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春高2025

東北高の名脇役 武山恵大が繰り出す“小さいなりの職人芸”「春高では悔いなく戦い、日本一を取りたい」

  • コラム
  • 2022.12.25

 

 第75回春の高校バレー全日本高等学校選手権大会(春高)に3年ぶり31回目の出場を果たす、男子の東北高(宮城)。得点を重ねる2枚エースにスポットが集まる中、指揮官が「心強い」と信頼を寄せる一人に名前を挙げるのが、3年生のアウトサイドヒッター、武山恵大だ。

 

武山恵大(たけやま・けいた/身長178㎝/最高到達点320㎝/広瀬中〔宮城〕→東北高/アウトサイドヒッター)

 

「職人みたいなプレー」と吉田康宏監督

 

山椒は小粒でもピリリと辛い。

 

【写真】宮城県予選(男子決勝)のフォトギャラリー(21枚)

 

 そんな表現が似合う。今年10月30日、春高宮城県予選決勝を制したあと、東北高の吉田康宏監督はうなずくように語った。

 

 「今回のチームはエースの安食浩士とキャプテンの小山暖人がどうしても目立つのですが、武山のような選手が要所で役割を果たしてくれる。職人みたいなプレーで、ね。心強いですよ」

 

 強烈なサーブと高い決定力を備え「日本一のエースになる」と公言する安食や、中学3年生時に全日本中学生選抜入りを果たした小山の2人は高校1年生時からレギュラーに名前を連ね、3年目の今季もチームを支える。試合では2人が主に得点を重ねるが、その一方でバイプレーヤー(=脇役)も見逃せない。

 

 身長178㎝は高校男子の全国レベルでは決して大きくなく、最高到達点も320㎝と数字に派手さはない。けれども、好レシーブやつなぎのプレーで相手のチャンスをつぶし、攻めては時間差攻撃やブロックアウトなど巧みなわざで得点を呼び込む。武山のそんな姿がピリリと、試合ではアクセントになるのだ。

 

本人も自らのよしあしを受け止めたうえで、口にする意気込みには熱がこもる。

 

「たとえ身長がなくても全国の舞台でも戦えるんだぞ、って。身長がない選手が活躍すれば、同じような選手たちにとっても自信になると思うんです。それに中学時代のクラブの後輩も、同じチームにいるので。その分、しっかりプレーでも自分の姿を見せていきたいです」

 

2枚エースがいる分、派手さもなければ、目立つこともないが、チームに欠かせない存在だ

 

【次ページ】中学2年生時、悔しさのあまり試合後に大泣きした

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