駿台学園高ら日本の高校&大学生女子チームが全米1位経験を持つクラブチームと交流
- 学生
- 2023.04.18
過去には全米1位に輝いた実績があるアメリカ・サンディエゴの女子クラブチームCoast VolleyballのU17、U18チームが4月上旬から中旬にかけて来日。駿台学園高、文京学院大女高、藤村女高(以上、東京)、千里金蘭大と練習や練習試合を行った。12日(水)にはU17チームが駿台学園高と対戦し、8日間の旅を締めくくった
練習を終え、笑顔を見せる駿台学園高とCoastの選手たち
日本ならではの練習にも積極的に参加
コロナ禍以前は行われていたアメリカチームと日本の高校生、大学生の交流が、3年ぶりに実現した。今回、初来日したCoastのトリプレット・マディソンキャプテンは「全体を通してすごく楽しい時間でした。最終日にほんとうに素晴らしいチームと対戦することができて、いちばん楽しい経験になりました」と晴れやかに語った。
Coastからのリクエストで、最終日は駿台学園高と同じ練習に参加。同高の選手たちは身振り手振りを交えながらメニューを共有した。エースの山内志織(2年)は「ジェスチャーで伝えるのがすごく難しかった」と言いながらも、「フレンドリーで話しかけやすかったです」とすぐに打ち解けた様子。マディソンキャプテンも「歓迎ムードを感じ、それが心地よくてプレーがしやすかった」と言うように、互いに声を掛け合い、和やかなムードで体を動かした。
特に熱気に包まれたのは、“スリーメン”など、日本ならではの守備練習。マディソンキャプテンは「アメリカのディフェンスとやり方が違って、とてもレベルが高かったです。ほんとうに動きが速く、全然ボールを落とさないと感じました」と驚きの表情。ボールがつながると全身で喜びを表現し、ハイタッチで感情を共有した。
好プレーには拍手でたたえた
3セットの練習試合で互いに収穫
そして、その締めくくりには練習試合が行われた。試合前のあいさつでは笑顔でネット越しに手を振り合ったが、笛が鳴るとガチンコモード。第1セットはCoastの高さに苦しんだ駿台学園高は、山内のサーブから中盤に5連続得点で追い上げる。そのエースのスパイクで終盤に逆転してセットを奪うと、競り合った第2セットもサーブから主導権を握り、都新人大会3位の実力を見せつけた。
同大会では、下北沢成徳高をはじめ、身長180㎝超えのブロッカーと対峙した山内は「(下北沢成徳高よりブロックが)全然高いと思います」と苦笑い。連続でワンタッチを取られるシーンもあったものの、「ネットにトスが近くなるときに、ブロックにスパイクを当てて、そこからもう一回攻めたり。後半になるにつれて修正することができたと思います」と手応えをつかんだ。
高いブロックにも果敢に攻めた山内
2セットを続けて落としたCoastだったが、第3セットに反撃。メンバーをガラリと入れ替えた駿台学園高に対し、パワフルなスパイクやブロックを連発するなど、持ち味の高さを生かしてセットを奪った。
チーム内では小柄なマディソンキャプテンは「自分は身長が高い方ではないので、日本のやり方が合っているんじゃないかと思いました。ブロックの間を通して点を取ったり、得点を取るスキルはもっと学ばないと」と収穫を得た。そして、プレーだけでなく「日本チームの楽しくプレーする姿が印象的でした」と笑顔を見せた。
マディソンキャプテン(中央)がチームをまとめ、セットを奪ったCoast
試合後にはプレゼント交換を行い、選手たちは力強く抱擁を交わした。バレーボールだけではなく、東京や京都での観光も楽しんだ8日間を終え、マディソンキャプテンは感謝を口にした。
「日本に来て感じたのは、バレーボールに関係なく、日本の人はすごく優しくしてくれるということ。知らない人たちにも親切にする心はとても勉強になったので、今後できるようになっていきたいです。
バレーボールでは、日本の選手はすごくハードに練習していることを目の当たりにしたので、私たちもそれくらい練習できるように頑張りたいです」
「将来、もっと上のレベルで活躍したい。世界と戦うときにも生かせると思いますし、すごくいい経験になりました」と語る山内のように、これから高いステージを目指す選手もいる。マディソンキャプテンは「今回試合をしたチームの皆さんはほんとうに素晴らしかった。いつか帰ってきて、また試合をできたらと思います」と笑顔で語った。一度交った物語は、これからもきっと続いていく。
およそ2時間15分の練習を経て、グッと距離を縮めた両チームの選手たち。マディソンキャプテンの手には駿台区学園高の選手からのプレゼントも
文・写真/田中風太
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