世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2022/23シーズンのプレーオフは準々決勝ラウンドがすべて決着しました
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
■最後はストレート勝ち。昨季王者ルーベが2連敗から3連勝!!
[MATCH OF THE ROUND]
◆《準々決勝R第5戦》ルーべ 3–0 ヴェローナ
(25-19,25-23,25-23)〔現地4/8〕
有力な若手選手がそろい爆発力を秘めたヴェローナに対して、開幕2連敗と苦しいスタートとなったルーベ。だが、OPイバン・ザイツェフ(イタリア)がサーブレシーブに入ることで、OHアレクサンダル・ニコロフ(ブルガリア)の攻撃力を生かす策が的中する。第3戦を完勝、鬼門だった敵地の第4戦も勝利し、勝敗をタイに戻す。
そうしてホームで臨んだ第5戦は、ヴェローナのOHロク・モジッチ(スロベニア)に4本のブロックシャットを浴びるなど要所で苦戦するものの、各セット終盤で高い決定力を見せたルーベが終わってみればストレート勝ち。逆転での準決勝ラウンド進出を決めた。
<ルーベのニコロフ(奥)は15得点の活躍。いまやチームに欠かせないファクターだ>
「若い選手も含め、全員がプレッシャーの中で戦い、決して簡単ではない大逆転劇を演じてみせた」とジャンロレンツォ・ブレンジーニ監督。ザイツェフも「おそらくはほとんどの人が信じていなかった逆転劇をやってのけました。美しい夜だった」と感無量の様子だった。ルーベは、こちらも劇的な勝ち上がりを披露したミラノと準決勝ラウンドを争う。
*****
◆《準々決勝R第5戦》ミラノ 3–1 ペルージャ
(18-25,25-21,29-27,25-23)〔現地4/10〕
試合は序盤から拮抗した展開になるものの、第1セットは終盤でブレイクを重ねたペルージャが先取する。それでもミラノはしっかりとブロックでワンタッチを取ると、Lニコラ・ペザレージ(イタリア)や、OPジャン・パトリ(フランス)もボールを拾い上げ、粘り強く戦う。第2セットからはOH石川祐希(日本)のサービスエースなどで優位に試合を進めると、第3セットの競り合いを制して、勝利に王手。試合のムードを支配したミラノはマッチポイントから最後は石川のバックアタックが決まり、レギュラーシーズン無敗の強敵ペルージャを撃破。チーム史上初の準決勝ラウンド進出を決めた。
「個人としてもチームとしても、目標はこの試合を楽しむことでした。責任を受け止め、私たちは素晴らしい勝利を収めた」とキャプテンのMBマッテオ・ピアノ(イタリア)は喜んだ。
<的確なブロックシステムでペルージャ(手前)に決定機を与えなかったミラノ>
◆《準々決勝R第5戦》ピアチェンツァ 3–2 モデナ
(19-25,17-23,25-20,25-21,15-12)〔現地4/10〕
先週にCEVカップ2023を制したモデナは、リーグタイトルを目指して運命の準々決勝ラウンド最終戦へ。第1セットで計3本、第4セットで計4本のサービスエースを浴びせ、幸先よく2セットを先取する。
対するピアチェンツァは第3セットからローテーションをガラリと回し、S4ローテからスタートすると、これが奏功。サーブレシーブの安定感を取り戻すと鮮やかに逆転勝利を収めた。チーム最多19得点をあげたOHリカルド・ソウザ(ブラジル)が試合のMVPに選ばれたほか、MBロベルランディ・シモン(キューバ)が最多7本のブロックポイントを含む13得点をマークした。
++5位決定プレーオフ予備リーグ戦++
◆《第5節》チステルナ 3–1 ターラント
(20-25,27-25,25-16,25-19)〔現地4/8〕
アウェーに乗り込んだチステルナはOPハビエル・マルティネス(イタリア)のチーム最多19得点を含め4選手が2桁得点をマークし逆転勝利を収めた。対するターラントはOPハンプス・エクストランド(スウェーデン)が16得点の健闘。現地4月12日、最終第6節はパドヴァとターラントが戦う。
<チームにとっての予備リーグ最終戦を勝利で締めたチステルナ>
《イタリア・セリエA》
==プレーオフ/準決勝ラウンド対戦表==
・ルーベvs.ミラノ
・トレンティーノvs.ピアチェンツァ
※3戦先勝方式・最大5試合
==プレーオフ/準々決勝ラウンド勝ち取り表==
・ペルージャ〇●〇●●vs.ミラノ●〇●〇〇
・ルーベ●●〇〇〇vs.ヴェローナ〇〇●●●
・トレンティーノ〇●〇○vs.モンツァ●〇●●
・モデナ〇〇●●●vs.ピアチェンツァ●●〇〇〇
==5位決定プレーオフ予備リーグ戦/順位表==
1 パドヴァ 6pt(2勝1敗)
2 チステルナ 6pt(2勝2敗)-
3 ターラント 3pt(1勝2敗)-
==レギュラーシーズン最終順位表==
1 ペルージャ 65pt(22勝0敗)-
2 トレンティーノ 44pt(14勝8敗)-
3 モデナ 40pt(12勝10敗)-
4 ルーベ 38pt(13勝9敗)-
5 ヴェローナ 37pt(14勝8敗)-
6 ピアチェンツァ 34pt(11勝11敗)-
7 モンツァ 33pt(11勝11敗)-
8 ミラノ 30pt(10勝12敗)-
9 チステルナ 26pt(8勝14敗)-
10 パドヴァ 18pt(7勝15敗)-
11 ターラント 16pt(5勝17敗)-
12 シエナ 15pt(5勝17敗)- ⇒降格決定
※緑色はプレーオフ、赤色は5位決定プレーオフ予備リーグ戦へ
〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕
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