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春高2025

オポジットのザイツェフがサーブレシーブ。スター選手の献身が窮地の昨季王者ルーベを救うか

  • コラム
  • 2023.04.06

イタリア・セリエA、2022/23シーズンはスクデット(リーグタイトル)を懸けたプレーオフに突入。3戦先勝方式の準々決勝ラウンドは全4カードのうち、石川祐希のミラノ対ペルージャも含めた3つが最終第5戦までもつれる白熱した展開となっている。その中でも昨季のリーグ王者ルーベは2連敗の崖っぷちから逆襲に打って出た(写真/legavolley.it)

 

<⑨イバン・ザイツェフ(Ivan Zaytsev/1988年10月2日生まれ/身長204㎝/最高到達点370㎝/イタリア/オポジット、アウトサイドヒッター)>

 

ザイツェフがサーブレシーブに入り、ニコロフが攻撃に専念

 

 イタリアバレーボール界の顔として君臨し、代表でも2016年リオデジャネイロオリンピックでは銀メダルを獲得。クラブでは2017/18シーズンにペルージャを初優勝に導き、昨季はルーベの通算7度目のスクデットに貢献。

 

 その容姿も相まって、アリーナでは黄色い声援が注がれる、まさにスタープレーヤー、イバン・ザイツェフ。ポジションはオポジットで、その豪快なアタックで得点を重ね、チームに勝利をもたらす。現在、34歳。実績十分の大ベテランだ。

 

 代表でもクラブでもアタックに専念する立場を与えられてきたザイツェフだが、ここにきて驚くべきことにサーブレシーブに参加している。しかも、現在戦っているプレーオフ準々決勝ラウンドの相手は、今季サービスエース決定本数2位のノーモリ―・ケイタ(マリ)擁するヴェローナ。勢いに乗れば手がつけられなくなるチームであり、昨季王者のルーベは開幕から2連敗とさっそく窮地に立たされた。

 

<レギュラーシーズンを5位で通過したヴェローナの勢いを前に、同4位のルーベは飲み込まれた。写真はプレーオフ準々決勝ラウンド第2戦>

 

 そこで打たれた一手が、ザイツェフのレシーバーとしての起用である。ポジションはオポジットつまりセッター対角のままだが、コート上ではリベロのファビオ・バラーゾ(イタリア)と一緒に相手サーブを返す。その一方で、アウトサイドヒッターのアレクサンダル・ニコロフ(ブリガリア)を攻撃に集中させるというわけだ。

 

 この戦術は準々決勝ラウンド第2戦から採り入れられ、その試合はフルセットの末に落としたものの、第3戦から効果を発揮した。攻撃に専念するニコロフは第3戦で25得点、第4戦で22得点と連日でチーム最多得点のパフォーマンスを披露。そしてザイツェフも、自ら得点すると同時に、第3戦ではサーブレシーブ返球率38%(16本中/エラー1本)、第4戦では返球率62%(21本中/エラー2本)とていねいにボールを返球するなど、堂々と攻撃の起点になっているのである。そうしてチームは2連勝をあげて、勝敗をタイに戻すことに成功した。

 

<今季新加入の若きエース、⑪ニコロフが大爆発。ルーベが逆襲に転じた>

 

>>><次ページ>「もっとできるし、もっとやらなければ」とザイツェフ

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