世界最高峰リーグと称されるイタリア・セリエAの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SERIE A』。2022/23シーズンのプレーオフは準決勝ラウンドが大詰めです

（Photo：legavolley.it）

※ポジション表記／OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ、C…コーチ

 

 

■敵地でストレート勝ちのミラノが決勝進出に王手。ルーベは窮地に立たされる

 [MATCH OF THE ROUND]

◆《準決勝R第1戦》ルーベ　3–0　ミラノ

（25-17,25-22,25-17）〔現地4/13〕

◆《準決勝R第2戦》ルーベ　2–3　ミラノ

（18-25,25-20,21-25,25-21,9-15）〔現地4/16〕

◆《準決勝R第3戦》ルーベ　0–3　ミラノ

（23-25,18-25,24-26）〔現地4/19〕

　対戦成績1勝1敗で迎えた第3戦は、ホームのルーベが第1セット序盤で5連続得点もあり8-3とリード。そのまま試合は進むが、ミラノはOH石川祐希（日本）とOHオスニエル・メルガレホ（キューバ）の得点で着々とブレイクを重ね、終盤で一気に逆転。第1セットを先取すると、第2セットでは計5本のサービスエースを奪うなど圧倒して、セットカウントを2-0とする。

 

　第3セット中盤からルーベはOPガビ・ガルシア（アメリカ）、MBエンリコ・ディアマンティーニ（イタリア）を投入して反撃に打ってでるも、セット終盤で競り勝ったのはミラノ。敵地でストレート勝ちを収める最高のかたちで、第4戦の舞台であるホームアリーナへ帰ることとなった。チーム史上初の準々決勝ラウンド突破を果たしたミラノの勢いは収まりそうにない。

＜ルーベを指揮するブレンジーニ監督。逆襲の一手はいかに？＞

 

　一方のルーベは連覇に赤信号。ジャンロレンツォ・ブレンジーニ監督は「このような試合では落ち着きが必要だった。自信と我慢強さを失うことなく、戦わなければ」と語り、ガルシアも「ミラノに行き、そこから決勝ラウンドを目指して頑張りたい」と逆襲を誓った。

 

＊＊＊＊＊

◆《準決勝R第1戦》トレンティーノ　3–0　ピアチェンツァ

（25-23,25-22,25-18）〔現地4/13〕

◆《準決勝R第2戦》トレンティーノ　3–1　ピアチェンツァ

（25-19,25-22,20-25,25-20）〔現地4/16〕

◆《準決勝R第3戦》トレンティーノ　0–3　ピアチェンツァ

（23-25,22-25,20-25）〔現地4/19〕

　準決勝ラウンドで開幕2連敗と崖っぷちに立たされたピアチェンツァだが、「まだ相手はベストな状態ではないでしょう」と語ったのはトレンティーノのLガブリエレ・ローレンツァーノ（イタリア）。その言葉通り、第3戦では第1セットからピアチェンツァはOHリカルド・ソウザ（ルカレリ／ブラジル）の猛打がさく裂し、結果ストレートで勝利する。

 

　試合後、「今日の相手こそが真の姿であり、私の見立てではもっともっとやってくるはず」とローレンツァーノは白旗を上げた。4本のブロックポイントを含むチーム最多22得点をあげて試合のMVPに選ばれたルカレリは「まだ差は開いていますから。次のホームゲームでは大勢のお客さんがきてくれるだろうし、またここに戻ってきて（最終第5戦に突入した場合はトレントで実施）、ファイナルを目指したい」と意気込んだ。

＜力強いアタックでピアチェンツァを国内二冠へ導かんとする⑧ルカレリ（右端）＞

 

＋＋5位決定プレーオフ グループ戦＋＋

…プレーオフ準々決勝ラウンド敗退4チーム（ペルージャ、モデナ、ヴェローナ、モンツァ）と、5位決定プレーオフ予備リーグ戦を制したパドヴァの5チームによって争われる。1回戦総当たりのグループ戦を行い、その上位4チームが決勝トーナメントに進出。勝者には来季のCEVチャレンジカップ出場権が与えられる

 

◆《第2節》ペルージャ　3–0　モンツァ

（25-22,25-22,31-29）〔現地4/19〕

　レギュラーシーズンを無敗で通過しながら、プレーオフは準々決勝ラウンド敗退に終わったペルージャ。「ここ数週間に起きたことは、まだ少し話しづらい」（Lマッシモ・コラーチ〔イタリア〕）のが本音だろうが、チームは5位決定プレーオフ初戦でストレート勝ち。失意を抱きながらも、仕切り直しの白星を手にした。

＜こぼれたミルクを嘆いてもしかたがない。今季最後の大会をペルージャは勝利で飾れるか＞

 

◆《第2節》パドヴァ　3–2　モデナ

（25-21,22-25,25-21,26-28,15-11）〔現地4/19〕

　ホームのパドヴァはOHダビデ・ガルディーニ（イタリア）がチーム最多20得点をマークしたほか、対角のOHマテウシュ・デスメト（ベルギー）が3本のサービスエースを含む19得点と続き、フルセットの激闘を制した。対するモデナは2連敗。「困難な状況でも耐えられるチームであることを証明し続けている」とアンドレア・ジャーニ監督は話すが…。

＜思えば今季開幕戦もモデナからフルセットの勝利を奪っていたパドヴァ（コート奥）＞

 

《イタリア・セリエA》

＝＝プレーオフ／準決勝ラウンド対戦表＝＝

・ルーベ〇●●vs.ミラノ●〇〇

・トレンティーノ〇〇●vs.ピアチェンツァ●●〇

※3戦先勝方式・最大5試合

 

＝＝プレーオフ／準々決勝ラウンド勝ち取り表＝＝

・ペルージャ〇●〇●●vs.ミラノ●〇●〇〇

・ルーベ●●〇〇〇vs.ヴェローナ〇〇●●●

・トレンティーノ〇●〇○vs.モンツァ●〇●●

・モデナ〇〇●●●vs.ピアチェンツァ●●〇〇〇

 

＝＝5位決定プレーオフ グループ戦／順位表（第1節終了時点）＝＝

1　ヴェローナ　3pt（1勝0敗）

2　ペルージャ 3pt（1勝0敗）

3　モンツァ　2pt（1勝1敗）

4　パドヴァ 2pt（1勝1敗）

5　モデナ　2pt（0勝2敗）

 

＝＝5位決定プレーオフ予備リーグ戦／最終順位表＝＝

1　パドヴァ　9pt（3勝1敗）→5位決定プレーオフ進出

2　チステルナ 6pt（2勝2敗）

3　ターラント　3pt（1勝3敗）

 

＝＝レギュラーシーズン最終順位表＝＝

1　ペルージャ　65pt（22勝0敗）-

2　トレンティーノ 44pt（14勝8敗）-

3　モデナ　40pt（12勝10敗）-

4　ルーベ　38pt（13勝9敗）-

5　ヴェローナ　37pt（14勝8敗）-

6　ピアチェンツァ　34pt（11勝11敗）-

7　モンツァ　33pt（11勝11敗）-

8　ミラノ　30pt（10勝12敗）-

9　チステルナ　26pt（8勝14敗）-

10　パドヴァ　18pt（7勝15敗）-

11　ターラント　16pt（5勝17敗）-

12　シエナ　15pt（5勝17敗）- ⇒降格決定

※緑色はプレーオフ、赤色は5位決定プレーオフ予備リーグ戦へ

 

〔責任編集：GUCII（坂口功将／編集部）〕

 

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