第75回全日本高等学校選手権大会(春高)が、2023年1月4日(水)から東京体育館(東京都渋谷区)で開催される。
鎮西(熊本)の絶対的エース舛本颯真。前回大会、男子決勝で舛本は96本のアタックを放ち51得点するも日本航空(山梨)にフルセットの激闘の末に敗れ準優勝。月刊バレーボール(2022年3月号)では大会後に当時の春高で感じたことや6年後の目標などを聞いていた。ここでは当時の記事を振り返る。(月刊バレーボール2022年3月号掲載記事を再編集したもの。本文は当時の内容のまま)
------以下、月刊バレーボール2022年3月号より------
昨夏のインターハイ決勝では49得点をあげて優勝に貢献し、春高決勝ではそれを上回る51得点をマーク。惜しくも二冠は逃したが、この2年間で大きな飛躍を遂げた2年生エースの今と未来に迫る
進化のきっかけをくれた大型選手たち
決勝で負けてほんとうに悔しかったです。調子がよくて、思うようにプレーできましたが、第1セットの中盤に連続でミスをしました。体力の問題はなかったものの、思うように足が動かなくて。その2本とも決められていたら、そして自分の声で雰囲気を変えられていたら優勝できていたと思います。夏にもう1回インターハイで優勝できるように、今は死に物狂いで練習に励んでいます。
身長2mの選手たちには、上がってきたボールは全部打ちきるという気持ちで挑んでいました。ただ、準々決勝で対戦した牧選手(高松工芸高/香川)はほんとうに大きくて、立っているだけでも威圧感がすごかった。第2セットの途中からうまくいき始めましたが、そのセットもブロックされて。このままだと体力的にもきついと思ったので、助走を変えました。コートの中に切り込んで、相手を惑わせるためです。これは練習していましたが、試合ではあまり使いません。それぐらい自分の持っている引き出しは見せた印象です。
準決勝で戦った甲斐選手(日南振徳高/宮崎)との共通点として、ブロックのときにネットから手がめっちゃ前に出てきます。今までは相手のブロックの端に当てることだけを意識していましたが、それだけでは決まりません。いつもの7割くらいの力ではなく、思いきり打ったり、前腕の手に近い部分を狙うようにすると、弾き出すことができました。高い相手から点を決めるためにも、より細かいところを狙って、もっと技術を身につけていきたいです。
将来は日本を背負うエースになりたいですが、まだ二段トスを決めきる力がないので、このままでは絶対に通用しません。なので、正直まだオリンピックはイメージしていないです。今はほんとうに高校で活躍したいと思っていて、インターハイの優勝だけを見据えています。
自分が試合中にあまり喜ばないのは、喜びすぎると体力が持たないからです(笑) ほんとうに苦しい場面でアドレナリンが出るときに声を出して、チームが乗っていけばいいという考えです。でも、特に高松工芸戦はめっちゃしんどくて、第1セットは精神的にも落ちていました。
そんな中、(九冨)鴻三さんと(平嶋)晃さん、(髙木)大我さんのおかげで力を発揮することができました。苦しい場面で盛り上げることの大切さを3年生から学んだので、これからは体力をつけて、自分が引っ張っていきたい。苦しい場面で決められるエースになって、絶対にインターハイで優勝したいです。
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以上、月刊バレーボール2022年3月号を振り返った。
当時のインタビューでインターハイ優勝を望んでいた舛本。しかし大会連覇を目指して挑んだ今夏のインターハイでは準決勝で東福岡(福岡)に敗れ大会を去った。そのあとに開催された国体では熊本代表として鎮西単独チームで出場。自身は右足が万全ではなく、相手チームの厳しいマークで調子が上がらない中、井坂太郎、平田悠真らチームメイトが奮闘。チームで初優勝をつかみ取った。最後の春高で舛本はどのようなプレーを見せてくれるだろうか。
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