過密日程で疲労困憊? ペルージャの敵は石川祐希のミラノだけではない。セリエAのプレーオフは準々決勝第4戦へ
- コラム
- 2023.04.02
イタリア・セリエA、2022/23シーズンはプレーオフに突入。現地4月2日には準々決勝ラウンドの第4戦が行われる。石川祐希のミラノはレギュラーシーズン首位のペルージャと争い、現在1勝2敗。3戦先勝方式のため、第4戦を落とせば敗退となるが、次戦の舞台はホーム。地の利を生かして、タイに戻したいところだ。
<準決勝ラウンド進出を懸けて熱戦を繰り広げているミラノ(手前)とペルージャ(奥)/写真:legavolley.it>
ミラノの若き司令塔ポッロは自信を強める
その相手であるペルージャは今季抜きんでた強さを備え、レギュラーシーズンを無敗で走破。昨年末には世界クラブ選手権優勝を果たし、スーペルコッパと合わせて、すでにシーズン二冠を獲得している。目指すは、17/18シーズン以来となるスクデット(リーグタイトル)だ。
これまでの戦いを振り返ると、そのほとんどが勝ち点3(3-0,3-1で勝利)を手にするもの。だが、シーズン終盤に差しかかり、その強さに陰りが見える。プレーオフ準々決勝ラウンド第2戦(3月22日)で、ミラノにフルセットの末に敗北。国内では準決勝で敗れた2月下旬のコッパイタリアに続く黒星となった。
その理由には、「自分たちも相手のレベルに到達していることは証明できている」と自信を強めるミラノのセッター、パオロ・ポッロ(イタリア)の言葉どおり、実力自体が拮抗しているのも一つ。ペルージャのセバスティアン・ソレ(イタリア)もミラノについて、「強力な選手を擁するチーム」と警戒を怠ることはない。
<アタック、ブロック、サーブ、どれも一級品のペルージャ(奥)。写真はフラビオのクイック/写真:legavolley.it>
3、4日おきに試合に臨んでいるペルージャ
その一方で、ペルージャが直面している障害がある。それが、スケジュールだ。
というのも、セリエAと並行して出場しているCEVチャンピオンズリーグも現在、佳境にさしかかっており、ペルージャは主に週末はセリエAのプレーオフ、平日はCEVチャンピオンズリーグ、とハードな日程を強いられている。実際に、ペルージャとミラノが3月に行った試合は以下のとおり。
■ペルージャ
5日(vs.ターラント)、8日(vs.ベルリン/CEV準々決勝1)、12日(vs.ルーベ)、15日(vs.ベルリン/CEV準々決勝2)、18日(vs.ミラノ/PO1)、22日(vs.ミラノ/PO2)、26日(vs.ミラノ/PO3)、29日(vs.ケンジェジン-コジエ/CEV準決勝1)…計8試合
■ミラノ
4日(vs.ルーベ)、12日(vs.ターラント)、18日(vs.ペルージャ/PO1)、22日(vs.ペルージャ/PO2)、26日(vs.ペルージャ/PO3)…計5試合
※PO…プレーオフ/CEV…CEVチャンピオンズリーグ
<ペルージャの攻撃を組み立てるは、シモーネ・ジャネッリ(イタリア)/写真:CEV>
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