世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2022/23シーズンの第22節(後半第11節)が行われ、レギュラーシーズンは全日程が終了。戦いはプレーオフへ!!
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■ペルージャが1980/81シーズンのトリノ以来となるレギュラーシーズン全勝
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第22節》ペルージャ 3–0 ルーベ
(25-16,25-19,25-20)〔現地3/12〕
開幕から圧倒的な強さを見せつけ、レギュラーシーズンの前半を折り返してまもなく、首位でのプレーオフ通過が決まった今季のペルージャ。コッパイタリアではまさかの準決勝敗退に終わったものの見事、リーグは無敗で走り切った。
レギュラーシーズン最終節は昨季王者のルーベをホームに迎えての一戦。第1セットから計5本のサービスエースを奪うなど、相手に思うように攻撃させず、終わってみればあっさりとストレート勝ちを収める。6本のサービスエースを含むチーム最多20得点でMVPに選ばれたOPヘスス・エレーラ(キューバ)は「ボールに触るたびに、すべてがうまくいった」と恐ろしいコメントを残した。
<ペルージャのエレーラ(奥)はシーズンが深まるごとに凄みが増している>
なお、レギュラーシーズン全勝は1980/81シーズンにトリノが記録して以来。また、一試合の勝ち点最大3ポイント制が導入されてからは初の偉業となった。スクデット(リーグタイトル)最有力候補としてプレーオフに臨むわけだが、「まだまだ不十分であることを理解して、次の戦いではハードワークしなければいけないと私たちは理解しています」とアンドレア・アナスタージ監督。タイトルを手にするまで、その悪魔的強さに磨きをかけ続ける。
*****
◆《第22節》トレンティーノ 3–0 モデナ
(25-18,25-20,25-22)〔現地3/12〕
2セット連取に成功したホームのトレンティーノは第3セット開始時から4選手を入れ替えながらもストレート勝ち。決して舐めたわけではなく、プレーオフに向けた全体の調整といったところか。それでも勝利の味はひとしおで、「この観客の前では、すべてが美しい」とSリッカルド・スベルトーリ(イタリア)。
<2000年以降、セリエAに黄金の風を吹かせたトレンティーノ。スクデット獲得へ闘志を燃やす>
◆《第22節》ヴェローナ 3–1 チステルナ
(25-22,25-20,21-25,25-20)〔現地3/11〕
ホームのヴェローナは第1セットで6本のブロックポイントを奪い、4000人弱の観客が詰めかけた会場を沸かせる。攻めてはOPマキシム・サポズコフ(ロシア)が両チーム通して最多22得点をマークし、レギュラーシーズン5位通過を決めた。一方、敗れたチステルナはプレーオフ進出にあと一歩届かず。
◆《第22節》ミラノ 3–0 ターラント
(25-21,26-24,25-18)〔現地3/12〕
前日にチステルナが勝ち点0に終わった時点で、プレーオフ進出を決めたミラノ。だが、相手のターラントは残留のために是が非でも勝利を奪いにくる。もちろんプレーオフに弾みをつけるためにも負けるわけにはいかない。そうして、OHオスニエル・メルガレホ(キューバ)がチーム最多16得点、守ってはMBアグスティン・ロセル(アルゼンチン)が6本のブロックシャットをマークするなど、ミラノは快勝を収めた。
<前節とは打って変わってベストメンバーで臨んだミラノ。プレーオフでは強敵ペルージャと対戦する>
◆《第22節》ピアチェンツァ 3–1 パドヴァ
(25-15,18-25,25-21,25-21)〔現地3/12〕
コッパイタリア王者のピアチェンツァはOPユーリ・ロマノ(イタリア)が6本のサービスエースを含むチーム最多19得点で勝利に貢献し、堂々のMVP。OHイオアンディ・レアル(ブラジル)が18得点、OHリカルド・ソウザ(ブラジル)が14得点と続くなど、レギュラーシーズン最終戦を白星で締めた。二冠へ、ここからだ。
<コッパイタリア後、コートから離れていたピアチェンツァの⑬ロベルランディ・シモン(キューバ)も復帰>
◆《第22節》モンツァ 3–0 シエナ
(25-19,25-22,25-22)〔現地3/12〕
11位のターラントが今節でミラノにストレートで負けたため、勝てば逆転での残留が見えたシエナ。だが、第1セットで5本の被ブロックポイントを喫して落とすと、第2セットも終盤で競り勝てず。第3セット開始時からOHマールテン・ファンハルデレン(オランダ)に代えて、OHジャコモ・ラッファエッリ(イタリア)を投入するも、反撃およばず敗れる。4シーズンぶりに立ったスーペルリーガの舞台だったが、1年での降格となった。
<決して力がなかったわけではないが…、例年以上に激しいレベルだっただけに、シエナはもう少し成熟度を高めたかった>
《イタリア・セリエA》
==レギュラーシーズン最終順位表==
1 ペルージャ 65pt(22勝0敗)-
2 トレンティーノ 44pt(14勝8敗)-
3 モデナ 40pt(12勝10敗)-
4 ルーベ 38pt(13勝9敗)-
5 ヴェローナ 37pt(14勝8敗)-
6 ピアチェンツァ 34pt(11勝11敗)-
7 モンツァ 33pt(11勝11敗)-
8 ミラノ 30pt(10勝12敗)-
9 チステルナ 26pt(8勝14敗)-
10 パドヴァ 18pt(7勝15敗)-
11 ターラント 16pt(5勝17敗)-
12 シエナ 15pt(5勝17敗)- ⇒降格決定
※緑色はプレーオフ、赤色は5位決定プレーオフ予備リーグ戦へ
==プレーオフ/準々決勝ラウンド組み合わせ==
・ペルージャvs.ミラノ
・ルーベvs.ヴェローナ
・トレンティーノvs.モンツァ
・モデナvs.ピアチェンツァ
※3戦先勝方式・最大5試合/現地3月19日(ペルージャvs.ミラノのみ18日)からスタート
==5位決定プレーオフ/予備リーグ戦==
…チステルナ、パドヴァ、ターラントがホーム&アウェーの総当たり2回戦を争い、最上位チームが、プレーオフ準々決勝ラウンド敗退4チームと争う5位決定プレーオフへの出場権を獲得する。現地3月16日、チステルナvs.パドヴァからスタート
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕
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