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春高2025

過密日程で疲労困憊? ペルージャの敵は石川祐希のミラノだけではない。セリエAのプレーオフは準々決勝第4戦へ

  • コラム
  • 2023.04.02

<充実したメンバーをそろえるペルージャはイタリアそして欧州の頂点を目指す/写真:CEV>

 

巧みな選手起用は今季のペルージャの強みでも

 

 なお、ベルリンはドイツ・ブンデスリーガ、ケンジェジン-コジエはポーランド・プラスリーガの昨季チャンピンチーム。それらの相手と強度の高い試合を繰り広げ、なおかつ、ホーム&アウェーで国内外への移動を伴うのだから、その疲労度は計り知れないだろう。もちろんペルージャとしては選手層を厚くして今季に臨んでおり、CEVチャンピオンズリーグを想定して、試合によってガラリとオーダーを変える“ターンオーバー制”を採用。レギュラーシーズン中にアンドレア・アナスタージ監督は「さまざまなローテーションをテストすることで戦術的解決を図っている」と語っていた。

 

 それは試合の中でも同様で、ミラノとのプレーオフ準々決勝ラウンド第3戦(3月26日)では第1セットを落とすと、第2セット開始時からエースのウィルフレド・レオン(ポーランド)やオポジットのヘスス・エレーラ(キューバ)をベンチに下げる。代わりに投入されたオレイ・プロトニスキ(ウクライナ)が18得点、カミル・リキリチ(ルクセンブルク)が20得点をあげて、逆転勝利に成功。これにはミラノのジャン・パトリ(フランス)も「第2セットを落として以降は、まるで平手打ちを食らったかのように苦しんだ」と白旗をあげた。

 

<戦況を見極め、すかさず選手交代のカードを切るアナスタージ監督の手腕は見事/写真:legavolley.it>

 

選手層は厚いが…。ミスが目立ってきている

 

 とはいえ、である。第1セットでレオンやエレーラが低調に終わった事実(とくにエレーラは無得点)は不安要素だ。また、3月29日のCEVチャンピオンズリーグ準決勝ラウンド第1戦では敵地でケンジェジン-コジエに1-3で敗北。アタック決定率やブロック決定本数、レシーブ返球率でいずれも相手を下回ったほか、サーブミスや被サービスエースが目立った内容に、アナスタージ監督は「このレベルの相手と対戦するには、このサーブの質では難しい。効果的なプレーを繰り出せないまま、多くのミスを犯した」と苦い表情を浮かべた。

 

 レオンを筆頭に強烈なサーブで相手を崩し、フラビオ・グアルベルト(ブラジル)らのブロックで仕留める“サーブ&ブロック”が強みだが、そのサーブが鳴りを潜めると、勝機は相手に渡る。そして、ミラノも名手マッテオ・ピアノ(イタリア)を始め、ミドルブロッカー陣や石川のサイド陣は個々で高いブロック力を備えているだけに、ペルージャのお株を奪うような場面は、このプレーオフで幾度となく見られている。

 

 “ブロックデビルズ”の愛称を持つペルージャとて、悪魔ではなく人間だ。クラブ史上初の四強入りを目指すミラノにも十分チャンスはある。

 

<ミラノのオスニエル・メルガレホ(右端)とペルージャのエレーラ(中央)によるキューバ代表のマッチアップも見ものだ/写真:legavolley.it>

 

(文/坂口功将〔編集部〕)

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