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春高2025

坂出工 春高でもマジカルコンビバレー旋風の予感 西山監督「夢を与えるバレーボールをしたい」【春高出場校の天皇杯①】

  • 学生
  • 2022.12.28

 

 

 12月9日(金)に武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京)で行われた令和4年度天皇杯全日本選手権大会ファイナルラウンド(男子)1回戦に、春高に出場する4チームが出場。Vリーグや大学生といった格上との対戦で、何を得たのか。第1回は坂出工(香川)。V1男子のVC長野トライデンツが相手でも、代名詞の「マジカルコンビバレー」はぶれなかった

 

 

コンビの心臓部を担うセッター田岡

 

 今大会で最も小柄な高校生が、Vリーガーを手玉に取った。10-12と競り合う第2セット、坂出工が仕掛ける。相手からのチャンスボールをセッター田岡悠瑠がジャンプトス。勢いよく助走に入ったレフトの小島舜生が、スパイクモーションに入った。だが、2枚のブロッカーを引きつけると、相手を欺くバックトス。ミドルブロッカー渡里伊紗がノーブロックで決め、今試合いちばんの熱気がコートを包んだ。

 その後は相手の高さに屈し、9連続失点で失速。ストレート負けとなったが、小島は「フェイクセットは試合で出せたらうれしいというか、リズムをつかめる一つの技。V1のチームに自分たちの攻撃がちょっと通用したんじゃないかと思います」と自信を深めた。

 

 リベロを起用せず、常にセッター以外の5枚攻撃を仕掛ける「マジカルコンビバレー」が代名詞。スタメンの平均身長が175.7㎝と小柄なチームが勝つために、フェイクセットやミドルブロッカーのバックアタックなど、型にはまらない攻撃を追求してきた。フェイクセットは男子日本代表の華麗なプレーがよく知られるが、田岡は「やり始めたのが同じぐらいのタイミングだったので。(男子日本代表は)関係ないです」とプライドをにじませる。

 

 ド派手な攻撃が成り立つのは、それぞれの高い水準のプレーがあってこそ。サーブレシーブを中心とした堅い守りと、スタメンのうち4人がスパイクサーブを放つ攻めの姿勢で、自分たちのペースに持ち込む。西山晃平監督は「フェイクセットが決まってほしいとは思いますが、どんな取り方をしても1点は1点。それが決まるには基本的なことがしっかりできないといけないので。基本的なプレーをしっかりしたいです」と冷静に話す。

 

 

ジャンプサーブを放つ藤本俊介キャプテン。今試合はチームとしてサーブミスが目立ったが、春高ではいかに攻められるか

 

 春高は19年ぶりだが、今季はインターハイに2年連続で出場し、国体では7位と着実に全国の経験を積んできた。目標の全国制覇を成し遂げるラストチャンスで、指揮官には見せたい姿がある。

 「高校生の中でもかなり低いチームですが、いろんな方法で点数を取るために頑張っています。小さい選手、小学生、中学生にこんなことできるんだ、と夢を与えるバレーボールをしたいと思います」

 

 平均身長は春高の出場校全52チーム中49位タイ。小柄な選手たちが、夢舞台でも見る者の心を奪う。

 

 

選手たちにとっては初の春高で日本一を狙う

 

 試合結果は以下の通り。

VC長野トライデンツ 2(25-16、25-16)0 坂出工高

 

文/田中風太

写真/中川和泉、石塚康隆

 

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