初の決勝進出なるか。石川祐希のミラノの快進撃を後押しする“地の利”
- コラム
- 2023.04.21
イタリア・セリエAは2022/23シーズンのプレーオフ真っ只中。石川祐希が所属するミラノはレギュラーシーズン8位ながら、同1位のペルージャを撃破してチーム史上初となる準々決勝ラウンド通過を果たした。そして昨季王者のルーベと準決勝ラウンドを戦い、現時点で2勝1敗。ミラノは決勝進出へ王手をかけた。
(Photo:legavolley.it)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ
<ルーベとの第3戦でアタック決定率83%をマークし、MVPに輝いたMBアグスティン・ロセル(アルゼンチン)>
レギュラーシーズン無敗のペルージャと準々決勝ラウンドで対戦
勝利に値するだけの力があるのは大前提だが、それでも、神風が吹いていると思えてしかたがない。プレーオフに入り、ミラノのホームアリーナ「アリアンツ・クラウド」での勝率は100%である。
始まりはプレーオフ準々決勝ラウンド第2戦だ。第1戦(現地3月18日)はアウェーのペルージャに出向き、ストレート負け。レギュラーシーズンの対戦成績ではペルージャの2勝0敗であることを考えれば、ある意味、妥当な結果であった。だが、そこで引き下がる今季のミラノではない。「相手がどう攻めてくるか。この数日話し合い、対策を練ってきた」(ロベルト・ピアッツァ監督)と、ホームでの第2戦(同3月22日)は出だしから2セットを連取。選手交代を繰り出したペルージャの反撃もありフルセットに持ち込まれたが、最終第5セットを制して、レギュラーシーズン無敗のペルージャから今季初白星を奪ってみせた。
<準々決勝ラウンド第2戦でペルージャから白星を奪ったミラノ。快進撃はここから始まった>
「自分たちはあきらめないチーム」とミラノの大砲パトリ
そもそもセリエAのプレーオフは一戦ごとにホーム&アウェーが入れ替わる方式。レギュラーシーズン上位チームに第1戦のホームでの開催権が与えられる。3戦先勝方式のため、ミラノは第2戦を制したことで、必然的に第4戦の実施が決まった。そして、その舞台はホームである。「必ず第4戦でここに戻ってこようと話していました」と、ミラノのキャプテンMBマッテオ・ピアノ(イタリア)は第2戦を終えて語った。
アウェーでの第3戦(同3月26日)を落とし窮地に立たされたミラノだったが、「勝利するための最後のチャンス。ですが、それが不可能ではないことは、第2戦で証明されていいます」と力強く語ったのはOPジャン・パトリ(フランス)。「自分たちは決してあきらめないチームですから」という大砲の言葉には自信がみなぎった。
そして迎えた第4戦(同4月2日)は4000人を超える観客がアリアンツ・クラウドを埋めた。その熱気に突き動かされたチームは、フルセットの末にまたしても白星を手にする。これで弾みをつけたか、アウェーでの第5戦(同4月10日)で逆転勝利を収め、ついに初の準決勝ラウンド進出を決めた。
<準々決勝ラウンド第5戦ではアウェーながら、ミラノの応援団がエールを送り続けた>
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