさをにじませる姿も。右が宗宮監督

 

チームをまとめることに四苦八苦

 

 監督から言われることがガラリと変わったものだから、当然困惑もしたに違いない。ただ、本人はいたってまじめな性格。「エースではなくキャプテン」という言葉と、まっすぐに向き合った。

 

 例えば今年の4月に出場した「プログレスカップ」では、大会初日を終えて、こう口にしている。

 

 「今日も1試合目で、自分から声を出せなくなってしまいました。そこはキャプテンではなく、ただのエースになっていたのだと。しっかりとしたキャプテンになれるようにしたいです」

 

 キャプテンとしての立ち回りに、「だいぶ大変です」と言ってはにかむ表情が印象的だった。

 

 聞けば、最も苦労したのはチームの導き方。2年生のころは先輩たちが「引っ張ってくれた」。次は「自分が引っ張る立場」。同級生だけで30名以上、総勢70名を超える大所帯のSTINGS Jr.とあって、いかにまとめるかに試行錯誤した。

 

 そんなキャプテンを支えたのが、同級生の仲間たちだった。柏﨑は一人のチームメートの名前を挙げる。

 

 「副キャプテンの亀田瑠斗(天白中〔愛知〕3年)には、とても支えてもらいました。試合で自分が点を決められなくなって下を向いたときも、『ゆうき、笑顔!!』と怒ってくれるんです。僕が不在のときは、代わりにチームをまとめてくれました。亀田がいてくれて、とても心強かったです」

 

悩みながらも、自分の役目と向き合った

 

誰よりも楽しみ、率先してチームメートを盛り上げた

 

 STINGS Jr.での活動は仲間に恵まれた。とにかく明るく振舞えるメンバーがそろっており、コート上では全員が走り回り、感情を爆発させる。

 

きっかけは、新チームが始まってまもなく、三重の高校との練習試合に出向いたとき。高校生たちが自分たちでムードをつくる姿に惹かれ、取り入れることにした。その大切さを実感したのがプログレスカップで、PROGRESS倉敷(岡山)との試合は、「とにかく楽しかった」(柏﨑)とシーズンを終えても心に残る一戦だ。

 

 柏﨑自身も先頭に立って、ムードをつくった。最後の全国ヤンクラでは、常に笑顔でプレーする姿が見られた。

 

「とにかく試合中も練習中も僕がいちばんに楽しむことを意識して、みんなに声をかけていました。それに監督からも、『試合に勝っても、自分たちが楽しんでなかったら怒るぞ』と言われていたので。楽しまなきゃ勝てない、と心がけていました」

 

感情表現を爆発させる。2022年度のSTINGS Jr.が心がけていたことだ

 

 そんな激を飛ばした宗宮監督もチームの姿、そして大黒柱の姿を評価する。

 

 「選手たち自身で、このスタイルでいこう、この姿を全国の舞台で残そう、と決めたわけです。選手たちはほんとうに最後まで走り切った、という思いでしょう。

 

 その中でも柏﨑はキャプテンとして、ほんとうにチームを引っ張ってくれました。仲間を大事にして、仲間の思いを絶対に裏切らない選手でした」

 

 思いのままに周囲を盛り上げる柏﨑だったが、それはキャプテンと同時に、エースとしての立ち居振る舞いそのものでもあった。大会を終えて、本人は言う。

 

 「やっぱり、ただスパイクを決めればいいではなくて、自分が決めたら誰よりも喜んで、誰が決めてもいちばんに自分が喜ぶ。そうやって盛り上げられるのがエースだと思うんです」

 

周りにも積極的に声をかける

 

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