一般社団法人日本バレーボールリーグ機構(Vリーグ機構)は、Vリーグ中期計画、新リーグ参入要件の方向性に関して2月15日(水)の記者懇談会で発表した。ホーム&アウェーの定着、年間40~50試合程度の開催、プロチームと企業チームの混在などの方向性が明かされ、今後は分科会を行いながら、詳細について検討が進められる。
そのニュースが発信された2日後、柳田将洋(ジェイテクトSTINGS)は自身のTwitterで思いをつづった。
「僕たち選手もプロ、社員関係なくこういう環境の変化に対して更に知ろうとする姿勢を持っていかないといけない。自分たちが置かれている場所が変わることについて興味を持つこと。そしてこれからこの世界に飛び込んでくるすべての人が魅力を感じられるスポーツになるために」(原文ママ)
投稿後、初の試合となった2月18日(土)のパナソニックパンサーズ戦。ストレート勝ちを収め、会見場に現れた柳田は、胸に秘めた思いを口にした。
「いい方向へ進もうとしていることに対して、リーグやチーム、選手、ファンすべてが前を向いて、一つになっていくことがベースとして重要。スポーツのみならず、何もないところに道をつくっていく組織の試みに対して、寄り添っていくことがとても大事だと思います。まずはトップダウンで下りてくる情報ではありますが、前に進もうというリーグの意思を尊重して、協力していきたいと思います。
期待するとか、失望するとか、そういうことではなくて。自分たちもそこに関わる一人。自分の役割は何なのか、誰がリーグをつくっていくのかを自覚しながら、そういった発信にもっともっと敏感になっていきたいと思います」
この日は第20回2023全日本ジュニアオールスタードリームマッチに出場した男女中高生が観戦。ふだんは生で見ることの少ないトップレベルのプレーや、Vリーグならではの派手な演出をたんのうした。
「今の高校生は僕たちのころよりさらにいろんな情報をキャッチすることができる世代。自分で取り入れられる情報もあるし、今日みたいに実際に目で見ることでリアリティーのある情報も受けられると思います」と語りながら、次代を担う選手たちへメッセージを送った。
「そもそもバレーボールがやりたいのか。将来何になりたいのか。高校生なので、可能性は無限大だと思います。
自分のやりたいことがあるうえで人の意見を聞くのと、人の意見に従って進んでしまうことは、180度違うことだと思うので。それを自覚して、高校生のうちからしっかり取り組めるのであれば、今の僕のような選手は優に超えていけるはずです。
今のうちにいろんな考え方をして、トライして失敗して。失敗した数だけ経験につながるということを、繰り返してもらいたいと思います」
中高生に対してだけでなく、その言葉は自身にも向けているようだった。6位からV・ファイナルステージ(ファイナル4)出場を目指して、翌日の5位パナソニックとの負けられない2戦目は、フルセットの末に敗れた。V・レギュラーラウンドは残り10戦。最高の結末を迎えるべく、柳田らしく、最後まで挑み続けるだけだ。
文/田中風太
写真/中川和泉(NBP)
【関連記事】
新リーグは2024-25シーズンから Vリーグ機構が参入要件の方向性を発表
Vリーグ王者を決めるV・ファイナルステージの試合開始時間が決定
西田有志が中学、高校生にオンラインコーチング 積極的にコミュニケーションを図る
僕たち選手もプロ、社員関係なくこういう環境の変化に対して更に知ろうとする姿勢を持っていかないといけない。自分たちが置かれている場所が変わることについて興味を持つこと。そしてこれからこの世界に飛び込んでくるすべての人が魅力を感じられるスポーツになるために。https://t.co/I39in32W2J
— Yanagida Masahiro 柳田 将洋 (@y_masaaaa_yk) February 17, 2023