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春高2025

ウルフドッグス名古屋ジュニア 石田瑛城の絶妙な声かけ JOC杯愛知県選抜で柏﨑祐毅,竹川翔太の背中を押す

  • コラム
  • 2023.01.17

 

 

得意のブロックだけでなく、力強いクイックを打ち込んだ石田

 

チームメートの竹川への絶妙な声かけ

 

 その両エースをコート上で支えたのがWOLFDOGS名古屋U14のミドルブロッカー、石田瑛城(大高中3年)だ。自身はJOC杯において、持ち味であるブロックをコート上で発揮したいと考えていた。

 と同時に光ったのが、仲間たちへの声かけ。とりわけ竹川に対しては、同じクラブチームで活動していたとあって、背中の押し方が絶妙だった。

「以前だと、翔太はミスすると落ち込む姿が見られたんです。なので、チームも自立させようと促していましたし、彼自身も自立しようという姿勢で取り組みました。とくに今年のJOC杯での活動を通して、気持ちの面が強くなったと感じます。

 その翔太に対して、自分も声をかけることを意識していました。1本決めたときは、たくさんほめてあげる。ミスしたら『切り替えて。次だよ』と」

 

 そうして励まされる竹川自身も、仲間の存在に感謝してやまない。

 「瑛城の声かけがあることで、次も頑張ろうと気持ちが前向きになるんです」

 

 

竹川(写真右)へ声をかける石田の姿がたびたび見られた

 

熱くなり過ぎたエースをリラックスさせた一言

 

 一方、STINGS Jr.の柏﨑とはこれまでに一度だけ練習試合を行っただけで、交流はこれが初めて。打点の高さに驚くと同時に、気持ちの強さを感じた。

 「パフォーマンスがすごいのは当然ですし、何より『日本一になりたい』という気持ちがすごく強かった。そこで空回ってしまうこともあった印象です」と石田は振り返る。

 実際、決勝トーナメント2回戦では相手の滋賀県選抜に最高到達点340㎝を超える2年生エース草野烈(浅井中)がいたこともあり、柏﨑も闘争心をかき立てられた。だが、その気持ちは力みにつながり、次第に焦りを生んでいく。

 

 草野だけを見つめる柏﨑に、石田が言葉をかけた。

 「祐毅は祐毅だよ」

 

 

愛知県選抜のエース、柏﨑は今大会でJOC・JVAカップを受賞

 

 その一言に「力が抜けました。いつもどおりに笑顔で盛り上げてやればいいんだ、と思えましたから。すごく頼りになりました」と柏﨑。

 県選抜の活動が始まってからは、意見が衝突することもあった。時には周りが止めに入るほどの口喧嘩に発展したこともあったとか。ただ、「それくらいバレーボールが好きなんだ、と感じました」と柏﨑は振り返る。

 

 いつもは対抗心を燃やす相手だが、チームとして一つの目標を目指す。だからこそ、お互いの気持ちがぶつかり、同じ方向に向く。それがチームスポーツのだいご味だろう。

「新しい仲間と試合ができることがすごくうれしかったんです」と石田。その喜びを自分なりのかたちで、表現したのであった。

 

 

チームにできること、自分がしたいこと、をJOC杯の舞台で体現してみせた

 

(文/坂口功将〔編集部〕 写真/岩本勝暁、編集部)

 

 

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