マサとモオリが交わした労いとエール。2人の“やなぎだ”は幼なじみ/第71回黒鷲旗スペシャル対談
- SV男子
- 2023.05.11
<マッチアップは実現しなかったが、試合後に2人は握手を交わした>
違う立場どうしの2人が見ていた、お互いの印象
それぞれのプレーするカテゴリーは、リーグの1部と2部。2人は立つフィールドが異なった。と同時に、お互いの立場も違った。プロ選手と、企業に属した選手だった。
――互いの立場でいえば、柳田選手はプロ、栁田選手はサラリーマンになります
モオリ 大変だな、って。プロ選手はバレーボールで結果を出さなければいけない。それに30歳にもなれば、おそらく体で痛いところやつらい部分が出てくると思うのですが、そことも向き合っていかなければいけないでしょう。とはいえ、それを見せずに結果を出さなければいけない、結果が求められるというのはほんとうに大変だろうな、と思います。
マサ 企業によってタイムスケジュールは変わると思いますが、仕事を終えてから夕方から晩に練習する、そのうえでコンディションを維持しないといけないのは大変だと思います。自分のエネルギーを注ぐのがバレーボールだけではない、それが難しいと思いますし、今だったらV1に上がることにトライしているわけで。そのバランスはすごいな、と。
<柳田は2018年にプロ転向。海外リーグなどを経て、ジェイテクトに移籍加入した22-23シーズンは天皇杯優勝に貢献しMVPに輝いた>
――今大会をもって、栁田選手は現役を引退されます。ねぎらいの言葉をお願いします
マサ モオリ自身も富士通というチームも、V1に上がるという大きな目標を掲げていて、それは僕たちの立場からしたら常に緊張感を与えるものだったわけです。モオリたちのようにおびやかしてくる存在を感じながら練習していましたし、それがいたからこそ頑張ることができました。
モオリ自身、バレーボール界を担ってきた、そして長く続けてきた競技者の一人なので、僕個人としては「ここでバレーボールを離れてほしくない」という思いはひそかにあります。ですし、そういった付き合いがこれからもできたら。ひとまずは「お疲れさま」と言いたいですが、彼自身が積み上げてきたものは本人が思っている以上の価値があると思うので、それを還元してくれたら僕もうれしいなと思っています。
――反対に、これからも現役を続けられる柳田選手にエールをお願いします
モオリ マサには年齢関係なく、最前線でプレーしてほしいです。年齢が上がれば上がるほど、活躍できるフィールドの門は狭くなっていくとは思いますが、そこに向かって常にトライしてほしい。それに今年も日本代表に入っていますから。おそらく今、20代後半の選手たちにとって、マサは目標になる存在だと思うんです。チャレンジしながら、停滞することなく、引き続き自分を磨いて頑張ってほしい。プロ選手として活躍している姿を、僕も見ていたいです。
(取材・黒鷲旗写真/坂口功将〔編集部〕 天皇杯・ポートレート写真/山岡邦彦〔NBP〕)
Vリーグ閉幕&代表カムバック
柳田選手の思いが詰まったインタビューは
『月刊バレーボール』2023年6月号(5/15発売予定)に掲載
お求めは【NBPオンラインショップ】で→コチラ
>>><次ページ>撮影オフショット。モオリのペースにマサもたじたじ…!?