2022(令和4)年度新人選手権大会(東京女子)最終日が2月5日(日)に駒場高校で行われた。今年1月の春高出場を逃した下北沢成徳高が失セット0で優勝。準優勝は春高ベスト8の共栄学園高だった
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春高予選での涙の敗戦から3ヵ月。新チームの初陣となった1月中旬の第31回東京私立高等学校男女選手権大会に続く優勝を飾り、下北沢成徳高の内澤明未キャプテンはほっとした表情で語った。
「都私学(東京私立高等学校男女選手権大会)で優勝しましたが、その時点では自分たちが新チームとしていちばん長く練習していたので、今回勝てるかどうかが大事だと思っていました。優勝することができてすごくうれしいです」
新チームの強みは圧倒的な高さ。身長180㎝を超える3選手(中田藍美、河俣心海、柳千嘉)がコートに立ち、リベロを除くスタメンの平均身長は177㎝を誇る。内澤キャプテン以外のスタメンは全員1年生と若いチームだが、スパイカーは2月18日(土)〜19日(日)に行われる第20回2023全日本ジュニアオールスタードリームマッチに選ばれた実力者たち。今大会でもその高いポテンシャルを見せつけた。
失セット0で迎えた決勝の共栄学園戦は、第1セットにブロックを連発して序盤からリード。イェー モン ミヤと後藤ビビアン愛音の両エースによる力強いスパイクで得点を重ね、セットを奪った。
優勝に王手をかけた第2セットは中盤までリードを許したが、後藤のスパイクで追い上げる。16-18から連続ブロックなどでこのセット初めてリードを奪うと、最後も相手エース秋本美空をブロックしてストレート勝ち。内澤キャプテンは「1年生とは思えない落ち着きで、ほんとうに助けられています。いつも『ありがとう』と思います」と目尻を下げた。
昨年の春高予選をもって、指揮官は小川良樹前監督から伊藤崇博監督にバトンタッチ。伊藤監督が「細部の変化はありますが、小川先生が築いてこられたものが柱になります」と語るように、スタイルは大きくは変わらない。内澤キャプテンも「力強さは残しつつ…」と言いながら、プランを口にした。
「成徳といえば大エースのイメージですが、レフトを中心に攻撃力が高い選手ばかりなので。バックアタックも含めて、リベロとセッター以外全員が攻撃に参加して。競った場面ではライトにも頼れるチームになります!」
新年度へは「東京の大会では全部優勝したい。去年の(春高予選の)借りをしっかり返して、日本一を取りたいです」と力強く宣言。目指すゴールへ、どんな進化を遂げるのか。注目のシーズンが幕を開けた。
平均身長177㎝! 下北沢成徳高のスタメン
小山 明 1年/身長166㎝/セッター/北沢中(東京)
イェー モン ミヤ 1年/身長174㎝/アウトサイドヒッター/北沢中(東京)
中田藍美 1年/身長184㎝/ミドルブロッカー/北沢中(東京)
河俣心海 1年/身長183㎝/オポジット/北沢中(東京)
後藤ビビアン愛音 1年/身長172㎝/アウトサイドヒッター/東陽中(愛知)
柳 千嘉 1年/身長183㎝/ミドルブロッカー/北沢中(東京)
内澤明未 2年/身長150㎝/リベロ/軽米中(岩手)
駒坂 真 1年/身長156㎝/リベロ/函南中(静岡)
準優勝 共栄学園
アクシデントを乗り越え
中村監督「よくやりました」
東京都私学大会準決勝に続く下北沢成徳戦の敗戦にも、共栄学園の中村文哉監督の声は明るい。「上出来じゃないですか? 悪いところはあまりなかったと思います」と笑顔で語った。
前チームからアウトサイドヒッターの一角を担う木村響稀が1月中旬にねんざ。代わりに入る予定だった中山楓もこの日の朝練中にねんざした。中村監督が「めっちゃバタバタでした。そんな中よくやりました」と語るように、代役の熊西一瑠が力を発揮。1セットも落とさず決勝へ進んだ。決勝は下北沢成徳の高さに苦しんだが、「新チームなので、もっと連係がバラバラになるかと思いましたが、そういうところはあまりなかったです」とプラスにとらえた。
春高でインパクトを残したルーキー秋本美空ら、ミドルブロッカー以外は前チームの主力が残る。
「周りからは『共栄は強い』とすごくプレッシャーをかけられるので(笑) 監督も選手もそれに負けないようにしないといけないですね。もう1回秋本がセッターをするかもしれないし、1年生も入って、いろいろ試していきたいです」
春高ベスト8を超える成績を目指して、新たなシーズンへチームづくりを進める。
文・写真/田中風太
試合結果
準々決勝
八王子実践高 2-0 淑徳SC高
(25-22, 25-22)
下北沢成徳高 2-0 実践学園高
(25-17, 25-8)
共栄学園高 2-0 藤村女高
(25-17, 25-11)
駿台学園高 2-1 文京学院大女高
(20-25, 25-23,25-20)
5•7位決定戦
実践学園高 2-0 淑徳SC高
(25-21, 25-18)
文京学院大女高 2-0 藤村女高
(25-17, 25-14)
準決勝
下北沢成徳高 2-0 八王子実践高
(25-16, 26-24)
共栄学園高 2-0 駿台学園高
(25-23, 25-12)
3位決定戦
駿台学園高 2-0 八王子実践高
(25-19, 28-26)
決勝
下北沢成徳高 2-0共栄学園高
(25-19, 25-20)
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