gv-logo

春高2025

大阪北選抜女子の泉谷美乃莉ら金蘭会中の面々がJOC杯で知った初めての悔しさ

  • コラム
  • 2023.01.23

 

 

昨年末、中学生の全国大会「JOCジュニアオリンピックカップ第36回全国都道府県対抗中学大会」(JOC杯)が行われた。各都道府県の“金の卵”たちが集った大会で、彼らが見せた姿をクローズアップする

 

【第4回】昨夏に日本一に輝いた金蘭会中の泉谷美乃莉、石橋光らが流した涙

 

 

泉谷美乃莉(いずたに・みのり/金蘭会中〔大阪〕3年/身長175㎝/最高到達点300㎝/アウトサイドヒッター)

 

泉谷美乃莉が再び向き合った、自分の弱さ

 

【画像】JOC杯大阪北選抜女子 第36回JOC杯ギャラリー【15点】

 

 確かに、勝っていた。間違いなく、勝てる試合だった。けれども、結末は違った。

 

 昨年12月27日、第36回JOC杯は決勝トーナメントに突入し、負ければ終わりの戦いが各コートで繰り広げられていた。女子Kコートでは、大会連覇を目指す大阪北選抜が福岡県選抜と2回戦を争っていた。フルセットのゲームは最終第3セット、大阪北選抜が先にマッチポイントに到達する。だが、第2セットで大きくリードされた展開をひっくり返した勢いもあった福岡県選抜にそこから連続得点を許し、逆転負け。戦いは、ここで終わった。

 

 試合後、大阪北選抜の面々は悲しみを隠さなかった。両手で顔を覆い、壁に額を打ちつける。

 「信じられへん、というか。ほんまに負けたんや、って。この試合は負ける試合じゃなかった」

 その中の一人、アウトサイドヒッター泉谷美乃莉は大粒の涙を流しながら、この結末を悔やんだ。

 

 

試合後、背中を震わせる②泉谷

 

強気とは正反対。それでも「自分がやるんだ」「変わらなければ」と奮起

 

 今回の大阪北選抜は、昨年夏の第52回全日本中学校選手権大会(以下、秋田全中)を制した金蘭会中と、同じく準優勝だった大阪国際中といったチームの選手が並んだ。

 その中でも金蘭会中の泉谷は選抜の活動に伴い、JOC杯ではネットが高くなることからジャンプ力に磨きをかけて臨んでいた。測定では最高到達点300㎝を記録。これは今大会に参加した全選手の中でトップの数字だった。

 その高さを生かしたアタックを武器に、「もっともっと強気のプレーを増やしていこう。大事な場面でも打ちきれるように頑張ろう」と意気込みJOC杯へ。だが大会初日の予選グループ戦では埼玉県選抜に敗れてしまった。要所で得点をあげられなかった泉谷は「自分の気持ちが弱くて、決めきれなくて負けたんです」と振り返る。

 

 そもそも、泉谷は“強気”とは程遠い性格の持ち主で、そこは金蘭会中でも常に課題として指摘されてきた。決めきるんだという気持ちが弱く、ここぞの場面で消極的になってしまうのは彼女も自覚していた。だからこそ、秋田全中では最後、自分の殻を破ってみせ、日本一の立役者になっている。

 

 

チームを全国制覇へ導く活躍を見せた泉谷。写真は秋田全中

 

 秋田全中で芽生えた自信は、泉谷の“弱さ”の質を確かに変えた。今回のJOC杯では「金蘭会の名前を背負って、自分がやるんだ」という思いで臨んだ。埼玉県選抜戦でも、同じ金蘭会中のセッター丹山花椿からの「上げるよ」という言葉に「絶対に決めなあかん」と奮い立った。

 けれども、その思いは同時に力みを生んだ。それは福岡県選抜戦も同じ。第2、第3セットとリードする中で、泉谷はアタックを決めきることができなかった。埼玉県選抜戦を経て、「次は変わらないといけない」と奮起していたのに、だ。

 「結局、自分が決めきれなくて、追いつかれしまって…。もっとあの場面で自分が点を決めていたら、絶対に勝てていた。みんなに申し訳ないし…、勝ちたかったです」

 

 

大阪北選抜でもエースアタッカーの責任を背負ったが…

 

【次ページ】敗北の中で実感した、所属チームと選抜の違いと難しさ

  • スポルティング×日体大スペシャルインタビュー
  • 全中2024
  • 北部九州インターハイ2024
  • 男子日本代表応援サイト2024
  • 女子日本代表応援サイト2024
  • NBPオンラインショップ

pagetopbtn